5期生

考察:乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE (11thバスラ)Day2 5期生ライブ 2023/2/23

1.全体の感想

「本当に初めての5期生ライブなんですか…?」
5期生のスーパールーキーさを存分に感じたライブだった

パフォーマンスの完成度は素晴らしいのに、新人としてのフレッシュさも残している…
今しか見られない本当に良いライブだったと思う
興奮が冷めやらぬうちにいつものようにポイントを絞って考察していきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
乃木坂の11年を振り返るパート、『新・乃木坂スター誕生!』とのコラボパート、お見立て会を思い出してしまう自己紹介&円陣、エンジン全開の終盤&アンコールと2時間半とは思えない充実の内容だった

選曲自体も初日と違いバスラならではといった要素も強く、個人的には良かったと思う
ちなみに初日の考察は↓からどうぞ
・考察:乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE (11thバスラ)Day1 2023/2/22

3.振り返りポイント

①スーパールーキー現る!~初期4期生ライブと比較して

このライブを見る前、乃木坂らしさの継承をテーマに据えるのではないかと私は予想していた
これは初期の4期生ライブで継承が定番テーマになっていたことから、同じような展開をたどるのではないかという考えである
例えば以下の記事の9thバスラの4期生ライブなどが例に挙げられる
・2021/05/08 乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE 4期生ライブ
ほかにも本ブログ発足前だが、『Sing Out!』発売記念の4期生ライブでも先輩たちの姿と重ね合わせる演出があったと記憶している

しかし本日のライブは予想と異なり、継承という要素を前面に打ち出したライブではなかった
むしろパフォーマンスで魅せる方向に振り切ったライブだったことはいい意味で意外であった

これはメンバー個々のパフォーマンスの高さを知ってもらいたいという想いからと推測する
書ききれないのでかなり絞るが特に印象に残ったところとしては、

  • 『ジコチューで行こう!』のアルノ。スター誕生ライブなどかなりクールなパフォーマンスが多かったが、はじける笑顔のアイドルパフォーマンスもびっくりするほどハマってた。
  • 『Wilderness world』前のダンストラックのみくちゃん。バキバキに踊っているのに、顔はニコニコ笑顔でウインクまでしてた。自分のキャラと需要わかっててステキ。
  • 『Another Ghost』のあーや。本当に15歳なのかと信じられないほどの色気をまとってた。
  • 『Sing Out!』のおかひな。バレエで鍛えたしなやかなダンスは圧巻。

他のメンバーも含めて、1年かけて厳しい環境で磨き上げてきたパフォーマンスは流石だった

なお誤解のないよう弁解しておくが、これは4期生のパフォーマンスが低いことを意味するわけではない
売り出し方が異なるのだ
そして「継承」をテーマにした4期生ライブはそれはそれでかなり盛り上がったことを補足しておく

②演出の勝利

メンバーのパフォーマンスも素晴らしかったが、今日の演出はそれをより高める名演出があったように思う

やはり印象的だった箇所として『孤独兄弟』を挙げたい
最初さつきちゃんが歌いだしたとき、関係性や他曲の出演メンバー考慮してなぎさつでのパフォーマンスを誰しもが予想しただろう
しかしまいやんのパートが終わり、ななみんパートに入ってもなぎちゃんは出てこない…
ついにはサビまでさつきちゃんが一人で歌いきってしまった
(改めて考えると、一人でこの曲サビまで持たせるさつきちゃんすごいな…)
そのまま間奏まで入りまさかのソロ『孤独兄弟』を確信したところで、突如暗転…
スポットライトがついた瞬間に、なぎちゃん登場しライダースジャケットを手渡した
この盟友を助けに来るような演出が二人の関係性すら暗示しているようで、あまりにも格好良くて思わず声が出てしまった

ほかにも『僕だけの光』も良かったと思う
本来アップテンポなこの曲だが、スローバラード風にアレンジして5期生の歌を聞かせていた
そして派手な映像演出で注目を集めてから、歌詞をステージモニターに移していく…
今の5期生を表しているようなこの歌詞がすっと入ってくる、良演出だったと思う

③『新・乃木坂スター誕生!』コラボパートについて

SNSでの反響を見る限り、このパートかなり賛否両論あるようである
反対意見としてはバスラでやることなのかというのが挙げられているようだ

個人的な意見としてはアリだと思っている
そもそもバスラの趣旨は「乃木坂の歴史を振り返る」「直近1年を振り返る」という二点にあると思う
本パートはこのうちの後者に当たると考える
そして『新・乃木坂スター誕生!』自体単なる歌番組ではなく、5期生の通過儀礼としての役割を持っておりその重要性は極めて高いと私は考えている
これについては長くなるので、以下の記事で詳細を確認していただけると嬉しい
・考察:5期生はじめての単独ライブはなぜ「新・乃木坂スター誕生!LIVE」だったのか

まとめると5期生の1年を振り返るとき『新・乃木坂スター誕生!』はかなり大きなウエイトを占めるので、5期の1年間を振り返るという意味でこのパートが入るのは個人的にはありなんじゃないかと思う

④奥田いろはと『日常』

個人的に本日のベストアクトだと思っているのが、奥田いろはセンターで披露した『日常』である

まずストーリーづけがしっかりされていた
憧れの先輩のセンター楽曲で自信もずっと踊ってみたいと思っていた楽曲をセンターでやらせてもらえる喜びと重圧が、VTRで丁寧に描かれていた
(まじでいろはちゃん乃木坂に入ってくれてありがとう)

そして曲が始まる
スター誕生ライブなどでもいろはちゃんのパフォーマンスが話題になるほどのメンバーであったが、想像を超える感情の入ったパフォーマンスにしっかりと準備してきたことが伝わった

さらにそこに演出が加わっていく
ラスサビできいちゃんの映像が映し出され、いろはちゃんのキメ顔に切り替わる…
持てる限りのパフォーマンスのご褒美としてのようにすら思える名演出に心が震えた

