井上和

考察:超・乃木坂スター誕生!LIVE Day1 2023/12/16

1.全体の感想

私は4期のころからスタ誕ライブのファンだが、高くなったハードルを悠々と超えてくるくらい楽しいライブだった
(年々チケットが取れなくなってきていることだけがつらい…)

マジでこれで終わりにせず、スタ誕ライブは定期的にやってほしいくらい
スタ誕全体の考察も含め、いつものようにポイントを絞って振り返っていきたい

なお昨年の新・乃木坂スター誕生Liveのレポートにつながる部分も多いので、良かったら読んでやってください
・考察:新・乃木坂スター誕生!LIVE (横浜公演)2022/12/5-12/6
・考察:新・乃木坂スター誕生!LIVE (神戸昼夜公演)2022/12/18

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
昨年のスタ誕ライブ同様『超・乃木坂スター誕生!』内でカバーした人気曲、第二部で乃木坂の曲をパフォーマンスする構成が基本だが、ところどころにスキッツ要素としてミニコントが散りばめられていた
以前配信で行われたノギザカスキッツライブと比べるとコント要素はかなり限定的だったが、生コントはそれなりに負担がありそうなので今回の寸劇レベルがバランスとしては良いのかもしれない
・2021/04/18 ノギザカスキッツライブ

あとは『超・乃木坂スター誕生!』になってから、ゲストが来なくなってしまったのでアーティストがライブに来られなくなってしまったのも少し残念
プロの凄さがよくわかって個人的には結構好きだったんだけどなあ…

3.振り返りポイント

①スター誕生パートについて

やはり特筆すべきは第一部だろう
邦楽史上有数の名曲たちをこんなにも魅力的な子たちがパフォーマンスするのは、盛り上がるし贅沢すぎる
これまた昨年同様の感想にはなるが、個々の歌にフォーカスがあたるのもとても見応えがあった
簡潔に振り返っていきたい

  • いおちゃん…『やさしさで溢れるように』を歌う時の多幸感がすごかった。番組でも落ち着いた曲が多いからか、かなり板についてきたように感じる。
  • てれぱん…アホみたいな感想だが、てれサンダーでみんなで可愛いと叫ぶのは楽しかった。ソロ歌唱がなかったので、曲は明日に期待。
  • みくちゃん…『Rock’n Rouge』はあまりにもはまり役すぎる。90年代生まれの自分が言うのもおかしいけど、王道アイドル・松田聖子が現代に蘇ったかとすら思った。
  • なぎちゃん…『くちばしにチェリー』でアルノと高めあってるのはアツい。『猫』については、ここにおさめられないので後述。
  • おかひな…なぜ好きな四字熟語が『腹筋二回』になるのか…。ソロ歌唱は明日に期待!
  • あーや…『なんてったってアイドル』歌うあーやは最強アイドルがすぎるのよ。多才すぎて王道アイドルあまりやれていなかったけど、これは破壊力抜群だしまたやってほしい。あと千葉魂のスキッツの総長が可愛すぎて…。
  • いろはちゃん…曲によって歌い方が変えられるのが本当にすごい。アイドル曲から『さすらい』まで歌いこなせるのは才能を感じる。
  • さくたん…歌がうまいとは正直思わないけど、『愛唄 』も『今夜はブギー・バック』もとにかく癖になる。権利関係厳しそうだど、どうにかして配信してほしい。
  • 小吉…『ヒーロー』みたいな低音で声を張る曲は右に出るものがいないよなあと改めて思う。格好良かった。
  • なおなお…インフルエンザで出られなかったのは残念だけどお大事に…。それでも『考えないようにする』センターをあけてパフォーマンスして待っているよとメッセージを伝えたり、サイリウムカラーをターコイズ×ターコイズでそろえたりして暖かくていいグループだなあと思った。
  • アルノちゃん…『くちばしにチェリー』みたいな雰囲気ある曲歌わせたらやっぱり存在感抜群。なぎちゃんとの相乗効果で120%の力が出ていたように思う。
  • 梅(スペシャルゲスト)…「みんなの事が大好き!チュッチュッチュッ!」はお疲れさまでした…笑。千葉魂で「ミナミの帝王」として出てきたのは流石に笑う。そして似合いすぎです…。「夜路死苦」と言われた後に「返事しろよ!」とドヤしたときは雰囲気出すぎてて思わず「失礼しました」と現地で叫んでしまった。ただあーやとの絡みはニヤニヤが漏れてて、めちゃくちゃ尊かった。

