中西アルノ

考察:乃木坂46 34thSGアンダーライブDay3千秋楽 2024/1/27

1.全体の感想

いわゆるアンダーライブ感こそ薄かったと個人的には感じたが、これはこれでありというようなライブだった
後述するが、センターのアルノの新たな側面が見つかり大変良かったのではないか
実は今回現地観戦かつ結構な良席であったため、正直なところ推しが可愛いが感想の8割以上を占めているが、少しはまともに考察していきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください

後から振り返ると実にユニット曲を除く本編19曲中17曲がアンダー楽曲と、楽曲としてはかなりアンダー曲に振り切った構成だったのは驚いた
ほぼアンダー曲だけでライブを成立させるってよく考えるとすごいよなあ
それだけ良曲が多いということでしょう

3.振り返りポイント

①アンダーライブ感の薄さについて

こんなアンダー曲に振ったセトリ構成にもかかわらず、良くも悪くもいわゆる「メラメラ」「ギラギラ」といった言葉に代表されるようなアンダーライブ感はそれほど感じず個人的には選抜のライブと人数以外は差異がなかったように思う
(特に近年は選抜ライブ会場のキャパを絞っているのでなおさら)

思い浮かぶ理由としてはこんなとこだろうか

  • トロッコを駆使したり、楽曲リミックスやドラムパフォーマンスなど単純に歌やダンスで魅せるという以外のエンターテインメント要素があったこと
  • あやてぃーマスターのバー設定をはじめとした、寸劇に割と時間をとったこと
  • 上記の結果としてゴリゴリパフォーマンスで魅せるブロックが削られたこと(これはスタ誕ライブをはじめパフォーマンスで魅せるライブを最近見たことでこちら側がクオリティを求めすぎている可能性は否めない)
  • 34thアンダー曲の『思い出が止まらなくなる』の楽曲自体がいわゆるアンダー楽曲の曲調と180度違う

そもそも選抜-アンダー間の流動性があまりなくなっている現状を鑑みると、初期の悔しさをぶつける場としてのアンダラと現在のアンダラはもはや別物としてとらえるのが正解なのかもしれない
実際にアンダーライブらしいと感じるアンダラは久しく見ていない気がする

②中西アルノについて

散々アンダーライブらしくないと書いてきたが、実はこと今回に限ってはこの内容で良かったのではないかと思う
語るうえでキーマンとなるのが、座長・中西アルノである
個人的には今回のアンダラは言ってしまえばアルノのためのライブといっても良いほどだと思っている

思えば彼女にとってはなかなかハードな二年間であったように思う
類まれな歌唱力を持っていた彼女はパフォーマンスを武器に、乃木坂をぶっ壊す刺客としての役割を与えられた
※詳細な考察は下記の記事を参照
・2022/2/23 10th Anniversary 乃木坂46時間TV スペシャルライブ
その後のアンダーライブやスター誕生ライブでも圧倒的なパフォーマンスを武器に見せ場をつくってきた2年間だったように思う

それゆえに彼女=パフォーマンスのイメージが強くついてしまった
もちろんこれ自体は悪いことではないのだが、少なくとも私は彼女のパーソナリティをあまり深く知る機会が多くなくなってしまった

今回座長に抜擢された割にパフォーマンスで魅せる機会は決して多くなかったように思う
むしろジコチュープロデュースのコーナーや『〜Do my best〜じゃ意味はない』があったあたり、前回の方が見せ場は多かったのではないかとすら覆う
逆に解釈すればパフォーマンスに逃げることを許さない構成だったのが今回のアンダーライブであったように思う

そのため彼女は自分の言葉で伝えるしかなかった
正直思ったよりもつたなく、飄々としたイメージとは全く違ったがボロボロになってでも乃木坂が大切であることを伝える彼女の気持ちだけはよく伝わったと思う

アルノがいい意味でパフォーマーでなく、アイドルに生まれ変わる瞬間を見られたことがこのアンダラの何よりの収穫だったように思う

③今後のアンダーライブについて

今回のアンダーライブはこれはこれで良かったという感想を私は持っているが、かつての熱さとは性質を異にするアンダーライブは今後どのように展開していくのかは気になるところである
アルノは前回の史上最大のアンダーライブというキャッチフレーズにかけて「史上最高を更新し続ける」と思いのたけをぶつけていたが、どのように選抜のライブと差別化し勝負をしていくのだろうという疑念は残る

ただもしかすると今回のアルノのためのアンダーライブというのはフラッグシップとなりうる事例かもしれない
アンダーライブは少人数なので今回アルノにスポットライトを当てたように座長に徹底的に寄り添うライブというのは一つの解となる可能性はある

いずれにせよ熱さだけを求めるアンダーライブから変化していくのではないかと私は考察しており、今後とも注視していきたい

考察:乃木坂46 33rdSGアンダーライブ横浜アリーナDay3千秋楽 2023/10/1

1.全体の感想

昨日も見ていたから内容はある程度知っていたけど、それでも熱くなれる良いライブだった
以下いつものようにポイントを絞って振り返っていきたい

なお昨日と被る部分については省略するので、良かったらこちらも読んでやってください
・考察:乃木坂46 33rdSGアンダーライブ横浜アリーナDay2 2023/9/30