冒頭で私は今回のライブは「継承」というテーマが前面に出ていないと述べた
しかし『日常』を目撃したものならわかると思うが、パフォーマンスとVTRを通して乃木坂らしさが「継承」されたことは十分に伝わっただろう
想像のはるか上を超えていったあたり、本当に今日のライブは良いライブだったなと思う

⑤『心にもないこと』

32ndシングルカップリングの5期生曲が披露された
なんというか、意外だなという感想を持った

まず曲調がめちゃくちゃ意外だった
5期曲は『バンドエイドを剝がすような別れ方』『17分間』しかり、いかにもアイドル路線でやっていくのかと思っていた
比較的切ない曲調で割と乃木坂らしかったことは意外だし、今後の売り方にも関わってきそうなので注視したい

次にセンターてれぱんもかなり意外だった
みくちゃんかいおちゃんのどちらかかなと思ってたけど、選抜入りしたメンバーは除外なのかな…?
(それでセンター曲なくなるのもちょっと悲しい…。二人はセンターに立ってるとこ見たいのだが。)
とはいえてれぱんセンターも見てみたかったところではあるので、なんだかんだ良かったとは思う

対して聴きこんでもないのでふわっとした感想となり恐縮ですが、この辺りで筆を置こうかと思う

考察:5期生はじめての単独ライブはなぜ「新・乃木坂スター誕生!LIVE」だったのか

1.序論

今回はタイトルの通り、5期生はじめての単独ライブがなぜ「新・乃木坂スター誕生!LIVE」だったのか、そしてそれがグループに与える影響について考察していきたい

今回の考察のきっかけは「新・乃木坂スター誕生!LIVE」神戸夜公演で得た感動にある
一方で6月に行われていた4期生の「乃木坂スター誕生!LIVE」も、詳細は以下の記事に譲るが今年有数の良いライブであった
しかし両者から得られた感情はかなり異なるものであった

そこで私は一つの仮説を立てた
2つのスター誕生ライブは表面上は同じだが、質的にはかなり異なるものなのではないか
そしてそれこそが5期生初のLIVEがスター誕生ライブとなった所以なのではないかと

2.本論~4期生と5期生のスター誕生ライブの比較

①前提:4期生「乃木坂スター誕生!LIVE」について

5期生の「新・乃木坂スター誕生!LIVE」について語る前に、前提として4期生の「乃木坂スター誕生!LIVE」について触れておきたい

このライブを一言で言うならば、各個人のパフォーマンスに焦点を当て盛り上がることに特化したライブであった
感情を敢えて単純な言葉にするならば「感動」など湿っぽい言葉ではなく、「高揚」など明るいイメージである
もちろんこれは4期生や先輩メンバーの経験年数でパフォーマンスや盛り上げ力が磨かれているというのがベースになっている

これ以上は長くなってしまい、かつ本題からもずれるので以下のライブ考察記事に譲り本稿からは割愛する
・考察:乃木坂スター誕生!LIVE (昼・夜公演)2022/6/26

②5期生「新・乃木坂スター誕生!LIVE」の特性

4期生の時の経験から、私はスター誕生ライブはテーマ性が強いライブではなく、パフォーマンスを楽しみ盛り上がるライブとしてとらえていた
実際に以下の横浜公演考察はひたすらパフォーマンスに焦点を当てて考察している
・考察:新・乃木坂スター誕生!LIVE (横浜公演)2022/12/5-12/6

正直なところ神戸昼公演までは楽しくて良いライブだけど、4期のときのパフォーマンスに及ばないなと言う感想だった
(活動をはじめて間もない5期生と数年間の経験値がある4期生を比較する方が無理である)
しかし神戸夜公演でようやく4期のスター誕生ライブとはそもそも質的に異なるものだと気がついた

5期生のスター誕生ライブは一言でいうと「困難に全員で立ち向かうことで、5期生が乃木坂らしくなっていく姿を映すドキュメンタリー」なのだと思う
詳細は神戸公演の記事に譲るが、純粋にパフォーマンスが注目されるうえに、同期・ひいては同じライブを半年前にやっていた先輩たちと比較されるというタフな内容であった(セトリもこのタフさを助長するようなシビアな構成だったと思う)
それを助け合い乗り越えていく姿を目撃させるという、どちらかというとテーマ性に重きを置いたライブであった
・考察:新・乃木坂スター誕生!LIVE (神戸昼夜公演)2022/12/18

3.結論~5期生はじめての単独ライブはなぜ「新・乃木坂スター誕生!LIVE」だったのか

よく考えれば、5期生単独での初めてのライブがスター誕生ライブなのは直観的にはだいぶ不思議な印象がある
しかしこのタフさこそがはじめての単独ライブとして選ばれた理由であろう
彼女たちが困難を全員で乗り越えて「乃木坂らしさ」を身につけたとファンにわかりやすく演出する必要があり、そこにかなり適した場がスター誕生ライブだったということだろう

そしてこれは「新・乃木坂スター誕生!」の番組内でも意識されていたことのように思う
わかりやすいところでいうとHuluの限定映像が4期生のときはゆるゆる未公開映像だったのに対し、5期生の際には真剣に歌に取り組む様子を映すドキュメンタリー映像となっている

それではなぜ5期生だけ「新・乃木坂スター誕生!」といういわば通過儀礼を課されることとなったのかという疑問が生まれる
実は4期生までは通過儀礼を経験しなかったのではなく、別の形で経験していたように思う
それこそがプリンシパルだろう
実際に「新・乃木坂スター誕生!」を経験している5期生がプリンシパルを行うという話はまだ出ていない

4.通過儀礼としての「新・乃木坂スター誕生!」~プリンシパルと比較して

ではこの変化はどのような意味を持っているのだろうか
終章では通過儀礼として「新・乃木坂スター誕生!」をとらえた際に、プリンシパルと比較してどのような特徴を持つのかプラス面・マイナス面の双方から考察していきたい