② 井上和『猫』

確実に今日のベストアクト
スタジオ収録の時点でスタ誕史上有数の歌唱だと思ったけど、生歌は本当に心にぶっ刺さった
世界観に引き込まれた結果、なぎちゃんと付き合ってた日々と別れの辛さを追体験した気すらした…
歌唱技術ももちろん素晴らしいんだけど、本当に気持ちがのったパフォーマンスだからこそだと思う

そして普段は飄々とした印象のなぎちゃんが、この曲になると猫のようにか弱く見えるの本当にグッとくる
強いメンバーの弱さが垣間見えるのはスタ誕ライブの良さの一つだと思う

『新・乃木坂スター誕生!LIVE』との違いについて

畠中さんがアンコールのMC中に言った「去年とは全然違うね」という言葉は、ふとした発言ではあったがこのライブの核をとらえた発言だったと思う
このライブは昨年の『新・乃木坂スター誕生!LIVE』と比較することで真価がわかるライブなのだ

詳細は以下の記事に譲るが、私は昨年の『新・乃木坂スター誕生!LIVE』を「困難に全員で立ち向かうことで、5期生が乃木坂らしくなっていく姿を映すドキュメンタリー」としてとらえていた
・考察:5期生はじめての単独ライブはなぜ「新・乃木坂スター誕生!LIVE」だったのか
その一年後の答えがこのライブだったように思う

そしてこの差はセトリにも表れていたように思う
1年前の『新・乃木坂スター誕生!LIVE』では試練を課しているかのように全員ある程度歌唱力が求められるような曲をソロ歌唱に入れられていた印象だったが、今回はそれぞれに合った曲が選曲されていたように思う
(初日でいうさくたん『愛唄』みーきゅん『Rock’n Rouge』やDay2昼公演さくたん『君と夏フェス』てれぱん『EVERYDAY AT THE BUS STOP』あたりが典型だと思う)
これによりライブとしての完成度がさらに上がったように思う

成長というありきたりな言葉では片づけられない、彼女たちの1年間の充実が見て取れる最高のライブだったと思う
昨年の記事にも書いていたが、もしこのライブまで逆算して『新・乃木坂スター誕生!』をはじめていたらすごすぎる…

『乃木坂スター誕生!』の完結?

5期生にとっての『乃木坂スター誕生!』が乃木坂への登竜門だとするのであれば、確かな成長の証を十二分に披露したこのライブをもって役割を全うしたことになるのではないか
実際にVTR中に「To Next Stage」という文字列があったことからも、これは演出サイドとしても意図したことのように思う
個人的にスタ誕ライブがあまりにも好きなので今後も続いてほしい思いはあるのだが、番組としては完全にアイデンティティクライシスを迎えているように思う

そこでだ、、
そもそも番組が終わらなければという前提にはなるが、逆に3期生中心の『乃木坂スター誕生!』にリニューアルできたりしないか
3期生はまだスタ誕やっていないし、この8年間のアイドル生活の充実をぶつける場としてかなり機能するのではないか

考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)東京神宮球場公演Day3 2023/8/27

1.全体の感想

良いライブだったと思う
ただ初日2日目とほぼ同展開で、曲の入れ替えが多少あった程度だった
ということで今回も新たな考察要素は少なめだが、いつものようにポイントを絞って考察していきたい

