1期生

考察:時代の転換を考える〜乃木坂46秋元真夏卒業によせて

1.はじめに

その一報を目にした時、どのメンバーの卒業よりショックを受けたかもしれない
最後の一期生というのもあるが、それ以上にその存在が大きすぎた
今まで誰の卒業にも触れてこない本ブログだったが、思わず記事書いてしまうほどだ

心構えもできていなかった
まさか飛鳥ちゃんの卒コン待たずにいなくなってしまうとは…
逆算して今年の夏のツアーまではいてくれるものだと思っていた

それでも遅れて活動開始したこと、辛いことがあったろうに耐えてきた真夏さんを、普段バラエティキャラデザ悩んでる姿ほとんど見せなかったのに、46時間テレビでスタッフさんから頑張り屋と褒められて泣いちゃう真夏さんを、キャプテンとして責任を小さな身体に背負いこむ真夏さんを、メンバー卒業時にこの世の終わりくらい泣く真夏さんを、求められればどこまでも頑張ってしまう真夏さんを思い出せばお疲れ様としか言えない

残り一月の真夏さんとの時間をしかと目に焼き付けたい

長々と真夏さん卒業について個人的な思いを語ってしまったが、ここからは真夏さん卒業に関連した雑考をいくつか展開していきたい

2.「最後の一期生」をめぐるストーリーの美しさ

ショックを受けたとはいえ、冷静に考えると卒業までのストーリーとしてこれ以上美しい展開はない気がする

  • 真夏さんは遅れて参加した1期生として、全1期生を見送ったという箔がつく
  • おそらく最も盛大に行われるであろう飛鳥卒コンを一期生の物語のラストに据えることができる
  • 真夏さんがラジオで言っていた、「最後を分け合う」という考えは乃木坂らしくてしっくりくる

3.32枚目シングルの持つ意味

またこの卒業に伴って、32枚目シングルには1期生が参加しないことが確定した
Twitterトレンドに「世代交代」というワードが入っていたように、その一発目である32枚目シングルはその方向性を示すことが予想される
(なお2022年からストーリーとしては3期中心にシフトしていたように私自身は考えているが、わかりやすい象徴として32枚目シングルは重要かと思う)

具体的にはセンターが飛鳥の思いを継承する象徴としての山下orさくちゃんになるのか、それとも完全新世代としての和ちゃんに舵を切るのか(はたまた完全に別メンバーか)に着目している
ざっくりだが前者はストーリー性重視(ハイコンテクストでカルト性が高まる)、後者は一般受け重視(国民的アイドルに挑戦?)と認識している

今後のグループの方向性を占う32枚目シングルの重要性は高まったと言えるだろう

4.真夏さん去りし後の課題とその解決案について~乃木中へのサブMC設置について

①乃木坂46の課題について

真夏さん去りし後の乃木坂の課題は明白であり、ずばり外番組への課題である

これまで乃木坂メンバーが外番組に出る時(特に初めて外番組に出る時)、先輩メンバーとペアで出すという光景がよく見られた
それを今一手に引き受けているのが真夏さんであり、実際に真夏さんが4期生をフォローしている場面は何度となく見てきた

真夏さんが卒業すると3期生がその役目を引き受けることとなるのだろうが、3期生は演技方面は強いもののバラエティ方面はやや心許ない印象がある
杞憂で終わればいいが自分たちだけで回すならともかく、後輩のフォローとなると不安がある
(唯一久保ちゃんは喋れる印象があるが、彼女は少人数の場面では強そうだが、大人数はやや苦手そうに見えている)
4期生はまだ経験が足りないだろうし、大丈夫かなあと不安視している

②真夏さんの課題について

乃木坂側の課題について述べてきたが、真夏さん側もタレントとしての価値に不安がないわけではない
今までは乃木坂のメンバーとペアとなることで発揮していたお姉さんキャラが卒業で失われる可能性があるのだ