①メリット:目撃者の多さ

まずメリットとしては圧倒的に目撃者が増えることが挙げられる

例えば4期生が「3人のプリンシパル」を行っていたサンシャイン劇場のキャパシティは808席と記載がある
参考:座席表 | サンシャイン劇場 オフィシャルサイト

一方で「新・乃木坂スター誕生!LIVE」神戸公演が開催された神戸ワールド記念ホールのキャパシティは約8000人とされている
参考:施設概要 | 施設案内 | ワールド記念ホール(主催者様)

単純にイベント会場のキャパシティだけとっても全く規模が違うのだ
さらにスター誕生はライブ配信があったり、ライブを見られなくても番組だけ見るなど目撃人数がさらに多くなることが考えられる
5期生に乃木坂らしさが芽生えていく様子を多くの人に見てもらえるという点で、かなり大きなメリットだと思う

②メリット:番組枠の確保

副次的効果であるが、番組枠を乃木坂として囲っておくことができるのも大きい
10年以上続いている乃木坂工事中とは異なり、日テレの番組枠はまだ安定して乃木坂が持っているものとはいいがたい
そのため一度番組が途切れてしまうとほかのアイドルに枠をとられてしまうことも考えられるのではないか

①と比べると些細なことかもしれないが、一応メリットとして挙げておく

③デメリット:自己プロデュース機会の喪失

プリンシパルでは第二部に出演するために、第一部でいかにアピールし投票に繋げていくかということを考えていく必要がある
それはアイドルにとっての基本である自己プロデュース能力を高める良い機会であるように思う

ただしプリンシパルが実際に自己プロデュース力の向上につながっているかを定量的に評価することは難しい…
実際に私が思っているほど影響はないのかもしれない
それでも想像しうることではあるので一応デメリットに付け加えておく

④デメリット:演技経験の機会喪失

乃木坂はOG含め、ほかのアイドルに比べて舞台仕事が充実しているように思う
それにプリンシパルは大きく影響しているのではないか
基礎となる演技経験が積める上に、舞台関係者の目に留まることも多くなるであろう

この機会喪失は乃木坂の箱というよりは、メンバー(特にアンダー期間が長くなるメンバー)にとって結構な損失のように思う
乃木坂含むアイドルのセカンドキャリアとして最もメジャーなのが、近年だと女優であるように思う
その中でもドラマや映画に比べ、舞台は数が多いこともありパイが広いのである

プリンシパルをきっかけに、乃木坂在籍中に舞台経験を多数積んで、卒業後は舞台を中心とした女優としてはばたく…
このようなキャリアプランに当てはまるメンバーは非常に多いように思う
特にグループで残念ながらそこまでの人気がなくても、上記のおかげで卒業後食うに困らないというパターンも見てきた
その入り口をふさがれてしまうのは大変痛いように思う

そもそも早川事件があったので、今後も乃木坂新世代のメンバーに舞台仕事が潤沢にあるかは不透明であるが…
それでもセカンドキャリアの一つのセーフティーネット的に機能していたものが今回の変更で失われかねないのは無視できないデメリットのように思う

考察:新・乃木坂スター誕生!LIVE (神戸昼夜公演)2022/12/18

1.全体の感想

4期の時や横浜公演同様、やはりスター誕生ライブはめちゃくちゃ盛り上がる良いライブだった
・考察:乃木坂スター誕生!LIVE (昼・夜公演)2022/6/26
・考察:新・乃木坂スター誕生!LIVE (横浜公演)2022/12/5-12/6

今回はそれに加えて5期生が乃木坂になっていくドキュメンタリー要素も垣間見え、個人的には大満足
いつものようにポイントを絞って振り返っていきたい

なお横浜公演との共通部分はくどくなるので割愛した
良かったら横浜公演の記事も読んでいただけると嬉しい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
横浜公演同様第一部で『新・乃木坂スター誕生!』内でカバーした人気曲、第二部で乃木坂の曲をパフォーマンスする構成だった

概ね良かったけど、一部の見たかった曲は神戸公演でも見られなかった
さつきちゃんの『あなたに会えてよかった』は個人的な好みとして、てれぱんの『ハレ晴レユカイ』はノリノリで評判も良かったので外す理由ない気がするのだが…

3.振り返りポイント

①歌へのフォーカス

横浜公演同様の感想にはなるが第二部は基本的に普通のミニライブなので、特筆すべきは第一部だろう
やはりこのライブの一番の特徴は「個々の歌にフォーカスがあたっていたこと」だと思う
全体ライブでは難しい個々のパフォーマンスを見られたのは本当に良かったし、それぞれソロパート中心に見応えがあった
簡単に感想と、次回がもしあったらどんな曲を期待したいか挙げていきたい

