2022/2/23 10th Anniversary 乃木坂46時間TV スペシャルライブ

    0.はじめに

    皆さん、46時間プラスアフターパーティーお疲れ様でした!
    ライブが衝撃すぎて消化するのに時間がかかりましたが、一晩明けて記事にまとめたいと思い筆をとっています
    ライブを今回最優先でまとめますが、残りは後日書こうと思うのでよかったらそちらも読んでやってください
    ちなみに現在のところ人狼考察電視台考察(その他雑談含む)を予定しています

    また今回取り上げる内容は大いに荒れる可能性があるものだと思います
    具体的には以下のような批判が考えられます

    ・グループの方向性に文句を言うな、嫌なら黙ってオタ卒しろ
    ・新しい取り組みを否定するな停滞につながる

    先に弁解しておくが、本記事に文句・否定の意図はない
    是非を述べる意見書ではなく、グループの変化の方向性を予想するエンターテイメントとして本記事は捉えていただきたい

    ただし私が46時間テレビ以前に予想、もっというならば期待していた方向性から大きく外れる可能性が高いなと思っているのは事実である
    それでも本当に方向性が大きく変わるのか、または変わったところで悪い方向に向かうかはまだ誰にも分からない

    1.全体の感想

    『Actually…』とにかく衝撃的で、それまでの45時間がすべて吹っ飛ぶレベルだった
    乃木坂史上最大といってもいいほどの黒船が来たように思う
    以下、ポイントを絞って振り返っていきたい

    2.セットリスト

    全体として王道展開だったからこそ、最後の『Actually…』の異物感が非常に際立った

    M00  Overture
    M01  他人のそら似
    M02  おいでシャンプー

    MC①(全体)

    M03 キスの手裏剣
    M04 三番目の風
    M05 走れ!Bicycle

    MC②(梅ちゃん、飛鳥、真夏さん、あやてぃー、レイちゃん、かっきー)

    M06 日常
    M07 口ほどにもないKISS
    M08 僕は僕を好きになる
    M09 ごめんねFingers crossed
    M10 Sing Out!

    MC③

    M11 Actually…
    MC④
    M12 乃木坂の詩

    3.振り返りポイント

    ①M10までの王道セットリスト

    M10までは10周年らしいセットリストだった
    いかにも乃木坂らしい世界観の選抜曲、ゴリゴリのダンスナンバー『日常』・一周まわって可愛らしい『口ほどにもないKISS』などバラエティにとんだアンダー曲、各世代の若き日を思い出させるような期別楽曲と王道ど真ん中な構成だった
    まさかこのセットリストがこのあとのフリになっているとは…

    ②『Actually…』~乃木坂史上最大の問題作

    乃木坂シングル史上最大の問題作
    センターのアルノちゃんがクローズアップされるような構成となっており、ほかメンバーがバックダンサーのように見えた
    曲調も今までの乃木坂にはない、攻撃的な感じ
    存在感があるアルノちゃんにこの曲をやらせたいのはわからんではないが、それにしても異質
    この前までのセットリストがザ・王道だったから、なおさら異物感が際立った

    この曲を聴いたとき本能的に「乃木坂が壊れるかもしれない」という危機感を感じた
    Twitterでも「乃木坂らしさ」というワードがトレンド入りするほどだったので、私だけの反応ではないと思う

    以前から新世代のメンバーをセンターに迎え入れる文化が乃木坂にはあったが、これほどまでの異彩を放つことはなかった
    『逃げ水』のよだももや『夜明けまで強がらなくてもいい』のさくちゃんは支えてあげたい乃木坂らしいキャラクターだったから違和感なかった
    唯一『バレッタ』の堀ちゃんは多少の異物感があったが、ここまでセンター一人を際立たせる構成にはなっていなかった
    それだけに今回のアルノちゃん(本人のキャラはまだわからないけど、『Actually…』の象徴としての彼女)は今までの乃木坂のイメージを完全に覆すための刺客にすら見えた

    私は乃木坂はコアファンからの人気を得ており、似たようなメンバーをとることで持続していくコンテンツだと思っていた
    (上記の詳細は『考察:乃木坂46は国民的アイドルなのか~楽曲とメンバー構成から考える』の記事をぜひ参照いただきたい)
    それだけにイメージを根底から覆しにいく『Actually…』は私の予想と完全に真逆で、衝撃的だった

    ではこのシングルで表現したように見えたものとは何か
    一言でいうと「欅坂46感」だったように思う(あえて「櫻坂」ではなく「欅坂」と記載する)
    いかつい曲調と歌詞、センターを中心にクローズアップするフォーメーションダンスにアルノちゃんの表現力が平手友梨奈と被るところがありこのように見えたのだろう
    (あらためて平手友梨奈と比較されるとかアルノちゃんすげえな…)
    Twitterでも「平手友梨奈」というワードがトレンド入りするほどだったので、こちらも決して私だけの反応ではないと思う
    そして先述の通り「乃木坂らしさ」が議論されるなど、一部(というより私には大半に見えるが)ファンが望んでいた方向性とはかなり離れたものとなっているのではないかと思う

    ③なぜ乃木坂を壊す必要があったのか~仮説を立てて考える

    ここでよりマクロな視点に立ち「なぜ乃木坂を壊す必要があったのか」をいくつか仮説をたてて考えていきたい
    どれか一つだけが正しいのではなく、いくつかが混ざり合っているのではないかと思う

