2022/2/23 10th Anniversary 乃木坂46時間TV スペシャルライブ

0.はじめに

皆さん、46時間プラスアフターパーティーお疲れ様でした!
ライブが衝撃すぎて消化するのに時間がかかりましたが、一晩明けて記事にまとめたいと思い筆をとっています
ライブを今回最優先でまとめますが、残りは後日書こうと思うのでよかったらそちらも読んでやってください
ちなみに現在のところ人狼考察電視台考察(その他雑談含む)を予定しています

また今回取り上げる内容は大いに荒れる可能性があるものだと思います
具体的には以下のような批判が考えられます

・グループの方向性に文句を言うな、嫌なら黙ってオタ卒しろ
・新しい取り組みを否定するな停滞につながる

先に弁解しておくが、本記事に文句・否定の意図はない
是非を述べる意見書ではなく、グループの変化の方向性を予想するエンターテイメントとして本記事は捉えていただきたい

ただし私が46時間テレビ以前に予想、もっというならば期待していた方向性から大きく外れる可能性が高いなと思っているのは事実である
それでも本当に方向性が大きく変わるのか、または変わったところで悪い方向に向かうかはまだ誰にも分からない

1.全体の感想

『Actually…』とにかく衝撃的で、それまでの45時間がすべて吹っ飛ぶレベルだった
乃木坂史上最大といってもいいほどの黒船が来たように思う
以下、ポイントを絞って振り返っていきたい

2.セットリスト

全体として王道展開だったからこそ、最後の『Actually…』の異物感が非常に際立った

M00  Overture
M01  他人のそら似
M02  おいでシャンプー

MC①(全体)

M03 キスの手裏剣
M04 三番目の風
M05 走れ!Bicycle

MC②(梅ちゃん、飛鳥、真夏さん、あやてぃー、レイちゃん、かっきー)

M06 日常
M07 口ほどにもないKISS
M08 僕は僕を好きになる
M09 ごめんねFingers crossed
M10 Sing Out!

MC③

M11 Actually…
MC④
M12 乃木坂の詩

3.振り返りポイント

①M10までの王道セットリスト

M10までは10周年らしいセットリストだった
いかにも乃木坂らしい世界観の選抜曲、ゴリゴリのダンスナンバー『日常』・一周まわって可愛らしい『口ほどにもないKISS』などバラエティにとんだアンダー曲、各世代の若き日を思い出させるような期別楽曲と王道ど真ん中な構成だった
まさかこのセットリストがこのあとのフリになっているとは…

②『Actually…』~乃木坂史上最大の問題作

乃木坂シングル史上最大の問題作
センターのアルノちゃんがクローズアップされるような構成となっており、ほかメンバーがバックダンサーのように見えた
曲調も今までの乃木坂にはない、攻撃的な感じ
存在感があるアルノちゃんにこの曲をやらせたいのはわからんではないが、それにしても異質
この前までのセットリストがザ・王道だったから、なおさら異物感が際立った

この曲を聴いたとき本能的に「乃木坂が壊れるかもしれない」という危機感を感じた
Twitterでも「乃木坂らしさ」というワードがトレンド入りするほどだったので、私だけの反応ではないと思う

以前から新世代のメンバーをセンターに迎え入れる文化が乃木坂にはあったが、これほどまでの異彩を放つことはなかった
『逃げ水』のよだももや『夜明けまで強がらなくてもいい』のさくちゃんは支えてあげたい乃木坂らしいキャラクターだったから違和感なかった
唯一『バレッタ』の堀ちゃんは多少の異物感があったが、ここまでセンター一人を際立たせる構成にはなっていなかった
それだけに今回のアルノちゃん(本人のキャラはまだわからないけど、『Actually…』の象徴としての彼女)は今までの乃木坂のイメージを完全に覆すための刺客にすら見えた