  • いおちゃん…喉のコンディション悪い中『愛のうた』と『OH MY LITTLE GIRL』よく歌い切った。本人的には納得いかなかったんだろうけど、ハスキーなのも雰囲気あって悪くなかったと思う。番組でもバラードめっちゃ多いけど、そろそろ明るい曲も見てみたい。YUI『SUMMER SONG』とか似合いそうだけどどうだろう。季節感は真逆だが…。
  • てれぱん…『JOY』は完全に歌を自分のものにしていたと思う。YUKIさんのはポップな感じだけど、てれぱんが「死ぬまでドキドキしたい」というのは謎の色気があってよかった。『タイムマシンにおねがい』は流石の盛り上げ。やはりポップな曲似合うし、スカパラや星野源とか男性曲だが案外ありかも。
  • みくちゃん…『最後の雨』歌いあげる儚い姿がグッときた。語りたいことが多すぎるので、詳細は別章で後述。バラード似合うし『I’m proud』とか見たいけど、久保ちゃんと比較されるし少し酷か。あと『碧いうさぎ』とかも似合いそうだけど、これは流石に無理か…。明るい系なら大塚愛とかはイメージぴったり。
  • なぎさん…抜群に綺麗なビジュアルから放つ、くしゃっとした人懐っこい笑顔は反則級。『ただ君に晴れ』は需要しかない。周りめっちゃ沸いてたし、2020年代美人顔なので近年の曲が似合う。番組でもなぎちゃんがヨルシカとかYOASOBIとか歌えば結構バズるんじゃないかな。あと案外涙脆い…?
  • おかひな…個人的はスター誕生ライブMVPだと思う。長くなりそうなので詳細は後述。案外アイドル系も似合うと思うのだが、画面越しに映えるのはダンスナンバーか。今どき系と思われるのはおかひな的にマイナスな気もするので、安室ちゃんの『Body feel Exit』か『your my sunshine』あたり推したい。
  • あーや…『Wing』横浜公演と合わせてまさかのソロ曲三曲目!15歳にしてスペック高すぎる。ただやはり夜公演『時をかける少女』の抜群の透明感があまりにも印象的。時代が彼女に追いつくのを待ちたい。実力派なのでSPEEDの楽曲とか似合う気がする。個人的にはZARDも見たい。
  • いろはちゃん…『いつか』めっちゃ良かった。ギターできるし、歌も上手い割に癖がないので2010年代バンド系よく似合う。結構じっとりとした男性ボーカルあってたので、back numberとかいいんじゃないかな。あとこういうことやっていいのかわからないけど、Showroomとかで定期的に弾き語り配信やったら徐々に人気でてくるんじゃないかな。
  • さくたん…『BE TOGETHER 』パワフルな曲だけど、癒し系な声がなんか癖になった。アイドル楽曲がやはり似合うなとは思うのだが、本人バンド好きそうだし声質加味してチャットモンチー『シャングリラ』とかはありな気がする。
  • 小吉…『慟哭』『卒業』と流石の歌唱力。ただ歌唱力もさることながら、先日の横浜公演考察で述べたが動きがあるパフォーマンスが彼女の一番の魅力だと思う。動き多くて景気良い『暦の上ではディセンバー』とかのアイドル曲が一番活きるんじゃないかな。
  • なおちゃん…『ありがとう』『元気を出して』とも横浜公演では緊張が強かったが、いい意味で神戸では力が抜けてホカホカした優しい空気感が良く出せてたと思う。こういう系統やっぱり似合うが、もう少し明るいアイドルチックなのも見てみたいかも。広末涼子とか似合いそうなんだけど、4期であやめちゃんやってるからどうだろう。
  • アルノちゃん…『サウダージ』やはり雰囲気ある曲を歌わせたらナンバーワン。彼女の場合はハマった時のクオリティが高すぎるので、横浜公演でやってた椎名林檎楽曲とかを極めていくのが一番良い気がする。

全体としては景気が良い曲(『Ride on time』『Sunny Day Sunday』あたりを想定)はやっぱり盛り上がる
乃木坂もこういうキャッチーな曲増やしてほしい気がするな…

② スペシャルゲスト~プロアーティストの存在感

スター誕生ライブといえばスペシャルすぎるゲストが定番だが、神戸公演もすごかった
MAX姉さんの妖しい魅力を伴った、異常なまでの盛り上がりは画面越しでもエグかった
マジで現地行きたかったな…

串田アキラ大先生は説明不要のパワフルさ。全ての悩みが吹っ飛ぶレベル
御年74歳とはとても信じられない
ANNじゃないけど単純に影響されて、筋トレしようと思ったわ

あとちょっと謎構成だなと思ったのは、ゲスト明けに昼夜とも一曲やってから第二部へ移行したけど最後の一曲いる…?
ゲストでマックスに盛り上がったのだが、そのまま第一部終了とした方が流れが綺麗だと思うのだが…

③岡本姫奈について

個人的にスター誕生ライブのMVPをあげるならおかひなだったと思う

まずパフォーマンスだが、『VALENTI』の仕上げ方が半端ない
正直横浜公演で初めて見た時は曲は似合ってるなとは思ったが、ちょっとまだ板についていない感じで数年後にパフォーマンスレベルがガッツリ上がってからもう一度見たいかなという感想だった

しかしそこから成長速度がエグかった
神戸夜公演では完全に曲を自分のものとしており、歌詞で描かれている戦う顔をした強くあろうとする女がそこにいた
2週間ないくらいでここまで仕上げてきたのは恐れ入った

また曲外の振る舞い方もかなりベストに近かったと思う
具体的には

  • 『愛のうた』涙で歌えなくなるいおちゃんを優しく抱きしめる
  • MC中にオズワルドさんがM-1決勝進出と知り、誰よりも跳びはねて喜び号泣してるのに率先して報告
  • 横浜公演ではオズワルドさんの「加入後いろいろあった」というなかなかのぶっ込みも笑ってかわす
  • 神戸公演ではみくちゃんにですよ。さんのネタをぶっこむ。需要をわかってらっしゃる。
  • 何よりも人懐っこい笑顔

全体的におかひな一番の武器であるいいやつ感が出てて、めちゃくちゃ魅力的だった
加入当初に印象悪くしちゃった人でも割と見直したとかあるんじゃないかな

④芽生え始めた乃木坂らしさ

スター誕生ライブは、テーマを見出すのでは泣けるパフォーマンスを楽しむこと中心のライブ
4期のときの経験からそう思ってた
また横浜公演を見てもなお、テーマなきライブだと思い込んでいた

しかし終わってみればきちんとテーマがあったように思う
それは「乃木坂らしさの形成」なのではないか
基本的に乃木坂のストーリーは普通の女の子が仲間と出会って困難を乗り越え強くなっていくストーリーだと考えている
その育成の場として一人一人のパフォーマンスが見られる「乃木坂スター誕生」の番組、そしてライブはうってつけだったように思う

しかもこれは結果論ではなく、多分意図されたものだと予想する
というのもhuluの限定映像で「5期生の挑戦」としてドキュメンタリー的なものが公開されているのだ
裏側を見られるようにしておくことで、よりわかりやすく5期が乃木坂になっていく様子を記録しているのだ

そしてこれは従来はプリンシパルでやっていたことのように思う
5期生にとって「乃木坂スター誕生」は、プリンシパルの代替なのではないか
(現に今まで彼女たちがプリンシパルをやる様子はない)
なおこのメリットデメリットは複雑でどちらが良いのかという議論は非常に難しい
本題からも逸れる上に長くなるので近いうちに別記事として取り上げたい