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください

詳細は昨日の考察記事に譲るが、熱さと緩さのバランス感がとても良くツボを押さえたセットリストだったと思う

3.振り返りポイント

①ジコチュープロデュース(3日目)について

今回一番特徴的な演出はジコチュープロデュースだった
昨日同様、一人ひとり感想を書き残しておきたい
なおアフター配信で1日目のジコチュープロデュースも見ることができたので、こちらは別記事でレビューをアップしたい
※追記:以下記事にジコチュープロデュース全体の振り返りとともにアップしました
・考察:乃木坂46 33rdSGアンダーライブ横浜アリーナDay1 2023/9/29

小川彩『悲しみの忘れ方』『スカウトマン』
やはりこの子はスーパーアイドルだなと思わざるを得ない
『悲しみの忘れ方』はまさかのピアノ弾き語りで、しかもめちゃくちゃ上手だった
『スカウトマン』のヒップホップダンスは経験者だけあって流石
これだけハイクオリティなのを2つもやっているのに、可愛い系も正統派バキバキダンスもできてしまうので末恐ろしい
あーやの魅力は2曲では語れないので、もっともっと見たいと思ってしまった

向井葉月『不眠症』『僕が行かなきゃ誰が行くんだ?』
自分でも言及してたけど、葉月ちゃん本当にダンスうまくなったよなあ
7年間の成長というか重厚感を感じるとてもよいパフォーマンスだった
あと『僕が行かなきゃ誰が行くんだ?』って基本的にはコールがない曲だと思うんだけど、葉月ちゃんのソロで声が震えてしまったときにコールが自然発生してた
これはとても良いコールだなあと感じたので書き記しておく
そもそも特技のギターを封印して、ダンスと歌のみにフォーカスしたことがナイスチャレンジだったと思う
(おそらくいろはちゃんに譲ったんだろうと予想する)
本当にいい子だなあと思うし、応援したくなるよね

中西アルノ『〜Do my best〜じゃ意味はない』『命は美しい』
2曲とも大胆アレンジと圧倒的歌唱力で中西アルノの世界観を築いていた
方向性としては近しいんだけど、これぞ中西アルノという感じなので無理にほかのことをやる必要もないと思う
ただ存在感があまりにも圧倒的すぎるので、今後どうグループとして活かしていくかが結構難しい
うまく生きる場所を作れれば、乃木坂がもう1段階上に行けるくらいの爆発力があるのでどうにかしたい

佐藤璃果『ゴルゴンゾーラ』『ぐるぐるカーテン』
二曲とも可愛いに振り切ったプロデュースだったが、りかちゃんはこの方向性であってると思う
ハロウィン仮装も季節性あって◎
ただ方向性がなおちゃんのジコチュープロデュースとやや被るので、もっとカオス感とか出たら個人的にはもっといいのかなあと思ったりもした

松尾美佑『転がった鐘をならせ!』『大人たちには指示されない』
大トリはもちろんみゆちゃん
個人的に肝は『転がった鐘をならせ!』だったと思う
このアンダラで格好良いパフォーマンスができるのは十二分に伝わったので、弾ける笑顔という別の魅力をアピールできたのはとても良かった
『大人たちには指示されない』に関しては、もはや見る前から約束されている勝利感があった
とはいえ3期生曲を披露するのはレアなので、やっぱり見られてよかったとは思う

余談だが、作戦会議のVTRで後ろのホワイトボードに「松尾、1曲全部アクロバティック」と書いてあったけどいくらなんでもハードすぎるでしょ…笑
いや、見られるもんなら見たいけども、、、

②『日常』前の演出について

昨日触れ忘れたが、『日常』の前にアンダーライブとは何かをメンバーが答えていく演出があった
声が徐々に重なっていくところや光や効果音含めてこれ自体めちゃめちゃ格好良かったのだが、これから一番盛り上がるところに入っていく転換点としてかなり効果的な演出だったと思う
地味に見えるけど、こういうの見ると演出家ってすごいなあと思う

③『口ほどにもないKISS』

半分余談なのだが、この曲王道アイドルソングだしもっと盛り上がっても良いのでは…?
昨日現地でも割とコールまばらだったし、今日の配信でもそんな様子が伝わった
コロナ期真っただ中の楽曲はコールが確立されていないから、難しいんだけどなんとかならないかなあ

④松尾美佑について

最後に今回の座長について触れたい
全国ツアーのアンダーブロックから今日のアンダラ千秋楽まで、ずっと引っ張ってきたからまずは本当にお疲れ様でした
事あるごとにこのブログでも触れてきたけど、本当にこの夏の彼女は魅力に溢れてた

今日のスピーチでどんなことを話すんだろうと思っていたが、非常にさっぱりとした顔でニコニコ語っていたのが印象的だった
史上最大のアンダーライブをやり遂げた達成感と仲間への感謝からくるものなのだろう
個人的にはすごく好感が持てた

ただし評価としては少し難しいかもしれない
彼女は終始ニコニコなこともあって、頼もしく強そうに見える側面もあったと思う
乃木坂で人気が出る子って何かしらの庇護欲を掻き立てる要素があるんだけど、ファン層に刺さらないかもしれないという懸念が少しある
そういう意味ではすこし弱さも見えた昨日のスピーチの方が内容的にうけるかもなあと、ちょっともったいなくも思った