    1.中西アルノへの惚れ込み
    よく言われることだが、大なり小なりあると思う
    アルノちゃん魅力的だしね
    ただそれでも「本当にそれだけか?」とも思う
    例えばアルノちゃんが2期生や3期生加入の時期に入ってきたとして、同じことが行われただろうか?
    まいやんやななみん、なぁちゃんほか1期生が多くいるときにそんな売り出し方をするのは想像しにくいように思う

    2.欅坂の亡霊を追っている
    ネットでよく見る論調ではあるが、単にそれだけならば櫻坂でやる方が自然ではないだろうか?
    乃木坂で行うべき必然性がこれだけだと見いだせない

    3.国民的アイドルを目指すため
    比較的合理的な理由として、「乃木坂が最も近いが、現在の乃木坂では成し遂げえないものを達成するため」という理由が考えられる
    そのうちの一つが、先ほど紹介した記事でも考えた「国民的アイドル」という概念である

    しかしこれはおそらくないと思う
    上記記事では楽曲という要素についても考察しているが、少なくとも国民的アイドルが持ち合わせるようなキャッチーさが『Actually…』からは感じられない
    (というより比較される「欅坂46」についても基本は別路線のカルトコンテンツだと認識している。このアイドル史観は別途考察記事としてまとめたい。)

    もうひとつ国民的アイドルの持つ要素として「メンバー構成の多様化」を挙げているが、こればかりは5期生のキャラクターがわからないので何とも言えない
    強いて言えば井上和ちゃんとかは、今までの乃木坂にいないタイプの見た目だなとは思

    4.海外進出の可能性
    「乃木坂が最も近いが、現在の乃木坂では成し遂げえないもの」でもう一つ思いついたのがこれである
    古くはAKB48、乃木坂も2017年ごろに目指していたが成功したとは言いがたいのが海外進出である

    こちらの記事をはじめ一般に良く言われることだが、海外で売れるためにはパフォーマンスがハイレベルであることが求められる
    定量的評価は難しいが、言語が通じないためパフォーマンスで分かりやすく魅せる必要があるというのは妥当だろう

    一方で乃木坂の武器を振り返るとパフォーマンスというのは決してレベルが高いとは言えないらしい
    (私はパフォーマンスに無頓着なので、一般にそういわれるよね程度しか実感はない)
    さらに秋元系アイドル(特に乃木坂)が得意とする、ハイコンテクストな文脈が生み出す感動は言語が違う消費者がそこまでたどり着くのは難しいように思う

    しかし今からパフォーマンスのレベルを上げるにしても、韓国アイドルとキレキレダンスでバチバチに戦うのは難しい
    そこで世界の市場の空白を突くための武器が、欅坂で行われていたようなフォーメーションダンスだったのではないか

    しかし「なぜ櫻坂ではなく乃木坂で海外進出を狙うのか」という疑問がそれでも残る
    その回答については「日本のNo.1アイドル」という箔が必要だったのではないかと推測する
    本当にこの予想が正しければ運営はかつての欅坂と同じ方法でテコ入れしていくだろう
    その場合似たコンセプトの櫻坂46が見捨てられたような形となるのだが…

    5.割とうまくいってたけど、単に乃木坂を運営するのに飽きた
    1~4それぞれ考えてきたが、実は一番の主因ってこんなところなのではないだろうか
    現在の乃木坂は似たようなメンバーを入れて、一部の熱狂的なファン層が離れずに応援し続けるいわば「完成されたコンテンツ」になっていると思う
    よく言えば「手がかからない」が、運営する立場からすれば「面白くない」とも見えるかと思う

    そこに明らかな異分子がいたから試しにぶつけてみようといった感じなのではないか
    (こちらのベストアルバム特典映像考察の記事でも記載しているが、トライ&エラーは乃木坂でも行われたいわばよくある手法である)
    かなり雑だなとは思うが、『バレッタ』のときのような化学反応に期待したい
    またその時とは違ってバランサーとなる余裕がある1・2期がいるのもどう作用するのだろうか
    29枚目はひたすら過激な方に振ったが、多少なじんでくるであろう30枚目以降どのような変化が起きるのか引き続き見ていきたい

    ④中西アルノについて

    冒頭にも述べた通り、私は今回の記事で何かを否定したり文句を言う意図はない
    特にアルノちゃんには何らマイナスな感情がないことは重ねて申し上げたい

    そもそも『Actually…』だけの印象でアルノちゃんのことを語るのはややナンセンスだと思う
    実は私は5期生お見立て会に現地参戦していたのだが、お見送りに当たったメンバーがアルノちゃんだったのである
    事前映像でもかなりクールそうな印象だったが、お見送りの時に見せた人懐っこい笑顔はいい意味でずいぶんギャップがあった

    こんな調子できっと我々がまだ見ていない側面が彼女にはたくさんあるのだろう
    従って私は『Actually…』だけの印象で彼女を判断したくはない
    乃木中とかに出てくるのも楽しみだな

    4.少しだけ私見

    ここからは完全に考察ではなく私見である
    私のような考察マニアにとっては、久々に考察しがいのある骨太なテーマで本当にぞくぞくした
    一方で乃木坂に共感しそのアイデンティティに惚れた私は、もしかすると乃木坂が完全に壊れてしまうのではないかという不安を持っていたりもする
    いずれにせよまだ何もわからないというのが本音なので、引き続き注目していきたい

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