プリンシパルの代替としてスター誕生を捉えると、それなりに納得できることもある
私は横浜公演の考察記事でかなりシビアな構成だなと感想を述べていた
具体的には各メンバーのソロメドレーでほぼすべての曲がミディアムバラードなので、パフォーマンスがもろに出てしまったところに顕著に感じられる
そもそもスター誕生ライブ自体がパフォーマンスを楽しむ側面が強いので、経験年数がもろに出るのだ(4期生の時に先輩ゲストがめっちゃ目立っていたように)
入って1年に満たない5期生にとっては厳しいだろうなあと思っていたが、これはプリンシパルの代わりに彼女たちに与えられた苦難だと考えれば割と納得いく

それでは彼女たちは苦難を乗り越え、仲間を得ることができたか
私はかなり成功した方だと言って良いのではないかと思う
乃木坂らしさが垣間見えた印象的なシーンを挙げていきたい

  • のどの不調で『愛のうた』をうまく歌えなかったと涙ぐむまおちゃんにかけよるおかひな
  • やはり『Story』の「今私が笑えるのは 一緒に泣いてくれた キミがいたから」の歌詞でメンバーのところをふと見る井上和
  • アンコールでまさかのアルノの涙。そんなキャラじゃないと思ってた。
  • なおまおの『Best Friend』。多くを語るまでもなく涙すら流れた。

そしておそらく一番乃木坂らしい曲である『きっかけ』
全4公演で歌っており、横浜公演時点ではみんな歌上手いなとは思ったものの正直板についていない感じがしていた
それでもスター誕生ライブ4公演の千秋楽ではすっと歌詞が入ってきてちょっと感動した
これこそ彼女たちに乃木坂らしさが芽生え始めた何よりの証拠なのではないか

とはいえ飛鳥ちゃんも言っていたように、5期生はかなりアクの強い集団でもある
これからも彼女たちが乃木坂とどのような化学反応を起こし、5期生がどのような集団となるのか引き続き追っていきたい

⑤一ノ瀬美空について

本論は終了したが、一番荒れそうなので最後に持ってきた

テーマがあるとは言いつつも、スター誕生ライブは基本的にはパフォーマンスを楽しむライブだと思う
それでもパフォーマンスレベルとか無視して、さらに個人的な好みがガッツリ入っているとも思うが、スター誕生ライブを通じて一番心を掴まれたのはみくちゃんだった

お披露目動画から可愛いなと思っていたし、スター誕生の番組でもおちゃらけた姿は面白く気になってはいた
もちろん4公演通じてひょうきんな側面は随所に現れていたのだが、ライブでは全く別の側面が見えた

この子のパフォーマンス、めちゃ儚い雰囲気を感じるのだ
うるうるしながら歌っていた横浜公演『プラネタリウム』や神戸夜公演の『最後の雨』での涙を見ると引き込まれるし応援でパワー送りたくなった

私は乃木坂センターに一番必要な要素は、支えたくなる感じだと思っている
そしてこれを今一番持っているのはみくちゃんだと思う
よくさゆりんごさんや真夏さんの再来として捉えられることが多い彼女だが、それだけでなく彼女は西野七瀬にもなれる逸材だと思う

そこで、、だ。。
この子がネタキャラに染まり切る前に一度センターやらせた方がいいと思う
(もちろんスペック高い子なのでネタキャラもできるだろうけど、もったいない気もする。)

なんなら32ndシングルセンターでもいいくらいだと思う
流石にここまで言い切ると反対多数だと思うが、少しでも要素を汲んでくれると嬉しい。

それでも個人的には彼女にセンター性を見出せたことが今ライブの最大の収穫と言わざるを得ない
そのくらい彼女に魅せられたのは私だけだろうか

考察:新・乃木坂スター誕生!LIVE (横浜公演)2022/12/5-12/6

1.全体の感想

以下記事の4期生の時同様、やはりスター誕生ライブはめちゃくちゃ盛り上がる良いライブだった
・考察:乃木坂スター誕生!LIVE (昼・夜公演)2022/6/26
今回は番組企画ということで考察要素少なめではあるが、2日間通じて気になったポイントを振り返っていきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
両日公演とも第一部で『新・乃木坂スター誕生!』内でカバーした人気曲、第二部で乃木坂の曲をパフォーマンスする構成だった

個人的には第一部でオズワルドの二人がいる横浜初日で『君に幸あれ』、神戸初日に回るであろう『Ride on time』(Maxの方)、花屋の店員さんをイメージした(?)『あなたに会えてよかった』、てれぱんがノリノリで歌う『ハレ晴レユカイ』とかも見たかったな

3.振り返りポイント

①歌にフォーカスが当たったライブ

第二部は基本的に普通のミニライブなので特筆すべきは第一部だろう
やはりこのライブの一番の特徴は「個々の歌にフォーカスがあたっていたこと」だと思う
全体ライブでは難しい個々のパフォーマンスを見られたのは本当に良かったし、それぞれソロパート中心に見応えがあった

  • いおちゃん…『糸』『飛行機雲』とバラードを堂々と歌い上げる姿は透明感の塊だった。
  • てれぱん…『タイムマシンにおねがい』『ルージュの伝言』と独特の存在感は流石。癖になる。
  • みくちゃん…『プラネタリウム』頑張った。ネタキャラになりつつあるけど、パフォーマンス見ると思わず支えたくなるしセンターになりうる素質も十分だと思う。
  • なぎさん…スーパースター。言うまでもなく素晴らしかった。詳細は別章で後述。
  • おかひな…『世界中の誰よりきっと』で見せた人懐っこい笑顔はアイドルとしての素質を感じた。『VALENTI』も似合っていたし、格好良かった。経験を積んだ数年後にもう一度見たい気がする。
  • あーや…ほかメンバーに隠れがちだけど、想像以上にダンスも歌も実力派。『時をかける少女』で見せた抜群の透明感に惚れた。『真夜中のドア〜stay with me』で見せた大人っぽい表情にはドキッとすらした。5年後に乃木坂のセンターになって天下を取ってほしい。
  • いろはちゃん…『純愛ラプソディ』で見せた力強い歌声と優しい表情は魅力的。
  • さくたん…『赤いスイートピー』もそうなんだけど、特に第二部で存在感があった。詳細は別章で後述。
  • 小吉…『慟哭』の力強さは期待以上。彼女も第二部で存在感があったと思う。詳細は別章で後述。
  • なおちゃん…『ありがとう』涙浮かべつつもよく歌い切った。二日目の『元気を出して』では涙なく成長を感じた。
  • アルノちゃん…『ここでキスして。』『First Love』など雰囲気ある曲を歌わせたらやっぱりナンバーワン。