とはいえ松尾のバキバキダンスとニコニコ笑顔はアイドルの一つの究極形態だと思う
最強アイドルがひとり生まれた瞬間を目撃できたことに感謝して、筆を置きたい

考察:乃木坂46 33rdSGアンダーライブ横浜アリーナDay2 2023/9/30

1.全体の感想

思わず今日が千秋楽と錯覚するくらい、充実したライブだった
全国ツアーのアンダーブロックもかなりレベルが高かったのでハードルは相当に上がったと思うが、それを悠々と超えてきた印象がある
以下いつものようにポイントを絞って振り返っていきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください

アンダー曲に始まり、帰ってきたジコチュープロデュースや全体曲アレンジを挟んで再度アンダー曲に戻っていく構成で、後述するがかなりツボを押さえたセットリストだと思う

3.振り返りポイント

①セトリについて~選抜・アンダー成分の融合

今回のセトリについて、かなりバランスがよくて満足が高かった
その要因は全体ライブに近いお楽しみ成分と、いわゆるアンダーライブらしさがバランスよく共存していたからだと思う

まず前者については、かつて全国ツアーでやっていたジコチュープロデュースをアンダーライブで再度取り入れたり、緩めのVTRが挟まれたりというのがわかりやすいところだろう
ゴリゴリのアンダーライブもいいけど、こういった箸休め要素があったほうが緩急ついて個人的には見やすかった
あとは『Route246』で見られた大胆アレンジも、いままでのアンダーライブではそんなに見なかった印象だがアルノちゃんの圧倒的な歌唱力もあって心が震えた

とはいえ全国ツアー的なお楽しみ成分全振りではなく、アンダーライブらしさをきちんと味わうこともできたライブだった
過去を振り返ると、31stアンダーライブもかなり全国ツアー的な要素が強かったライブだったと思う
・考察:乃木坂46 31stSGアンダーライブ(アンダラ)横浜公演千秋楽 2022/12/19
しかし比較に出すのは悪いが上記考察記事にもあるように、個人的にはアンダーライブならではの熱さが感じられずやや消化不良感を残したライブだった

ただ今回はアンダーライブらしさもびんびんに感じられた
最初と最後の重要なところを激しめのアンダー曲で盛り上げていく感じとか、スピーチも思いがこもっていてとても良かったと思う

なんなら今後この形式をアンダラの型としても良いくらいに感じている

②ジコチュープロデュースについて

今回一番特徴的な演出はジコチュープロデュースだったと思う
これについては各日現地に行かないとフルで見られないことが予想されるため、一人ひとり感想を書き残しておきたい

奥田いろは『君は僕と会わない方がよかったのかな』『Rewindあの日』
一人目はいろはちゃんだった
特技のギターを生かした弾き語りでの『君は僕と会わない方がよかったのかな』は透き通った声でとても良かったし、後述するあーや・なおちゃんとの雰囲気にはちょっと涙すら出た
『Rewindあの日』で見せた妖艶な表情もいい意味のギャップがあった
やっぱりこの子スペック高いなーと思った

佐藤楓『釣り堀』『月の大きさ』
でんちゃんといえばダンスだよなあと改めて思った2曲だった
『釣り堀』のコンテンポラリーダンスは少し意外だったけど、こんなこともできるんだと幅をみられた
あとほんとになあちゃん好きなんだなあと伝わる選曲なので、そこも◎
もう一曲の『月の大きさ』はイメージ通りのバキバキダンスで流石でした

矢久保美緒『醜い私』『甘いエビデンス』
格好良い系と可愛い系でふり幅を見せられたと思う
なかなか披露される機会がない曲なので、選曲含めてセンス良いなと思った
あとはやっぱり『甘いエビデンス』でオリメンの「親友」とおそろいの指輪をつけて出たのは、感涙ものですよね
はよ戻ってきてくれ…、二人のトークが聴きたいのよ

清宮レイ『そんなバカな・・・』『アナスターシャ』
まずは堀ちゃん推し目線だけど、本当に選曲有難う!
まあそんなことは特に意識はしていないんだろうけど、それでもうれしかった
『そんなバカな・・・』はレイちゃんにこの上なく似合ってた、というか今の乃木坂でもレイちゃんにしかできないはっちゃけたパフォーマンスだったんじゃないかな
『アナスターシャ』の英語詩は失敗してしまったようだけど、この曲は何度でも立ち上がって強くなった人たちの曲なのでレイちゃんもいつか立ち上がってほしい

③5期生の成長

以下個別メンバーを掘り下げていくが、今回は取り上げたいメンバーが多すぎて困る…
挙げられなかったメンバー含めて全員魅力的だったのよ

その中でも今回は5期生の成長と変化を感じたライブだった
32ndアンダラでは先輩たちのパフォーマンスが圧巻だったこともあるが少し見劣りする面もあったのだが、今回はバッチリ仕上げてきてた
中でもアルノの『Route246』は楽曲のイメージかなり変えるくらいのアレンジを完全に自分のものとしていて、やっぱりすげえなあと
あとあーやはカッコイイ系から可愛い曲までハイレベルにこなしていて、弱冠16歳にしてさすがスーパーアイドルだと思ってしまった末恐ろしい…

あとはかなり乃木坂らしいパフォーマンスにもなってきたなと思う
『君は僕と会わない方がよかったのかな』であーや・なおちゃん・いろはの三人が見つめあう優しい空気感、これこそがパフォーマンスにおける乃木坂らしさの体現だと思った
きっと先輩たちともかかわってよい時間を過ごせたんだろうな