私は乃木坂はコアファンからの人気を得ており、似たようなメンバーをとることで持続していくコンテンツだと思っていた
(上記の詳細は『考察:乃木坂46は国民的アイドルなのか~楽曲とメンバー構成から考える』の記事をぜひ参照いただきたい)
それだけにイメージを根底から覆しにいく『Actually…』は私の予想と完全に真逆で、衝撃的だった

ではこのシングルで表現したように見えたものとは何か
一言でいうと「欅坂46感」だったように思う(あえて「櫻坂」ではなく「欅坂」と記載する)
いかつい曲調と歌詞、センターを中心にクローズアップするフォーメーションダンスにアルノちゃんの表現力が平手友梨奈と被るところがありこのように見えたのだろう
(あらためて平手友梨奈と比較されるとかアルノちゃんすげえな…)
Twitterでも「平手友梨奈」というワードがトレンド入りするほどだったので、こちらも決して私だけの反応ではないと思う
そして先述の通り「乃木坂らしさ」が議論されるなど、一部(というより私には大半に見えるが)ファンが望んでいた方向性とはかなり離れたものとなっているのではないかと思う

③なぜ乃木坂を壊す必要があったのか~仮説を立てて考える

ここでよりマクロな視点に立ち「なぜ乃木坂を壊す必要があったのか」をいくつか仮説をたてて考えていきたい
どれか一つだけが正しいのではなく、いくつかが混ざり合っているのではないかと思う

1.中西アルノへの惚れ込み
よく言われることだが、大なり小なりあると思う
アルノちゃん魅力的だしね
ただそれでも「本当にそれだけか?」とも思う
例えばアルノちゃんが2期生や3期生加入の時期に入ってきたとして、同じことが行われただろうか?
まいやんやななみん、なぁちゃんほか1期生が多くいるときにそんな売り出し方をするのは想像しにくいように思う

2.欅坂の亡霊を追っている
ネットでよく見る論調ではあるが、単にそれだけならば櫻坂でやる方が自然ではないだろうか?
乃木坂で行うべき必然性がこれだけだと見いだせない

3.国民的アイドルを目指すため
比較的合理的な理由として、「乃木坂が最も近いが、現在の乃木坂では成し遂げえないものを達成するため」という理由が考えられる
そのうちの一つが、先ほど紹介した記事でも考えた「国民的アイドル」という概念である

しかしこれはおそらくないと思う
上記記事では楽曲という要素についても考察しているが、少なくとも国民的アイドルが持ち合わせるようなキャッチーさが『Actually…』からは感じられない
(というより比較される「欅坂46」についても基本は別路線のカルトコンテンツだと認識している。このアイドル史観は別途考察記事としてまとめたい。)

もうひとつ国民的アイドルの持つ要素として「メンバー構成の多様化」を挙げているが、こればかりは5期生のキャラクターがわからないので何とも言えない
強いて言えば井上和ちゃんとかは、今までの乃木坂にいないタイプの見た目だなとは思

4.海外進出の可能性
「乃木坂が最も近いが、現在の乃木坂では成し遂げえないもの」でもう一つ思いついたのがこれである
古くはAKB48、乃木坂も2017年ごろに目指していたが成功したとは言いがたいのが海外進出である

こちらの記事をはじめ一般に良く言われることだが、海外で売れるためにはパフォーマンスがハイレベルであることが求められる
定量的評価は難しいが、言語が通じないためパフォーマンスで分かりやすく魅せる必要があるというのは妥当だろう

一方で乃木坂の武器を振り返るとパフォーマンスというのは決してレベルが高いとは言えないらしい
(私はパフォーマンスに無頓着なので、一般にそういわれるよね程度しか実感はない)
さらに秋元系アイドル(特に乃木坂)が得意とする、ハイコンテクストな文脈が生み出す感動は言語が違う消費者がそこまでたどり着くのは難しいように思う

しかし今からパフォーマンスのレベルを上げるにしても、韓国アイドルとキレキレダンスでバチバチに戦うのは難しい
そこで世界の市場の空白を突くための武器が、欅坂で行われていたようなフォーメーションダンスだったのではないか