また乃木坂には多くない、馬鹿みたいに景気が良い曲(『EZ DO DANCE』『Sunny Day Sunday』あたりを想定)ができるのはこのライブの強みだと思う
特に『お願いマッスル』は思わず声を出したくなってしまうほどだった
コールが解禁されていればなあ…

②スペシャルゲスト~プロアーティストの存在感

スター誕生ライブといえばスペシャルすぎるゲストが定番だが、今回もすごかった。
YU-KIさんが歌う楽曲はとにかく力強くて、やはり『EZ DO DANCE』の盛り上がり方は群を抜いていたように思う。
アリーナの熱狂が感じられ、スター誕生ライブはやはり生で見るのが最高だと思った。

2日目は残念ながら生では見られなかったが、一流のアカペラが聴けるのは本当に羨ましい。
画面越しでも楽器なしの張り詰めた空気とそれを包み込むようなあたたかな歌声は感じられた。

③シビアな構成

一方でよく見るとシビアな構成にも思えた
先述の通りこのライブはパフォーマンスに焦点を当てたライブである
そのため4期生のスター誕生ライブの際にも特に先輩メンバーが目立っていたように、経験がかなりものをいうライブだと思う

それゆえに大前提として経験の少ない5期生にはかなり厳しいライブだったと思う
それでもこんなに満足感あるライブに仕立て上げた5期生は流石なのだが、ややメンバー間のパフォーマンスに差が見られたように思う
しかも各メンバーのソロメドレーでほぼすべての曲がミディアムバラードなので、パフォーマンスがもろに出てしまったのではないか
(緩急をつけることができたのは『ルージュの伝言』と2日目の『VALENTI』か。しかもその2曲連続してたという…。特に小吉だから何とか乗り切れたものの、圧倒的存在感のアルノの後は本当にやりにくいと思う。)
4期生の時には『ラムのラブソング』など盛り上がる曲もあったと思うので、もう少しバラエティに富んだ構成とした方が、優しい構成だったんじゃないかな

④井上和について

見る前から素晴らしいのは分かっていたことではあるが、井上和のパフォーマンスは思っていた以上に素晴らしかった
歌がうまいのはもちろんなのだが、本格派の『残酷な天使のテーゼ』からネタ曲『お願いマッスル』まで表情の一つ一つが完成されているのだ

しかもただうまいのではなく垣間見える人柄も本当に素敵だと思う
2日目の『Sunny Day Sunday』で歌詞が飛んだので一瞬涙目になったものの、健気に立て直す姿は全ファンが応援したくなったのではないか
そしてそこから立て直して明るい曲をやり切り、曲終わりに照れ隠しでクシャっと笑うリバウンドメンタリティはアイドル一年目とは思えない
さらに鳥肌ものだったのが1日目の『Story』
「今私が笑えるのは 一緒に泣いてくれた キミがいたから」の歌詞でメンバのところをふと見たのはアツかった

この人に乃木坂を引っ張っていってもらいたい、この人がいれば乃木坂もまだまだ天下をとれるのではないか、そんなことすら感じさせるパフォーマンスだった

⑤川﨑桜と菅原咲月~「静」と「動」のパフォーマンス

第二部のパフォーマンスで特に印象的だったのがこの二人である
しかし川﨑桜と菅原咲月のパフォーマンスは実に対照的だと思う

『17分間』のパフォーマンスを見て思ったのだが、さくたんの周りだけなぜか時間軸が歪んだかのようにゆっくり見えるときがあるのだ
その瞬間のさくたんの表情は一晩明けても脳裏に焼き付いている
この特殊能力はメリットデメリットとも大きいが、一列目のセンターであれば一人ゆっくりにみえても違和感がない
そういう意味で彼女は本当にセンター向きだと思う

このさくたんのパフォーマンスを「静」のパフォーマンスとするのであれば、さっちゃんのパフォーマンスは「動」のパフォーマンスだろう
『乃木坂工事中』の内輪ウケものまね大賞でもおかひなに頭の動きを真似されていたが、一つ一つの動きがうるさいのだ(もちろんいい意味で)
こういうメンバーはセンターにたつのもそれはそれでよいが、端から見切れるのがとても印象に残る
(ほかメンバーでいうと、りりあとかも似たタイプ)
さっちゃんのファンの人は望まないかもしれないけど、こういった二列目のセンターから少し外れたあたりにいるとカメラに見切れることも多くてとっても魅力的に見えると思うんだよな

⑥物販について

唯一不満が残ったのが物販である
具体的にはメンバー個別のマフラータオルがあったほうが良かったように思う
5期生のみのライブは初なんだから個別タオル持っている人は多くないだろうし、僕含めあったら買っていた人は多いのではないか

あんなにタオルを掲げる人が少ない『裸足でSummer』は初めて見たよ…
ちょっとメンバーが見ても酷だろうなあと思ったし、そういった意味でも物販にあったほうが良かったかと

⑦5期生とアラサー・アラフォー世代

意図的か偶然かわからないが、5期生はアラサー・アラフォー世代にかなりハマる売り方をしているように思う

4期生が出ていた『乃木坂スター誕生!』はもともと歌謡曲を中心に据えた構成だった
後半にはやや最近の楽曲を取り上げることもあったが、平成より昭和の楽曲が多かったように思う
一方で『新・乃木坂スター誕生!』では平成の楽曲が、2000年代の楽曲も少なくなかった
アラフォーはずばり世代であり、アラサー世代にも耳なじみがある楽曲が多く番組に取り上げられていたのである
実際に初日ライブ会場で隣の席のアラフォーとおぼしきおじさんが、自分の世代の楽曲だからかかなり盛り上がっていた