こうなると選抜組を含めて今こそ5期生ライブが見たいな

④佐藤璃果について

璃果ちゃんってどちらかというとパフォーマンス苦手なイメージがあったのだが、今回表現力がかなり上がっていて魅せられた
特に『ここにいる理由』の不気味な笑みは、オリメンの万理華ちゃんの不思議な表情とは別解釈だけどとても魅力的だった

⑤吉田綾乃クリスティーについて

あやてぃーが頼られているのはよくメンバーから発言で出てきていたんだけど、今日のMCでその一端に触れたように思う
葉月センターの『Against』や『Under’s Love』について、「乃木坂が好きで入ってきた子がいま大事な曲のセンターを背負っているのが嬉しいし誇らしい」というような発言をしていた
これこそ我々が伝えたかった事そのものだし、あやてぃーよく言ってくれたと思った

こういう愛をもって周りを見て、かつ高い言語化能力をもっているあたりが彼女が頼られている理由なんだろう

⑥松尾美佑について

今日配信が入っていていなかったのを残念に思うくらい、今日の松尾は魅力的だった

『日常』『踏んでしまった』のところはいろんな言葉を尽くして伝えてもなんか陳腐化してしまいそうなので、あえてはふれない
夏のツアーで何度もみた松尾センターなのに、見飽きない魅力があった

そしてパフォーマンスはもちろんのこと、今日の松尾のMCは大変心に刺さった
「史上最大のアンダーライブと言えば聴こえは良いけど、プレッシャーでもあった」
「座長を務めた先輩たちをみて、自分が引っ張らないといけないと思ったができなかった」
「それでもみんなが助けてくれた」

決して饒舌とは言い難かったが、それでも思いは良く伝わった
あの何考えているのかわかりにくい松尾が自分の言葉で伝えようとしたことに、本気で支えたいと私に限らず誰しも思ったんじゃないかな
これはおそらくアイドルに一番必要な資質なので、もしこのスピーチが全国に届けられてたらめちゃくちゃ人気出ていたと思う
それだけに今日配信がなかったことが悔やまれる…

それでもこの夏からアンダラにかけて、一番と言っていいほど魅力的でキラキラしていた
配信もある明日の千秋楽で天下を取ってくれ、松尾美佑

(まず見ないだろうからどうでもいいんだけど、松尾さんこの書き方痒くて嫌いそうだな…笑)

考察:『Actually…』なぜ乃木坂史上最大の問題作なのか

0.はじめに

ここ数回のライブ考察記事で触れてきたが、『Actually…』を私は史上最大の問題作としてとらえている
しかしこの問題意識をうまく伝えられていない気がするので、テーマ考察として取り上げたい
なお『Actually…』考察は下記の記事でも触れているので、良ければこちらも読んでいただきたい
・2022/2/23 10th Anniversary 乃木坂46時間TV スペシャルライブ
・2022/3/15 乃木坂46の「の」 presents 「の」フェス

1.序論~危うさの本質は中西アルノか?

初めて『Actually…』のパフォーマンスを見た時、危うさの本質を私は若干見誤っていたように思う
どうしても中西アルノちゃんに目が行ってしまい、乃木坂変革の黒船として乃木坂をぶっ壊しにきたのかと感じた

運営側の意図はわからないが、しかし本当に彼女だけで乃木坂の雰囲気をぶっ壊すことなどできるのだろうか?
乃木坂に限らずアイドルの歴史を振り返った時、グループが売れた後に空気を一変させるメンバーが入ってきたことはほぼないと思う
アルノちゃんの引き込まれるような才能は確かに魅力的であり29枚目シングルではとても目立っているが、30thシングル以降も空気をガラッと変えられるかというとやや疑問符が付く

その後アルノちゃんは休業し「シブヤノオト」や「の」フェスで飛鳥・山下のダブルセンター(個人的にはフォーメーションが目まぐるしく変わるダンスゆえに飛鳥・山下のダブルセンターというより不在に見えたと話していたが、公式でダブルセンターと言っていたので訂正する)で『Actually…』のパフォーマンスは披露されているが、それでも私にはこの楽曲が引き続き危うさをはらんでいるように見えた
もしアルノちゃんが危うさの本質なら、休業後のパフォーマンスがそうは見えないだろう
そこで私は考えた

『Actually…』の危うさの本質は中西アルノではなく、この曲のパフォーマンスそれ自体なのではないか

2.本論~他アイドルとの比較で考える

『Actually…』最大の売りは本格的なフォーメーションダンスである
アルノちゃんの休業に伴いセンターをクローズアップするかという点は大きく変わったが、かなりこだわりがないとできないレベルのフォーメーションダンスであることには変わりない

しかしこのハイレベルなフォーメーションダンスこそが、私には危うさの本質であるように見える
なぜなら秋元系アイドルがパフォーマンスを重視すると、歪みが生じてしまうことが多いからである
以下では他アイドルの例も参考にしながら、パフォーマンス重視がなぜ歪みを生んでしまうか・乃木坂に当てはめるとどうなるかを考察していく

①SKE48の場合

秋元系で最初にパフォーマンスに力をいれていたアイドルと言えば、SKE48が思い浮かぶ
かつてSKE48のファンであった私は、2013年の選抜常連組を含む8人同時卒業発表という異常事態には正直ショックを隠せなかった
この事象にもパフォーマンスを重視する文化が絡んでいるとみている