なお神宮初日2日目と被るところは省略するので、良かったら以下の記事もご参照ください
・考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)東京神宮球場公演Day1 2023/8/25
・考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)東京神宮球場公演Day2 2023/8/26

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
2日目まで同様、割と保守的だけど良い構成だと思う

3.振り返りポイント

①アンダーパートについて

以下の宮城公演の記事でも書いていたが、3日連続で見ても今回のアンダーパートはかなりクオリティ高くて見入ってしまう

将来のエースになるであろう5期生たちと、磨き上げたパフォーマンスに定評がある3・4期がばっちり嚙み合って、抜群の存在感を誇るみゆちゃんが締め上げる…
『踏んでしまった』『錆びたコンパス』『Hard to say』3曲とも至高の仕上がりで、このライブでアンダラ行きたいと思った人も少なくないのではないか

②先輩からの継承について

どうも日別にMCのテーマというものがあるのではないかと感じる
初日は仲間との時間、二日目はファンへの感謝というとこなら、三日目は先輩からの継承と変化だろう

なぎちゃんは乃木坂を引っ張ってきてくれている3・4期生への感謝と自分たちだけの色を探す決意を述べ、美月は後述の通り引き継いできた乃木坂の空気感について触れていた
ラストの久保ちゃんMCはかつて先輩から自分たちが言われていたように、「後輩たちを全力で守りたい」という思いを語っていた

正直なぜこのタイミングでこれらのテーマをぶつけてきたのかなど内容自体はまだ消化しきれていない部分が多いので、もし考察が深まれば別途記事にしていきたい

③船長・山下美月とその挑戦

これは配信を3日連続で見ているため仕方ないことではあるのだが、さすがに3日同じ構成となると飽きる…
それでも今日の『設定温度』前の美月のMCは聴きごたえがあった

内容としてはざっくりと「先輩たち含めて築き上げた乃木坂の空気感が好き」「それでも今のメンバーをひとりひとり愛してほしい」という内容だった

この内容は結構深く突き刺さるものがあった
私自身乃木坂のストーリーを考察するのをライフワークとしており、その観点では確かに1期生/2期生を中心とした乃木坂の延長線上に現在の乃木坂を見ている部分がないとは言えない
そしてこの空気感があるからこそ乃木坂は安泰だと思っている
ただそれは自分たちが現在のメンバーからみると自分たちが見られていないということともとられられ、半分嬉しくも半分は寂しいことなのかもしれない…

これを打破するにはなぎちゃんも言っていたが空気感を保ちつつも「自分たちの色」を出すことが重要となる
しかしこの挑戦はなかなかに難しい
多くのファンは現在の乃木坂が好きでそれ以上の変化の需要がないので、むしろ「自分たちの色」を出すことがマイナスに作用する

それでも私は船長・山下美月が掲げた挑戦を応援したい
神宮初日から気合が入っている彼女たちの姿を見ていたら可能性あるんじゃないかとすら思う
僕は彼女たちを信じたい

考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)東京神宮球場公演Day2 2023/8/26

1.全体の感想

1日目同様良いライブだった
というより曲の入れ替えはあったものの、展開はほぼ同じなのでそりゃよいライブだよねといった感じ
そのため1日目と被るとこ多く新たな考察要素は少なめだが、いつものようにポイントを絞って考察していきたい

なお神宮初日と被るところは省略するので、良かったら以下の記事もご参照ください
・考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)東京神宮球場公演Day1 2023/8/25

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
1日目同様、割と保守的だけど良い構成だと思う

3.振り返りポイント

①コロナ期の表題曲について

声出しライブが解禁されて改めて思うけど、コロナ期リリースの表題曲って結構良曲が続いていたなと改めて思った

『僕は僕を好きになる』は乃木坂が歌うからこそ価値がある曲だし、『ごめんねFingers crossed』はコールが加わると一層ライブ映えする
『君に叱られた』はめちゃくちゃ盛り上がるし、『Actually…』も時がたって色眼鏡を外してみると独特なので映える(ちょっと演出が過剰な時はあるが…)
『好きというのはロックだぜ!』だけは個人的には正直そこまでハマらないんだけど人気あるし、タオル回すのは楽しい

