考察:新・乃木坂スター誕生!LIVE (横浜公演)2022/12/5-12/6

    1.全体の感想

    以下記事の4期生の時同様、やはりスター誕生ライブはめちゃくちゃ盛り上がる良いライブだった
    ・考察:乃木坂スター誕生!LIVE (昼・夜公演)2022/6/26
    今回は番組企画ということで考察要素少なめではあるが、2日間通じて気になったポイントを振り返っていきたい

    2.セットリスト

    こちらのサイトをご参照ください
    両日公演とも第一部で『新・乃木坂スター誕生!』内でカバーした人気曲、第二部で乃木坂の曲をパフォーマンスする構成だった

    個人的には第一部でオズワルドの二人がいる横浜初日で『君に幸あれ』、神戸初日に回るであろう『Ride on time』(Maxの方)、花屋の店員さんをイメージした(?)『あなたに会えてよかった』、てれぱんがノリノリで歌う『ハレ晴レユカイ』とかも見たかったな

    3.振り返りポイント

    ①歌にフォーカスが当たったライブ

    第二部は基本的に普通のミニライブなので特筆すべきは第一部だろう
    やはりこのライブの一番の特徴は「個々の歌にフォーカスがあたっていたこと」だと思う
    全体ライブでは難しい個々のパフォーマンスを見られたのは本当に良かったし、それぞれソロパート中心に見応えがあった

    • いおちゃん…『糸』『飛行機雲』とバラードを堂々と歌い上げる姿は透明感の塊だった。
    • てれぱん…『タイムマシンにおねがい』『ルージュの伝言』と独特の存在感は流石。癖になる。
    • みくちゃん…『プラネタリウム』頑張った。ネタキャラになりつつあるけど、パフォーマンス見ると思わず支えたくなるしセンターになりうる素質も十分だと思う。
    • なぎさん…スーパースター。言うまでもなく素晴らしかった。詳細は別章で後述。
    • おかひな…『世界中の誰よりきっと』で見せた人懐っこい笑顔はアイドルとしての素質を感じた。『VALENTI』も似合っていたし、格好良かった。経験を積んだ数年後にもう一度見たい気がする。
    • あーや…ほかメンバーに隠れがちだけど、想像以上にダンスも歌も実力派。『時をかける少女』で見せた抜群の透明感に惚れた。『真夜中のドア〜stay with me』で見せた大人っぽい表情にはドキッとすらした。5年後に乃木坂のセンターになって天下を取ってほしい。
    • いろはちゃん…『純愛ラプソディ』で見せた力強い歌声と優しい表情は魅力的。
    • さくたん…『赤いスイートピー』もそうなんだけど、特に第二部で存在感があった。詳細は別章で後述。
    • 小吉…『慟哭』の力強さは期待以上。彼女も第二部で存在感があったと思う。詳細は別章で後述。
    • なおちゃん…『ありがとう』涙浮かべつつもよく歌い切った。二日目の『元気を出して』では涙なく成長を感じた。
    • アルノちゃん…『ここでキスして。』『First Love』など雰囲気ある曲を歌わせたらやっぱりナンバーワン。

    また乃木坂には多くない、馬鹿みたいに景気が良い曲(『EZ DO DANCE』『Sunny Day Sunday』あたりを想定)ができるのはこのライブの強みだと思う
    特に『お願いマッスル』は思わず声を出したくなってしまうほどだった
    コールが解禁されていればなあ…

    ②スペシャルゲスト~プロアーティストの存在感

    スター誕生ライブといえばスペシャルすぎるゲストが定番だが、今回もすごかった。
    YU-KIさんが歌う楽曲はとにかく力強くて、やはり『EZ DO DANCE』の盛り上がり方は群を抜いていたように思う。
    アリーナの熱狂が感じられ、スター誕生ライブはやはり生で見るのが最高だと思った。

    2日目は残念ながら生では見られなかったが、一流のアカペラが聴けるのは本当に羨ましい。
    画面越しでも楽器なしの張り詰めた空気とそれを包み込むようなあたたかな歌声は感じられた。

    ③シビアな構成

    一方でよく見るとシビアな構成にも思えた
    先述の通りこのライブはパフォーマンスに焦点を当てたライブである
    そのため4期生のスター誕生ライブの際にも特に先輩メンバーが目立っていたように、経験がかなりものをいうライブだと思う

    それゆえに大前提として経験の少ない5期生にはかなり厳しいライブだったと思う
    それでもこんなに満足感あるライブに仕立て上げた5期生は流石なのだが、ややメンバー間のパフォーマンスに差が見られたように思う
    しかも各メンバーのソロメドレーでほぼすべての曲がミディアムバラードなので、パフォーマンスがもろに出てしまったのではないか
    (緩急をつけることができたのは『ルージュの伝言』と2日目の『VALENTI』か。しかもその2曲連続してたという…。特に小吉だから何とか乗り切れたものの、圧倒的存在感のアルノの後は本当にやりにくいと思う。)
    4期生の時には『ラムのラブソング』など盛り上がる曲もあったと思うので、もう少しバラエティに富んだ構成とした方が、優しい構成だったんじゃないかな