秋元系アイドルの多くはシングル表題曲を歌うメンバーを決める選抜という制度がある
パフォーマンスの重視の文化では、パフォーマンスレベルが高いものが選抜に選ばれるべきと思うメンバーが出てきても不思議ではないだろう
(実際にこちらの記事にあるように、振付師牧野アンナが特定メンバーについて上記のような分析をしている)
しかし選抜というのはパフォーマンスだけで決められるわけではない
特に若手の有望株については運営側は積極起用したいはずである
しかし新入りメンバーのパフォーマンスレベルは既存メンバーと比べて高くないことが多く、彼女たちが選抜されていくことは一部のパフォーマンス重視メンバーのモチベーションを低下させ空気が悪化することを容易に想像させる
そうして選抜を外れたメンバーは外仕事に目を向けるが、こちらの記事にあるように外仕事に関連する運営側のまずい対応などもあり大量卒業につながったというのが真相ではないか

またパフォーマンス重視ということは、心身の不調が卒業につながりやすいという特徴もある
実際に平松可奈子は卒業の直接的な理由にけがを挙げている
パフォーマンスにここまでのこだわりを持つ集団でなければ回復を待つこともできただろうが、空気的にも本人的にもそれは許されることではなかったのだろう

確かにSKE48のパフォーマンスレベルは高かったし、ファンもそれを望んでいた
しかしそれが結果としてメンバーとの別れの一因となったのなら、それは皮肉なことである

②欅坂46の場合

次にパフォーマンスを重視する集団として印象深いのは欅坂46である
こちらについては同じ坂道シリーズということもあり、活動休止に至るまでの顛末は記憶に残っている人も多いのではないか
ドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』でも活動休止までの真相が多く語られているが、私はこちらの主因についてもパフォーマンス重視の文化があったと考えている

映画内でもかなり多く語られていたが、欅坂のアイデンティティはフォーメーションダンスで魅せる圧倒的なパフォーマンスであった
このフォーメーションダンスというのが、全員の息を合わせる必要がありなかなかの曲者である
欅坂は最後まで1期生による全員選抜制度が根付いていたが、パフォーマンスにおける不確定要素を減らすためだったように思う
ただし全員選抜という聞こえの良い言葉とは裏腹に、ひらがなけやきの扱いが難しくなるなど風通しを悪くする側面もあったように思う

平手友梨奈の脱退にもパフォーマンス重視の文化が影響していたように思う
脱退前には『10月のプール』のパフォーマンスに納得がいかずMV撮影現場に現れない姿などが語られていたが、こちらも2期生をパフォーマンスに加えようとしたことからレベルを下げざるを得なかったと考えられる
そしてモチベーションを失った彼女が行きつく先が脱退だったのではないか
さらにフォーメーションダンスの核である彼女を失ったグループは活動休止&改名というところまで追い込まれてしまったのだろう
(現在の櫻坂46もフォーメーションダンスにはこだわりがあるようだけど大丈夫なのだろうか…)

またSKE48同様にパフォーマンスへのこだわりはメンバーの卒業にもつながっている
鈴本美愉の卒業はこちらの記事にもあるようにパフォーマンスに心身が追い付かなくなったという理由で卒業している

一例だけなら単なる偶然で済まされるかもしれないが、SKE48・欅坂46ともに少なからず問題があったということは秋元系アイドルにとってパフォーマンス重視するというのは諸刃の剣になりうることを証明しているように思う
なおこれらのグループのファンは少なからずパフォーマンスに魅せられており、パフォーマンス重視が必ずしも悪いことばかりではなかったことは補足しておく

③ハロプロ・K-POPの場合

同じパフォーマンス重視のアイドルでもハロプロやK-POPでは目立ったほころびはないように見える
なぜ秋元系アイドルだけがパフォーマンス重視すると歪みが生じるのかという疑問はありうる
しかしこれらのアイドルグループはパフォーマンス重視でもグループが耐えうる条件がいくつかあるように思う

まずは人数である
これらのアイドルは多くても10人程度であることから、選抜だけでも20人前後いる秋元系アイドルよりはメンバー間のパフォーマンス実力差は小さいと考えられる
その分パフォーマンス実力差からメンバーの不和は生まれにくいだろう
そして少人数であれば楽曲による選抜制度も設ける必要がなくなり、選抜制度と相性の悪いパフォーマンス重視を採用しても問題ないのではないか

またこれらのグループは結成時点から一定以上のパフォーマンスを求めているため、そもそもパフォーマンスできないメンバーがグループにいることは想定する必要がない
K-POPではオーディション時点からパフォーマンスレベルを重視するし、ハロプロは研修生制度があり一定以上実力をつけないとグループに配属されない
グループに入ってからパフォーマンスを一から身に着ける秋元系とは思想が異なるのだ