また5期生楽曲は『バンドエイドを剝がすような別れ方』や『17分間』など、今までの乃木坂にはない曲調の楽曲となっている
というか2010年ごろのAKB48の楽曲にかなりに近いと思う
『17分間』なんて曲調や歌詞にあの頃の懐かしさを思い出して、思わずコールではなくミックスを打ちたい気分になったくらいだ

もし偶然テレビをつけたら自分たちの世代の曲が歌われていて、そのアイドルの曲を調べたらかつてハマったアイドルに似たキラキラ感のある楽曲を歌っていたら…
かつてAKBにはまった人たちが5期生にはまっていくストーリーが描けるのだ

まだ意図的と判断するには早いが、アラサー・アラフォーに向けた売り出しがかなりうまくいっているように思う
もし本格的にAKB的キラキラアイドル路線を売りの一つにするとしたら、賛否両論を生みそうだが個人的にはありだと思う
乃木坂正当路線を継承した3期・ポップさやカオスさを前面に押し出した4期と明確に差別化できるし、ちょうどAKBがかなりごたついている時期なので離れた人の受け皿にもなるだろう

何より個人的にはAKBやモー娘全盛期の楽曲が「アイドルってこういうものだよね」と体に染みついているのだ
これはきっと私がアラサー世代だからに違いないのだが、同じ感性の人も少なくないのではないだろうか
(より若い世代がこれをどう判断するかがわからないが…)

『17分間』を聴いて、久々にアイドルのキラキラ感を思い出した

2022/2/23 10th Anniversary 乃木坂46時間TV スペシャルライブ

0.はじめに

皆さん、46時間プラスアフターパーティーお疲れ様でした!
ライブが衝撃すぎて消化するのに時間がかかりましたが、一晩明けて記事にまとめたいと思い筆をとっています
ライブを今回最優先でまとめますが、残りは後日書こうと思うのでよかったらそちらも読んでやってください
ちなみに現在のところ人狼考察電視台考察(その他雑談含む)を予定しています

また今回取り上げる内容は大いに荒れる可能性があるものだと思います
具体的には以下のような批判が考えられます

・グループの方向性に文句を言うな、嫌なら黙ってオタ卒しろ
・新しい取り組みを否定するな停滞につながる

先に弁解しておくが、本記事に文句・否定の意図はない
是非を述べる意見書ではなく、グループの変化の方向性を予想するエンターテイメントとして本記事は捉えていただきたい

ただし私が46時間テレビ以前に予想、もっというならば期待していた方向性から大きく外れる可能性が高いなと思っているのは事実である
それでも本当に方向性が大きく変わるのか、または変わったところで悪い方向に向かうかはまだ誰にも分からない

1.全体の感想

『Actually…』とにかく衝撃的で、それまでの45時間がすべて吹っ飛ぶレベルだった
乃木坂史上最大といってもいいほどの黒船が来たように思う
以下、ポイントを絞って振り返っていきたい

2.セットリスト

全体として王道展開だったからこそ、最後の『Actually…』の異物感が非常に際立った

M00  Overture
M01  他人のそら似
M02  おいでシャンプー

MC①(全体)

M03 キスの手裏剣
M04 三番目の風
M05 走れ!Bicycle

MC②(梅ちゃん、飛鳥、真夏さん、あやてぃー、レイちゃん、かっきー)

M06 日常
M07 口ほどにもないKISS
M08 僕は僕を好きになる
M09 ごめんねFingers crossed
M10 Sing Out!

MC③

M11 Actually…
MC④
M12 乃木坂の詩

3.振り返りポイント

①M10までの王道セットリスト

M10までは10周年らしいセットリストだった
いかにも乃木坂らしい世界観の選抜曲、ゴリゴリのダンスナンバー『日常』・一周まわって可愛らしい『口ほどにもないKISS』などバラエティにとんだアンダー曲、各世代の若き日を思い出させるような期別楽曲と王道ど真ん中な構成だった
まさかこのセットリストがこのあとのフリになっているとは…

②『Actually…』~乃木坂史上最大の問題作

乃木坂シングル史上最大の問題作
センターのアルノちゃんがクローズアップされるような構成となっており、ほかメンバーがバックダンサーのように見えた
曲調も今までの乃木坂にはない、攻撃的な感じ
存在感があるアルノちゃんにこの曲をやらせたいのはわからんではないが、それにしても異質
この前までのセットリストがザ・王道だったから、なおさら異物感が際立った

この曲を聴いたとき本能的に「乃木坂が壊れるかもしれない」という危機感を感じた
Twitterでも「乃木坂らしさ」というワードがトレンド入りするほどだったので、私だけの反応ではないと思う

以前から新世代のメンバーをセンターに迎え入れる文化が乃木坂にはあったが、これほどまでの異彩を放つことはなかった
『逃げ水』のよだももや『夜明けまで強がらなくてもいい』のさくちゃんは支えてあげたい乃木坂らしいキャラクターだったから違和感なかった
唯一『バレッタ』の堀ちゃんは多少の異物感があったが、ここまでセンター一人を際立たせる構成にはなっていなかった
それだけに今回のアルノちゃん(本人のキャラはまだわからないけど、『Actually…』の象徴としての彼女)は今までの乃木坂のイメージを完全に覆すための刺客にすら見えた

私は乃木坂はコアファンからの人気を得ており、似たようなメンバーをとることで持続していくコンテンツだと思っていた
(上記の詳細は『考察:乃木坂46は国民的アイドルなのか~楽曲とメンバー構成から考える』の記事をぜひ参照いただきたい)
それだけにイメージを根底から覆しにいく『Actually…』は私の予想と完全に真逆で、衝撃的だった