    ④井上和について

    見る前から素晴らしいのは分かっていたことではあるが、井上和のパフォーマンスは思っていた以上に素晴らしかった
    歌がうまいのはもちろんなのだが、本格派の『残酷な天使のテーゼ』からネタ曲『お願いマッスル』まで表情の一つ一つが完成されているのだ

    しかもただうまいのではなく垣間見える人柄も本当に素敵だと思う
    2日目の『Sunny Day Sunday』で歌詞が飛んだので一瞬涙目になったものの、健気に立て直す姿は全ファンが応援したくなったのではないか
    そしてそこから立て直して明るい曲をやり切り、曲終わりに照れ隠しでクシャっと笑うリバウンドメンタリティはアイドル一年目とは思えない
    さらに鳥肌ものだったのが1日目の『Story』
    「今私が笑えるのは 一緒に泣いてくれた キミがいたから」の歌詞でメンバのところをふと見たのはアツかった

    この人に乃木坂を引っ張っていってもらいたい、この人がいれば乃木坂もまだまだ天下をとれるのではないか、そんなことすら感じさせるパフォーマンスだった

    ⑤川﨑桜と菅原咲月~「静」と「動」のパフォーマンス

    第二部のパフォーマンスで特に印象的だったのがこの二人である
    しかし川﨑桜と菅原咲月のパフォーマンスは実に対照的だと思う

    『17分間』のパフォーマンスを見て思ったのだが、さくたんの周りだけなぜか時間軸が歪んだかのようにゆっくり見えるときがあるのだ
    その瞬間のさくたんの表情は一晩明けても脳裏に焼き付いている
    この特殊能力はメリットデメリットとも大きいが、一列目のセンターであれば一人ゆっくりにみえても違和感がない
    そういう意味で彼女は本当にセンター向きだと思う

    このさくたんのパフォーマンスを「静」のパフォーマンスとするのであれば、さっちゃんのパフォーマンスは「動」のパフォーマンスだろう
    『乃木坂工事中』の内輪ウケものまね大賞でもおかひなに頭の動きを真似されていたが、一つ一つの動きがうるさいのだ(もちろんいい意味で)
    こういうメンバーはセンターにたつのもそれはそれでよいが、端から見切れるのがとても印象に残る
    (ほかメンバーでいうと、りりあとかも似たタイプ)
    さっちゃんのファンの人は望まないかもしれないけど、こういった二列目のセンターから少し外れたあたりにいるとカメラに見切れることも多くてとっても魅力的に見えると思うんだよな

    ⑥物販について

    唯一不満が残ったのが物販である
    具体的にはメンバー個別のマフラータオルがあったほうが良かったように思う
    5期生のみのライブは初なんだから個別タオル持っている人は多くないだろうし、僕含めあったら買っていた人は多いのではないか

    あんなにタオルを掲げる人が少ない『裸足でSummer』は初めて見たよ…
    ちょっとメンバーが見ても酷だろうなあと思ったし、そういった意味でも物販にあったほうが良かったかと

    ⑦5期生とアラサー・アラフォー世代

    意図的か偶然かわからないが、5期生はアラサー・アラフォー世代にかなりハマる売り方をしているように思う

    4期生が出ていた『乃木坂スター誕生!』はもともと歌謡曲を中心に据えた構成だった
    後半にはやや最近の楽曲を取り上げることもあったが、平成より昭和の楽曲が多かったように思う
    一方で『新・乃木坂スター誕生!』では平成の楽曲が、2000年代の楽曲も少なくなかった
    アラフォーはずばり世代であり、アラサー世代にも耳なじみがある楽曲が多く番組に取り上げられていたのである
    実際に初日ライブ会場で隣の席のアラフォーとおぼしきおじさんが、自分の世代の楽曲だからかかなり盛り上がっていた

    また5期生楽曲は『バンドエイドを剝がすような別れ方』や『17分間』など、今までの乃木坂にはない曲調の楽曲となっている
    というか2010年ごろのAKB48の楽曲にかなりに近いと思う
    『17分間』なんて曲調や歌詞にあの頃の懐かしさを思い出して、思わずコールではなくミックスを打ちたい気分になったくらいだ

    もし偶然テレビをつけたら自分たちの世代の曲が歌われていて、そのアイドルの曲を調べたらかつてハマったアイドルに似たキラキラ感のある楽曲を歌っていたら…
    かつてAKBにはまった人たちが5期生にはまっていくストーリーが描けるのだ

    まだ意図的と判断するには早いが、アラサー・アラフォーに向けた売り出しがかなりうまくいっているように思う
    もし本格的にAKB的キラキラアイドル路線を売りの一つにするとしたら、賛否両論を生みそうだが個人的にはありだと思う
    乃木坂正当路線を継承した3期・ポップさやカオスさを前面に押し出した4期と明確に差別化できるし、ちょうどAKBがかなりごたついている時期なので離れた人の受け皿にもなるだろう

    何より個人的にはAKBやモー娘全盛期の楽曲が「アイドルってこういうものだよね」と体に染みついているのだ
    これはきっと私がアラサー世代だからに違いないのだが、同じ感性の人も少なくないのではないだろうか
    (より若い世代がこれをどう判断するかがわからないが…)

    『17分間』を聴いて、久々にアイドルのキラキラ感を思い出した

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