これらの要因から秋元系アイドルのみがパフォーマンス重視と相性が悪いと考えており、非秋元系を持ち出して反論するのは適切でないと考える

④乃木坂46に当てはめた場合

ここでは『Actuallly…』をきっかけにして乃木坂にパフォーマンス重視の文化が根付いたと仮定して、どのようなことが起きるか想像してみたい

乃木坂の基本ストーリーは「内気な女の子が仲間を得て強くなる」だと思う
しかしパフォーマンス重視というのはSKE48や欅坂46のように、パフォーマンスができない仲間を切り捨てるという側面があるのは否めない
この仲間の切り捨ては乃木坂の世界観ではありえなく(むしろ現在は誰一人見捨てない世界線にみえる)、言ってしまえばストーリーの180度転換となってしまう
これが『Actually…』のパフォーマンスを見て、「乃木坂が壊れるかもしれない」と私が思った理由である

パフォーマンスレベルが上がるというメリットとデメリットを比較したとき、乃木坂ファンはどちらをとるだろうか
私はストーリーに共感したものなので、この方向転換は少なからず抵抗がある
また仮にパフォーマンスのレベルを下げないためにメンバーが卒業すると決断したとき、乃木坂にそんなものは求めていないと受け入れがたく感じるファンも多いのではないか

3.結論~危うさの本質と展望

以上のように『Actually…』のパフォーマンス重視路線は結果としてメンバー切り捨てにつながりストーリー転換をもたらす可能性があることが、この楽曲を乃木坂史上最大の問題作に仕立てる本質的な危うさだと考えている
しかし今まで仲間を大切にする文化を築いてきた乃木坂ちゃんたちであれば、仲間の輪を保ちつつもこの曲を演じ切ることができるのではないかという期待もある
私には今こそ乃木坂らしさの真価が問われる時が来ているように見える

またプラスにとらえればファン自身も『Actually…』をきっかけに乃木坂らしさを考えなおすきっかけになったのではないか
私も優しい世界観、パフォーマンス時の表情、築き上げた数々の思い出など魅力を再確認することができた
雨降って地固まるという展開を願い、筆をおこうと思う

4.アルノverMVを見て(2022/3/23追記)

アルノverのMVを見て、補足したいことがあるので追記する
危うさは尽きないが、現メンバー(特に1・2期生)を信頼したいと思える内容だったためである

本文ではパフォーマンス重視の危うさについて語ったが、やはり制作側はアルノちゃんを象徴として変革を起こしたいという思いを持っているようでその危うさも間違えなくある
MVを通して、主要3キャストは以下の描かれ方をしていた

  • アルノ…突っ張っている新参者。
  • 山下…今の乃木坂の中心。変革を拒む。
  • 飛鳥…山下とアルノの間を取り持とうとする。

ただ危うさだけでなく、希望も見えるMVだったように思う
ここに各期の補助線を引くと、以下の役割が期待されているように見える

  • アルノ(5期生)…変革の象徴。受け入れてもらえない。
  • 山下(3・4期生)…今の乃木坂の中心。変革を拒む。
  • 飛鳥(1・2期生)…大ベテラン。現メンバーとアルノをはじめとする新参者の間を取り持とうとする。

どのような結果になるかはわからないが、3・4期加入時とは違い5期生には変革の起爆剤になる役割を求めているようだ
これは堀ちゃんが『バレッタ』のMVの最後で白石さんを銃で撃つのと少し被る
バレッタのときはグループが大きく変わることはなかったが、その代わり1期vs2期といった構図になり2期生不遇問題につながってしまった

しかし『バレッタ』のときとは大きな違いがあると思う
MVでも描かれているが新参者と現メンバーの間を取り持つ余裕がある大ベテラン(1・2期生)の存在である
パフォーマンス面や制作側の意図など、『Actually…』にまつわる危うさを語ったら尽きることはないのかもしれない
それでも乃木坂をつくり守ってきた彼女たちを私は信じたいと思う

5.着地点~1年後から振り返る(2023年追記)

この記事を振り返って、手前味噌ながら振り切った面白い考察をしていたなと思う
一方で結果から振り返るとこの曲によってグループが壊れることも、大きく変わることもなかったように思う

その理由は一言でいうと、ライブを通じて『Actually…』が弱毒化されていったからだと思う
本論の振り返りにはなるがハイレベルなフォーメーションダンス、ひいてはそこから生じうるパフォーマンス重視の文化に、私はこの曲の危うさを感じ取っていた
初披露やシングル発売時に見られた独特の緊張感とガチガチのフォーメーションダンスからは、その方向性は見出しうるものであったと思う

しかしその後のこの曲をめぐる展開は私の想像とは全く異なる方向へ進んだ
まず10thバスラや夏のツアーを通じて、この曲のパフォーマンスがそれほど重視されなくなってきたように思う
その代わりに光や映像の演出をゴリゴリに足すことで、格好良さを引き出す方向にシフトしていた

これの功罪は非常に判断が難しい
言ってしまえばパフォーマンスレベルを誤魔化すという形なのかもしれない
(正直筆者にはダンスのセンスはないのでダンスが上手いのか下手なのかいまいち判断がつかないが、あそこまで演出足すなら下手でもバレなくねとは思う…)
一方でそれほど練習リソースを割かずに、新たな側面を見せることはできるので大変合理的だとは思うしそもそも多くの乃木坂ファンはパフォーマンスレベルをそこまで求めてないようにも思う

ただ一つ言えるのはその後も本記事で懸念していたような、パフォーマンス重視の文化は根付かなかったように見える
先述の通り『Actually…』自体がパフォーマンスレベルを求められる曲でなくなったのと、30thの『好きロック』が全く異なる系統の曲で高パフォーマンス路線が続かなかったことが要因だろう
そのため良くも悪くもこの曲による化学変化は感じなかったというのが私なりの着地点となる