こう考えると粒ぞろいで個人的にはコロナ前より曲だとよいと思うのだが、いかがだろうか

②ファンへの感謝

今日はファンへの感謝がMCのテーマになることが多かったように思う

なぎちゃんはたどたどしくなりつつもファンに思いを伝えていたし、弓木もむちゃくちゃなこといいつつもファンが味方でいてくれることへの感謝を伝えていた
梅ちゃんもラストでファンが見せてくれた景色への感謝と、これからも歩んでいきたいことを綺麗にまとめていた

意図は正直わからない部分はありつつも、しかと受け止めさせていただきました

③井上和について

1年半前5期生公開のティザー動画を見た時、とんでもないスターが入ってきたと思った
そしてその感覚は間違えではなく、彼女が中心にいるだけで乃木坂がかなり景気良いグループにみえるくらい一人で空気を変えられる存在だと思う

だからこそ私たちは忘れがちになるが、彼女は加入からまだ1年半しか経っていないのだ
この2日間でMCでつまったりすることを多く見てきて意外に思ったが、よく考えると当たり前である

それでもつまったりすることで、格好良さは損なわれない
(実際に伝説となったななみんですら、意外と詰まることも多かった)

丁寧に伝えようとする言葉は確実にファンの心を射抜く
この二日間で彼女に改めて惚れ直した人も多いのではないか

考察:新・乃木坂スター誕生!LIVE (横浜公演)2022/12/5-12/6

1.全体の感想

以下記事の4期生の時同様、やはりスター誕生ライブはめちゃくちゃ盛り上がる良いライブだった
・考察:乃木坂スター誕生!LIVE (昼・夜公演)2022/6/26
今回は番組企画ということで考察要素少なめではあるが、2日間通じて気になったポイントを振り返っていきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
両日公演とも第一部で『新・乃木坂スター誕生!』内でカバーした人気曲、第二部で乃木坂の曲をパフォーマンスする構成だった

個人的には第一部でオズワルドの二人がいる横浜初日で『君に幸あれ』、神戸初日に回るであろう『Ride on time』(Maxの方)、花屋の店員さんをイメージした(?)『あなたに会えてよかった』、てれぱんがノリノリで歌う『ハレ晴レユカイ』とかも見たかったな

3.振り返りポイント

①歌にフォーカスが当たったライブ

第二部は基本的に普通のミニライブなので特筆すべきは第一部だろう
やはりこのライブの一番の特徴は「個々の歌にフォーカスがあたっていたこと」だと思う
全体ライブでは難しい個々のパフォーマンスを見られたのは本当に良かったし、それぞれソロパート中心に見応えがあった

  • いおちゃん…『糸』『飛行機雲』とバラードを堂々と歌い上げる姿は透明感の塊だった。
  • てれぱん…『タイムマシンにおねがい』『ルージュの伝言』と独特の存在感は流石。癖になる。
  • みくちゃん…『プラネタリウム』頑張った。ネタキャラになりつつあるけど、パフォーマンス見ると思わず支えたくなるしセンターになりうる素質も十分だと思う。
  • なぎさん…スーパースター。言うまでもなく素晴らしかった。詳細は別章で後述。
  • おかひな…『世界中の誰よりきっと』で見せた人懐っこい笑顔はアイドルとしての素質を感じた。『VALENTI』も似合っていたし、格好良かった。経験を積んだ数年後にもう一度見たい気がする。
  • あーや…ほかメンバーに隠れがちだけど、想像以上にダンスも歌も実力派。『時をかける少女』で見せた抜群の透明感に惚れた。『真夜中のドア〜stay with me』で見せた大人っぽい表情にはドキッとすらした。5年後に乃木坂のセンターになって天下を取ってほしい。
  • いろはちゃん…『純愛ラプソディ』で見せた力強い歌声と優しい表情は魅力的。
  • さくたん…『赤いスイートピー』もそうなんだけど、特に第二部で存在感があった。詳細は別章で後述。
  • 小吉…『慟哭』の力強さは期待以上。彼女も第二部で存在感があったと思う。詳細は別章で後述。
  • なおちゃん…『ありがとう』涙浮かべつつもよく歌い切った。二日目の『元気を出して』では涙なく成長を感じた。
  • アルノちゃん…『ここでキスして。』『First Love』など雰囲気ある曲を歌わせたらやっぱりナンバーワン。