ではこのシングルで表現したように見えたものとは何か
一言でいうと「欅坂46感」だったように思う(あえて「櫻坂」ではなく「欅坂」と記載する)
いかつい曲調と歌詞、センターを中心にクローズアップするフォーメーションダンスにアルノちゃんの表現力が平手友梨奈と被るところがありこのように見えたのだろう
(あらためて平手友梨奈と比較されるとかアルノちゃんすげえな…)
Twitterでも「平手友梨奈」というワードがトレンド入りするほどだったので、こちらも決して私だけの反応ではないと思う
そして先述の通り「乃木坂らしさ」が議論されるなど、一部(というより私には大半に見えるが)ファンが望んでいた方向性とはかなり離れたものとなっているのではないかと思う

③なぜ乃木坂を壊す必要があったのか~仮説を立てて考える

ここでよりマクロな視点に立ち「なぜ乃木坂を壊す必要があったのか」をいくつか仮説をたてて考えていきたい
どれか一つだけが正しいのではなく、いくつかが混ざり合っているのではないかと思う

1.中西アルノへの惚れ込み
よく言われることだが、大なり小なりあると思う
アルノちゃん魅力的だしね
ただそれでも「本当にそれだけか?」とも思う
例えばアルノちゃんが2期生や3期生加入の時期に入ってきたとして、同じことが行われただろうか?
まいやんやななみん、なぁちゃんほか1期生が多くいるときにそんな売り出し方をするのは想像しにくいように思う

2.欅坂の亡霊を追っている
ネットでよく見る論調ではあるが、単にそれだけならば櫻坂でやる方が自然ではないだろうか?
乃木坂で行うべき必然性がこれだけだと見いだせない

3.国民的アイドルを目指すため
比較的合理的な理由として、「乃木坂が最も近いが、現在の乃木坂では成し遂げえないものを達成するため」という理由が考えられる
そのうちの一つが、先ほど紹介した記事でも考えた「国民的アイドル」という概念である

しかしこれはおそらくないと思う
上記記事では楽曲という要素についても考察しているが、少なくとも国民的アイドルが持ち合わせるようなキャッチーさが『Actually…』からは感じられない
(というより比較される「欅坂46」についても基本は別路線のカルトコンテンツだと認識している。このアイドル史観は別途考察記事としてまとめたい。)

もうひとつ国民的アイドルの持つ要素として「メンバー構成の多様化」を挙げているが、こればかりは5期生のキャラクターがわからないので何とも言えない
強いて言えば井上和ちゃんとかは、今までの乃木坂にいないタイプの見た目だなとは思

4.海外進出の可能性
「乃木坂が最も近いが、現在の乃木坂では成し遂げえないもの」でもう一つ思いついたのがこれである
古くはAKB48、乃木坂も2017年ごろに目指していたが成功したとは言いがたいのが海外進出である

こちらの記事をはじめ一般に良く言われることだが、海外で売れるためにはパフォーマンスがハイレベルであることが求められる
定量的評価は難しいが、言語が通じないためパフォーマンスで分かりやすく魅せる必要があるというのは妥当だろう

一方で乃木坂の武器を振り返るとパフォーマンスというのは決してレベルが高いとは言えないらしい
(私はパフォーマンスに無頓着なので、一般にそういわれるよね程度しか実感はない)
さらに秋元系アイドル(特に乃木坂)が得意とする、ハイコンテクストな文脈が生み出す感動は言語が違う消費者がそこまでたどり着くのは難しいように思う

しかし今からパフォーマンスのレベルを上げるにしても、韓国アイドルとキレキレダンスでバチバチに戦うのは難しい
そこで世界の市場の空白を突くための武器が、欅坂で行われていたようなフォーメーションダンスだったのではないか

しかし「なぜ櫻坂ではなく乃木坂で海外進出を狙うのか」という疑問がそれでも残る
その回答については「日本のNo.1アイドル」という箔が必要だったのではないかと推測する
本当にこの予想が正しければ運営はかつての欅坂と同じ方法でテコ入れしていくだろう
その場合似たコンセプトの櫻坂46が見捨てられたような形となるのだが…

5.割とうまくいってたけど、単に乃木坂を運営するのに飽きた
1~4それぞれ考えてきたが、実は一番の主因ってこんなところなのではないだろうか
現在の乃木坂は似たようなメンバーを入れて、一部の熱狂的なファン層が離れずに応援し続けるいわば「完成されたコンテンツ」になっていると思う
よく言えば「手がかからない」が、運営する立場からすれば「面白くない」とも見えるかと思う

そこに明らかな異分子がいたから試しにぶつけてみようといった感じなのではないか
(こちらのベストアルバム特典映像考察の記事でも記載しているが、トライ&エラーは乃木坂でも行われたいわばよくある手法である)
かなり雑だなとは思うが、『バレッタ』のときのような化学反応に期待したい
またその時とは違ってバランサーとなる余裕がある1・2期がいるのもどう作用するのだろうか
29枚目はひたすら過激な方に振ったが、多少なじんでくるであろう30枚目以降どのような変化が起きるのか引き続き見ていきたい

④中西アルノについて

冒頭にも述べた通り、私は今回の記事で何かを否定したり文句を言う意図はない
特にアルノちゃんには何らマイナスな感情がないことは重ねて申し上げたい

そもそも『Actually…』だけの印象でアルノちゃんのことを語るのはややナンセンスだと思う
実は私は5期生お見立て会に現地参戦していたのだが、お見送りに当たったメンバーがアルノちゃんだったのである
事前映像でもかなりクールそうな印象だったが、お見送りの時に見せた人懐っこい笑顔はいい意味でずいぶんギャップがあった

こんな調子できっと我々がまだ見ていない側面が彼女にはたくさんあるのだろう
従って私は『Actually…』だけの印象で彼女を判断したくはない
乃木中とかに出てくるのも楽しみだな

4.少しだけ私見

ここからは完全に考察ではなく私見である
私のような考察マニアにとっては、久々に考察しがいのある骨太なテーマで本当にぞくぞくした
一方で乃木坂に共感しそのアイデンティティに惚れた私は、もしかすると乃木坂が完全に壊れてしまうのではないかという不安を持っていたりもする
いずれにせよまだ何もわからないというのが本音なので、引き続き注目していきたい