完全に外れた考察なので恥ずかしいが、自戒の意味も込めて記事自体は残しておくこととする

2022/2/23 10th Anniversary 乃木坂46時間TV スペシャルライブ

0.はじめに

皆さん、46時間プラスアフターパーティーお疲れ様でした!
ライブが衝撃すぎて消化するのに時間がかかりましたが、一晩明けて記事にまとめたいと思い筆をとっています
ライブを今回最優先でまとめますが、残りは後日書こうと思うのでよかったらそちらも読んでやってください
ちなみに現在のところ人狼考察電視台考察(その他雑談含む)を予定しています

また今回取り上げる内容は大いに荒れる可能性があるものだと思います
具体的には以下のような批判が考えられます

・グループの方向性に文句を言うな、嫌なら黙ってオタ卒しろ
・新しい取り組みを否定するな停滞につながる

先に弁解しておくが、本記事に文句・否定の意図はない
是非を述べる意見書ではなく、グループの変化の方向性を予想するエンターテイメントとして本記事は捉えていただきたい

ただし私が46時間テレビ以前に予想、もっというならば期待していた方向性から大きく外れる可能性が高いなと思っているのは事実である
それでも本当に方向性が大きく変わるのか、または変わったところで悪い方向に向かうかはまだ誰にも分からない

1.全体の感想

『Actually…』とにかく衝撃的で、それまでの45時間がすべて吹っ飛ぶレベルだった
乃木坂史上最大といってもいいほどの黒船が来たように思う
以下、ポイントを絞って振り返っていきたい

2.セットリスト

全体として王道展開だったからこそ、最後の『Actually…』の異物感が非常に際立った

M00  Overture
M01  他人のそら似
M02  おいでシャンプー

MC①(全体)

M03 キスの手裏剣
M04 三番目の風
M05 走れ!Bicycle

MC②(梅ちゃん、飛鳥、真夏さん、あやてぃー、レイちゃん、かっきー)

M06 日常
M07 口ほどにもないKISS
M08 僕は僕を好きになる
M09 ごめんねFingers crossed
M10 Sing Out!

MC③

M11 Actually…
MC④
M12 乃木坂の詩

3.振り返りポイント

①M10までの王道セットリスト

M10までは10周年らしいセットリストだった
いかにも乃木坂らしい世界観の選抜曲、ゴリゴリのダンスナンバー『日常』・一周まわって可愛らしい『口ほどにもないKISS』などバラエティにとんだアンダー曲、各世代の若き日を思い出させるような期別楽曲と王道ど真ん中な構成だった
まさかこのセットリストがこのあとのフリになっているとは…

②『Actually…』~乃木坂史上最大の問題作

乃木坂シングル史上最大の問題作
センターのアルノちゃんがクローズアップされるような構成となっており、ほかメンバーがバックダンサーのように見えた
曲調も今までの乃木坂にはない、攻撃的な感じ
存在感があるアルノちゃんにこの曲をやらせたいのはわからんではないが、それにしても異質
この前までのセットリストがザ・王道だったから、なおさら異物感が際立った

この曲を聴いたとき本能的に「乃木坂が壊れるかもしれない」という危機感を感じた
Twitterでも「乃木坂らしさ」というワードがトレンド入りするほどだったので、私だけの反応ではないと思う

以前から新世代のメンバーをセンターに迎え入れる文化が乃木坂にはあったが、これほどまでの異彩を放つことはなかった
『逃げ水』のよだももや『夜明けまで強がらなくてもいい』のさくちゃんは支えてあげたい乃木坂らしいキャラクターだったから違和感なかった
唯一『バレッタ』の堀ちゃんは多少の異物感があったが、ここまでセンター一人を際立たせる構成にはなっていなかった
それだけに今回のアルノちゃん(本人のキャラはまだわからないけど、『Actually…』の象徴としての彼女)は今までの乃木坂のイメージを完全に覆すための刺客にすら見えた

私は乃木坂はコアファンからの人気を得ており、似たようなメンバーをとることで持続していくコンテンツだと思っていた
(上記の詳細は『考察:乃木坂46は国民的アイドルなのか~楽曲とメンバー構成から考える』の記事をぜひ参照いただきたい)
それだけにイメージを根底から覆しにいく『Actually…』は私の予想と完全に真逆で、衝撃的だった

ではこのシングルで表現したように見えたものとは何か
一言でいうと「欅坂46感」だったように思う(あえて「櫻坂」ではなく「欅坂」と記載する)
いかつい曲調と歌詞、センターを中心にクローズアップするフォーメーションダンスにアルノちゃんの表現力が平手友梨奈と被るところがありこのように見えたのだろう
(あらためて平手友梨奈と比較されるとかアルノちゃんすげえな…)
Twitterでも「平手友梨奈」というワードがトレンド入りするほどだったので、こちらも決して私だけの反応ではないと思う
そして先述の通り「乃木坂らしさ」が議論されるなど、一部(というより私には大半に見えるが)ファンが望んでいた方向性とはかなり離れたものとなっているのではないかと思う

③なぜ乃木坂を壊す必要があったのか~仮説を立てて考える

ここでよりマクロな視点に立ち「なぜ乃木坂を壊す必要があったのか」をいくつか仮説をたてて考えていきたい
どれか一つだけが正しいのではなく、いくつかが混ざり合っているのではないかと思う