また真夏さんはバラエティ番組中心に活躍すると思っているのだが、ゴリゴリのバラエティに出ているイメージはない
(どちらかというと『王様のブランチ』のような情報番組がターゲットとなるかと思っている)
多少番組を選ぶところはあるためキャラは多い方が良いと考えており、キャプテンキャラを失うのは望ましくないと考える

一方で卒業しない方が良いかと言われると多分それも違う
真夏さんは家庭を築きたい願望も強そうだし、それはタレントとしても価値になりうると思う
残酷な話ではあるが家庭を築く上で年齢はネックになってしまうので、早いうちに卒業という手段を講じるのはタレントとしては正しいように思う
(卒業せずに相手を探すということも原理的には考えられるが、真夏さんは好感度大事なキャラなので暗黙の了解だとしても恋愛禁止破るのはアウトな気がする)

③双方の課題解決案について

双方の課題を解決する案として、乃木坂工事中サブMC(将来的な二代目MC?)に就任する案を提唱したい

まず真夏さんから見れば卒業してサブMCに就任することで、卒業後も乃木坂に近いところで仕事が継続しつつ結婚に向けた動きも進めることができる
乃木坂から見れば3・4期がバラエティ面で更なる成長を遂げるまでの時間稼ぎができる
Win-Winな関係を築けるように思う

またバナナマン卒業後の乃木坂工事中MCで一番丸く収まるのはOGなのではないか
もちろんバナナマンに番組卒業してほしいわけではないが、乃木坂というグループの継続性を考えたときにバナナマンの年齢は気になるポイントだろう
今すぐにいなくなるわけではなくても、60歳70歳を彼らが迎えた時にMCをやっているとは到底思えないのだ

しかしバナナマンと乃木坂が強固に結びつきすぎて、次のMCが就任すると反発を招くことは必至だろう
乃木坂工事中はファン向け番組ということもあり、正直面白さは多少目を瞑れるところだと思う
そこでメンバーの信頼感を得ているであろうバラエティ面強めのOG中心に回す体制が、バナナマンなき後は無難なのではないか
その経過観察期間としてサブMCでOG(真夏さん含む)に入ってもらう案を提唱したいのだが、どうだろうか?

私は公式お兄ちゃんは私はバナナマンだけで良いと思う
次善の策として乃木坂OGプラス芸人という組み合わせかなあ
(個人的にはもう一度乃木坂×さらばはもう一度見たいけど、実現可能性低いし好き嫌いは分かれるだろうなあと思いスルー)

5.乃木坂1期生の在籍期間について~AKB48 1期生と比較して

今回の卒業で1期生が全員卒業するので、乃木坂1期生の在籍期間についてAKBと比較して調べてみた
その結果が以下のグラフである

以下グラフの補足である

  • 縦軸に選抜率、横軸に在籍期間をとっている
  • 中元日芽香のみ卒業日が正式公表されていないため、最終メディア出演日の2017/12/16とした
  • AKB48にはじゃんけん選抜があるので、初期に辞めたメンバーを除き選抜率は100%とはならない

またグラフは以下のページを参考に作成している
AKB48-Wikipedia
AKB48のディスコグラフィー/選抜メンバーの一覧-エケペディア
加入、卒業、在籍人数のデータ(結成日、卒業日、卒業の発表方法…)-乃木坂46データまとめ
乃木坂46『1期生』の選抜データ(選抜回数、福神回数、ポジションの変遷…)-乃木坂46データまとめ