また乃木坂には多くない、馬鹿みたいに景気が良い曲(『EZ DO DANCE』『Sunny Day Sunday』あたりを想定)ができるのはこのライブの強みだと思う
特に『お願いマッスル』は思わず声を出したくなってしまうほどだった
コールが解禁されていればなあ…

②スペシャルゲスト~プロアーティストの存在感

スター誕生ライブといえばスペシャルすぎるゲストが定番だが、今回もすごかった。
YU-KIさんが歌う楽曲はとにかく力強くて、やはり『EZ DO DANCE』の盛り上がり方は群を抜いていたように思う。
アリーナの熱狂が感じられ、スター誕生ライブはやはり生で見るのが最高だと思った。

2日目は残念ながら生では見られなかったが、一流のアカペラが聴けるのは本当に羨ましい。
画面越しでも楽器なしの張り詰めた空気とそれを包み込むようなあたたかな歌声は感じられた。

③シビアな構成

一方でよく見るとシビアな構成にも思えた
先述の通りこのライブはパフォーマンスに焦点を当てたライブである
そのため4期生のスター誕生ライブの際にも特に先輩メンバーが目立っていたように、経験がかなりものをいうライブだと思う

それゆえに大前提として経験の少ない5期生にはかなり厳しいライブだったと思う
それでもこんなに満足感あるライブに仕立て上げた5期生は流石なのだが、ややメンバー間のパフォーマンスに差が見られたように思う
しかも各メンバーのソロメドレーでほぼすべての曲がミディアムバラードなので、パフォーマンスがもろに出てしまったのではないか
(緩急をつけることができたのは『ルージュの伝言』と2日目の『VALENTI』か。しかもその2曲連続してたという…。特に小吉だから何とか乗り切れたものの、圧倒的存在感のアルノの後は本当にやりにくいと思う。)
4期生の時には『ラムのラブソング』など盛り上がる曲もあったと思うので、もう少しバラエティに富んだ構成とした方が、優しい構成だったんじゃないかな

④井上和について

見る前から素晴らしいのは分かっていたことではあるが、井上和のパフォーマンスは思っていた以上に素晴らしかった
歌がうまいのはもちろんなのだが、本格派の『残酷な天使のテーゼ』からネタ曲『お願いマッスル』まで表情の一つ一つが完成されているのだ

しかもただうまいのではなく垣間見える人柄も本当に素敵だと思う
2日目の『Sunny Day Sunday』で歌詞が飛んだので一瞬涙目になったものの、健気に立て直す姿は全ファンが応援したくなったのではないか
そしてそこから立て直して明るい曲をやり切り、曲終わりに照れ隠しでクシャっと笑うリバウンドメンタリティはアイドル一年目とは思えない
さらに鳥肌ものだったのが1日目の『Story』
「今私が笑えるのは 一緒に泣いてくれた キミがいたから」の歌詞でメンバのところをふと見たのはアツかった