1.中西アルノへの惚れ込み
よく言われることだが、大なり小なりあると思う
アルノちゃん魅力的だしね
ただそれでも「本当にそれだけか?」とも思う
例えばアルノちゃんが2期生や3期生加入の時期に入ってきたとして、同じことが行われただろうか?
まいやんやななみん、なぁちゃんほか1期生が多くいるときにそんな売り出し方をするのは想像しにくいように思う

2.欅坂の亡霊を追っている
ネットでよく見る論調ではあるが、単にそれだけならば櫻坂でやる方が自然ではないだろうか?
乃木坂で行うべき必然性がこれだけだと見いだせない

3.国民的アイドルを目指すため
比較的合理的な理由として、「乃木坂が最も近いが、現在の乃木坂では成し遂げえないものを達成するため」という理由が考えられる
そのうちの一つが、先ほど紹介した記事でも考えた「国民的アイドル」という概念である

しかしこれはおそらくないと思う
上記記事では楽曲という要素についても考察しているが、少なくとも国民的アイドルが持ち合わせるようなキャッチーさが『Actually…』からは感じられない
(というより比較される「欅坂46」についても基本は別路線のカルトコンテンツだと認識している。このアイドル史観は別途考察記事としてまとめたい。)

もうひとつ国民的アイドルの持つ要素として「メンバー構成の多様化」を挙げているが、こればかりは5期生のキャラクターがわからないので何とも言えない
強いて言えば井上和ちゃんとかは、今までの乃木坂にいないタイプの見た目だなとは思

4.海外進出の可能性
「乃木坂が最も近いが、現在の乃木坂では成し遂げえないもの」でもう一つ思いついたのがこれである
古くはAKB48、乃木坂も2017年ごろに目指していたが成功したとは言いがたいのが海外進出である

こちらの記事をはじめ一般に良く言われることだが、海外で売れるためにはパフォーマンスがハイレベルであることが求められる
定量的評価は難しいが、言語が通じないためパフォーマンスで分かりやすく魅せる必要があるというのは妥当だろう

一方で乃木坂の武器を振り返るとパフォーマンスというのは決してレベルが高いとは言えないらしい
(私はパフォーマンスに無頓着なので、一般にそういわれるよね程度しか実感はない)
さらに秋元系アイドル(特に乃木坂)が得意とする、ハイコンテクストな文脈が生み出す感動は言語が違う消費者がそこまでたどり着くのは難しいように思う

しかし今からパフォーマンスのレベルを上げるにしても、韓国アイドルとキレキレダンスでバチバチに戦うのは難しい
そこで世界の市場の空白を突くための武器が、欅坂で行われていたようなフォーメーションダンスだったのではないか

しかし「なぜ櫻坂ではなく乃木坂で海外進出を狙うのか」という疑問がそれでも残る
その回答については「日本のNo.1アイドル」という箔が必要だったのではないかと推測する
本当にこの予想が正しければ運営はかつての欅坂と同じ方法でテコ入れしていくだろう
その場合似たコンセプトの櫻坂46が見捨てられたような形となるのだが…

5.割とうまくいってたけど、単に乃木坂を運営するのに飽きた
1~4それぞれ考えてきたが、実は一番の主因ってこんなところなのではないだろうか
現在の乃木坂は似たようなメンバーを入れて、一部の熱狂的なファン層が離れずに応援し続けるいわば「完成されたコンテンツ」になっていると思う
よく言えば「手がかからない」が、運営する立場からすれば「面白くない」とも見えるかと思う

そこに明らかな異分子がいたから試しにぶつけてみようといった感じなのではないか
(こちらのベストアルバム特典映像考察の記事でも記載しているが、トライ&エラーは乃木坂でも行われたいわばよくある手法である)
かなり雑だなとは思うが、『バレッタ』のときのような化学反応に期待したい
またその時とは違ってバランサーとなる余裕がある1・2期がいるのもどう作用するのだろうか
29枚目はひたすら過激な方に振ったが、多少なじんでくるであろう30枚目以降どのような変化が起きるのか引き続き見ていきたい

④中西アルノについて

冒頭にも述べた通り、私は今回の記事で何かを否定したり文句を言う意図はない
特にアルノちゃんには何らマイナスな感情がないことは重ねて申し上げたい

そもそも『Actually…』だけの印象でアルノちゃんのことを語るのはややナンセンスだと思う
実は私は5期生お見立て会に現地参戦していたのだが、お見送りに当たったメンバーがアルノちゃんだったのである
事前映像でもかなりクールそうな印象だったが、お見送りの時に見せた人懐っこい笑顔はいい意味でずいぶんギャップがあった

こんな調子できっと我々がまだ見ていない側面が彼女にはたくさんあるのだろう
従って私は『Actually…』だけの印象で彼女を判断したくはない
乃木中とかに出てくるのも楽しみだな

4.少しだけ私見

ここからは完全に考察ではなく私見である
私のような考察マニアにとっては、久々に考察しがいのある骨太なテーマで本当にぞくぞくした
一方で乃木坂に共感しそのアイデンティティに惚れた私は、もしかすると乃木坂が完全に壊れてしまうのではないかという不安を持っていたりもする
いずれにせよまだ何もわからないというのが本音なので、引き続き注目していきたい