AKBと比較してわかったこと

  • 乃木坂46 1期生の在籍期間とAKB 1期生の在籍期間は峯岸みなみの卒業時期を除けばほとんど変わらない。逆に峯岸さんすげえ。
  • 一方で平均在籍日数は乃木坂の方が極端に長い(AKB:1731日 乃木坂:2519日)。やはり居心地よいグループなのかな。
  • 選抜常連組(ここでは選抜参加率50%を超えるメンバーと定義する)のみの平均在籍日数を考えると、AKB・乃木坂とも比較的値が近くなる(AKB:3023日※極端に長い峯岸を異常値として除くと2586日 乃木坂:3090日)。両グループとも選抜率が高いメンバーが在籍日数が長くなる傾向にある。
  • 非選抜率常連組の平均在籍日数を考えると、乃木坂の方が圧倒的に長くなる(AKB:1111日 乃木坂:2011日)。ゆえに乃木坂は選抜・アンダー問わず平均在籍日数が長いと言える。これの原因はわからないが、舞台仕事中心にアンダーメンバーでも仕事が回ってくるとかだろうか。
  • 標準偏差についても若干の差があるが、AKBのサンプルから異常値として峯岸を除くとおおむね変わらなくなる。(AKB:1377※峯岸を異常値として除くと1070 乃木坂:1030)。ゆえに卒業時期のバラツキ自体はAKB・乃木坂とも大差ないと言える。
  • 一方で選抜常連組に限った標準偏差は優位に乃木坂が小さくなる(AKB:1515※峯岸を異常値として除くと1029 乃木坂:732)。したがって乃木坂は選抜メンバーはみんな仲良く同時期に辞めていったと言える。卒業ラッシュを感じていたのはたぶんこれが原因。

まとめると乃木坂1期全員割と長く在籍していて、辞めるときはみんな一緒という感じです。
なんか最後の最後まで乃木坂っぽいなと思いました。

余談:選抜率と卒業年齢について

AKB1期と乃木坂1期ともにだが選抜率と卒業時年齢はやや関連がありそうな感じだった(相関係数 AKB:0.52 乃木坂:0.68)
乃木坂でも3期以降含めるとまた違った結果になりそうなので、後々検証してみたい

考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)東京神宮球場公演Day2 2022/8/30

0.はじめに

全国ツアー神宮初日、推しがTwitterトレンド入りした
ワクワクしながら内容を確認すると、転落・救急車と見慣れない文字が並ぶ…
一瞬にして意識が遠のく

普段ライブの考察でいろいろ言ったりしているが、そもそもライブで推しが躍動していること自体がいかに幸せかを実感した
そしてどうか沙耶香ちゃんが無事活動復帰できますように

1.全体の感想

地方公演に引き続き、正統派な夏のツアーという印象を受けたライブだった
考察要素は少ないが、久々の神宮は本記事冒頭の一件以外はやはり良かった
以下ではいつものようにポイントを絞って振り返っていきたい

また今回は地方公演との比較も交えつつ考察していく
そのため良かったら地方公演の広島公演の記事もご覧ください
(他公演はチケット確保できず…)
考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)広島公演Day1 2022/7/23

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
神宮だから、という演出はなく正統派のツアーセトリだったと思う

3.振り返りポイント

選抜・アンダーの融合

広島公演の時点では気がつかなかったが、選抜・アンダー間の融合が今回のツアーの特色となっていたと思う

今日の内容で言うと山下が『涙がまだ悲しみだった頃』、さくちゃんが『マシンガンレイン』のセンターをするなどかなりレアなものが見えたと思う
またこれは選抜がアンダー曲のセンターをやるという一方的なものではなく、広島公演では葉月センターの『スカイダイビング』などその逆もあった

特にアンダー曲は選抜メンバーがセンターを務めることに抵抗がある人も多そうなので賛否両論ありそうだとは思った
個人的には曲とメンバーもコンテクストを無視すればあっていたし、レア感もあってありなのではと考えている

②公式ブログとのリンク

地方公演から引き続き公式ブログとリンクした演出があった
すでに広島公演の記事に細かく記載しているので割愛するが、良演出であった

③期別コーナーの新設と各期のカラー

地方公演ではなかった期別コーナーが新設されていた
ここについて少し掘り下げていきたい

地方公演から1・2期で披露された『君の名は希望』の中で、今年のツアーは3期以下の各メンバーの魅力を少しでもわかってもらえればという趣旨の発言があった
普通に考えればこの発言の後に期別コーナーと進むと思うのだが、期別コーナー→『君の名は希望』という順序でセトリが進行していった
これは考えすぎかもしれないが、地方公演を経て『君の名は希望』の枕詞なしに3~5期がどこまで魅力を出すことができるようになったかの答え合わせなのではないか