この人に乃木坂を引っ張っていってもらいたい、この人がいれば乃木坂もまだまだ天下をとれるのではないか、そんなことすら感じさせるパフォーマンスだった

⑤川﨑桜と菅原咲月~「静」と「動」のパフォーマンス

第二部のパフォーマンスで特に印象的だったのがこの二人である
しかし川﨑桜と菅原咲月のパフォーマンスは実に対照的だと思う

『17分間』のパフォーマンスを見て思ったのだが、さくたんの周りだけなぜか時間軸が歪んだかのようにゆっくり見えるときがあるのだ
その瞬間のさくたんの表情は一晩明けても脳裏に焼き付いている
この特殊能力はメリットデメリットとも大きいが、一列目のセンターであれば一人ゆっくりにみえても違和感がない
そういう意味で彼女は本当にセンター向きだと思う

このさくたんのパフォーマンスを「静」のパフォーマンスとするのであれば、さっちゃんのパフォーマンスは「動」のパフォーマンスだろう
『乃木坂工事中』の内輪ウケものまね大賞でもおかひなに頭の動きを真似されていたが、一つ一つの動きがうるさいのだ(もちろんいい意味で)
こういうメンバーはセンターにたつのもそれはそれでよいが、端から見切れるのがとても印象に残る
(ほかメンバーでいうと、りりあとかも似たタイプ)
さっちゃんのファンの人は望まないかもしれないけど、こういった二列目のセンターから少し外れたあたりにいるとカメラに見切れることも多くてとっても魅力的に見えると思うんだよな

⑥物販について

唯一不満が残ったのが物販である
具体的にはメンバー個別のマフラータオルがあったほうが良かったように思う
5期生のみのライブは初なんだから個別タオル持っている人は多くないだろうし、僕含めあったら買っていた人は多いのではないか

あんなにタオルを掲げる人が少ない『裸足でSummer』は初めて見たよ…
ちょっとメンバーが見ても酷だろうなあと思ったし、そういった意味でも物販にあったほうが良かったかと

⑦5期生とアラサー・アラフォー世代

意図的か偶然かわからないが、5期生はアラサー・アラフォー世代にかなりハマる売り方をしているように思う

4期生が出ていた『乃木坂スター誕生!』はもともと歌謡曲を中心に据えた構成だった
後半にはやや最近の楽曲を取り上げることもあったが、平成より昭和の楽曲が多かったように思う
一方で『新・乃木坂スター誕生!』では平成の楽曲が、2000年代の楽曲も少なくなかった
アラフォーはずばり世代であり、アラサー世代にも耳なじみがある楽曲が多く番組に取り上げられていたのである
実際に初日ライブ会場で隣の席のアラフォーとおぼしきおじさんが、自分の世代の楽曲だからかかなり盛り上がっていた

また5期生楽曲は『バンドエイドを剝がすような別れ方』や『17分間』など、今までの乃木坂にはない曲調の楽曲となっている
というか2010年ごろのAKB48の楽曲にかなりに近いと思う
『17分間』なんて曲調や歌詞にあの頃の懐かしさを思い出して、思わずコールではなくミックスを打ちたい気分になったくらいだ

もし偶然テレビをつけたら自分たちの世代の曲が歌われていて、そのアイドルの曲を調べたらかつてハマったアイドルに似たキラキラ感のある楽曲を歌っていたら…
かつてAKBにはまった人たちが5期生にはまっていくストーリーが描けるのだ

まだ意図的と判断するには早いが、アラサー・アラフォーに向けた売り出しがかなりうまくいっているように思う
もし本格的にAKB的キラキラアイドル路線を売りの一つにするとしたら、賛否両論を生みそうだが個人的にはありだと思う
乃木坂正当路線を継承した3期・ポップさやカオスさを前面に押し出した4期と明確に差別化できるし、ちょうどAKBがかなりごたついている時期なので離れた人の受け皿にもなるだろう

何より個人的にはAKBやモー娘全盛期の楽曲が「アイドルってこういうものだよね」と体に染みついているのだ
これはきっと私がアラサー世代だからに違いないのだが、同じ感性の人も少なくないのではないだろうか
(より若い世代がこれをどう判断するかがわからないが…)

『17分間』を聴いて、久々にアイドルのキラキラ感を思い出した