そしてこの期別コーナーはかなり各期の色が出ていて魅力的だった
まずは5期生だがパフォーマンスにもフレッシュ感があふれ、これからどうなっていくのかが楽しみである

4期生はフレッシュさ推しだったので5期生が入ってきてどうなるのかと思っていたが、「キャッチーさ」「わちゃわちゃ感」「(言ってしまえば)カオス」という個性を身につけつつあると思う
今回は披露されなかったが『I see…』『Out of the blue』と表題曲にしても良いくらいのキャッチーな曲を立て続けにもらったからか、かなりこの手のパフォーマンスが得意になったように見える
それが遺憾なく発揮された新曲『ジャンピングジョーカーフラッシュ』はかなりインパクトがあった
この勢いで引き続き突っ走ってほしい

3期生には絶対的な頼もしさを感じた
『僕の衝動』での圧倒的なパフォーマンスと顔芸(?)の迫力と、『僕が手を叩く方へ』の暖かく会場を包み上げるような一体感の演出はさすがの一言
(余談だが、『僕が手を叩く方へ』のクラップの会場の一体感は感涙ものであった。これはこれで表題曲としてもよかったくらいの出来。)
僕たちが好きになったあの頃の「乃木坂らしさ」をいまだに感じられるのは、彼女たちのおかげなのだろう

1・2期生のパフォーマンスはもうとにかくエモさに溢れている
『海流の島よ』の披露は想像していなかったけど、1期生年少メンバーはアンダーからのスタートが多くあの子たちがここまで立派になったのかと思うと感慨深いしそこに昔のメンバーの姿を重ねるとは…
ひなちまやまあやがいる今しかできない、とてもよい演出だったと思う

2021/03/29 乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE 1期生ライブ

1.全体の感想

剥き出しのリアルな感情が感動を呼んだ昨日の2期生ライブとは一転、とても楽しくて幸せなライブであった
気になった演出のポイントを振り返っていきたい

2.振り返りポイント

①「『挑戦』から『成熟』へ」

ライブのVTRの中にあった言葉だが、まさにこのライブを表すのにふさわしい言葉だと思う
緩急がすごすぎる全員センター企画のようにファンが喜ぶであろうことを時に全力で、時におふざけを交えつつ楽しみながら披露する余裕はさすが10年戦士といった感想をもった
従来の乃木坂ライブで多かった「内気な女の子の成長」というテーマとは対極にある、完成度が高い成熟したエンターテイメントがそこにはあった

②「今」の乃木坂

もう一つ印象的だったのは徹底して「今」に焦点をあてたライブだったことである
卒業生に光を当てる演出はほとんどなく、成熟した現在の1期を描く演出はこれはこれですごく好きだった
2/23全体ライブの一期生パート(詳細は下記のリンクを参照)では卒業生に焦点を当てていたので意外であったが、両方を合わせて完成形の1期生ライブとなるのかもしれない
https://nogi-live.yamamemo.net/9th-year-birthday-live-all/

③幸せの理由

今日のライブはすごく幸せを感じるライブだったと思うのだが、その理由は彼女たちが「今」の乃木坂を好きというのが伝わってきたからだろう
ライブ本編を人数が少なくなってきた1期生と楽しみ、アンコールで後輩の楽曲を楽しむ姿が何よりも雄弁に「好き」を語っていた
そしてその「好き」は、言ってみればファンの僕らとかなり近い目線であった
それは彼女たち自身が第一線を退きつつあるからこその目線であり、一抹の寂しさはあるが…
それでも大好きな彼女たちと好きなものを共有できていること、こんなに幸せなことがあるだろうか