しかし「なぜ櫻坂ではなく乃木坂で海外進出を狙うのか」という疑問がそれでも残る
その回答については「日本のNo.1アイドル」という箔が必要だったのではないかと推測する
本当にこの予想が正しければ運営はかつての欅坂と同じ方法でテコ入れしていくだろう
その場合似たコンセプトの櫻坂46が見捨てられたような形となるのだが…

5.割とうまくいってたけど、単に乃木坂を運営するのに飽きた
1~4それぞれ考えてきたが、実は一番の主因ってこんなところなのではないだろうか
現在の乃木坂は似たようなメンバーを入れて、一部の熱狂的なファン層が離れずに応援し続けるいわば「完成されたコンテンツ」になっていると思う
よく言えば「手がかからない」が、運営する立場からすれば「面白くない」とも見えるかと思う

そこに明らかな異分子がいたから試しにぶつけてみようといった感じなのではないか
(こちらのベストアルバム特典映像考察の記事でも記載しているが、トライ&エラーは乃木坂でも行われたいわばよくある手法である)
かなり雑だなとは思うが、『バレッタ』のときのような化学反応に期待したい
またその時とは違ってバランサーとなる余裕がある1・2期がいるのもどう作用するのだろうか
29枚目はひたすら過激な方に振ったが、多少なじんでくるであろう30枚目以降どのような変化が起きるのか引き続き見ていきたい

④中西アルノについて

冒頭にも述べた通り、私は今回の記事で何かを否定したり文句を言う意図はない
特にアルノちゃんには何らマイナスな感情がないことは重ねて申し上げたい

そもそも『Actually…』だけの印象でアルノちゃんのことを語るのはややナンセンスだと思う
実は私は5期生お見立て会に現地参戦していたのだが、お見送りに当たったメンバーがアルノちゃんだったのである
事前映像でもかなりクールそうな印象だったが、お見送りの時に見せた人懐っこい笑顔はいい意味でずいぶんギャップがあった

こんな調子できっと我々がまだ見ていない側面が彼女にはたくさんあるのだろう
従って私は『Actually…』だけの印象で彼女を判断したくはない
乃木中とかに出てくるのも楽しみだな

4.少しだけ私見

ここからは完全に考察ではなく私見である
私のような考察マニアにとっては、久々に考察しがいのある骨太なテーマで本当にぞくぞくした
一方で乃木坂に共感しそのアイデンティティに惚れた私は、もしかすると乃木坂が完全に壊れてしまうのではないかという不安を持っていたりもする
いずれにせよまだ何もわからないというのが本音なので、引き続き注目していきたい

2022/2/12 乃木坂46 星野みなみ卒業セレモニー

0.はじめに

みなみちゃん、卒業おめでとう!
そして10年間ありがとう
生生星としての華々しいデビューから、一度選抜落ちを経験し可愛いの天才として再度選抜に戻ってきた本当にタフな乃木坂人生だったと思います
今後のみなみちゃんが幸せでありますように

1.全体の感想

奇をてらわず、オーソドックスな卒業コンサートだったと思う
おおむねファンが望んでいる展開だったんじゃないかな
以下、ポイントを絞って振り返っていきたい

2.セットリスト

こちらサイトをご参照ください
『ここじゃないどこか』をやらないのは意外だったけど、ほかは期待通りだったと思う

3.振り返りポイント

①見たいものが見れた構成

先述の通りかなりオーソドックスな構成で多くのファンが見たいポイントを押さえていたと思う
例えば『ロマンティックいか焼き』は葉月ちゃんが乃木中で「みなみさんとペアで踊りたい」と言ってからいつかは見たいと誰しもが思っていたと思う
また当然葉月ちゃんとのペア曲『無口なライオン』もエモかった

なかでも一番のハイライトは飛鳥ちゃんとの『制服を脱いでサヨナラを…』だろう
結成当初次世代と呼ばれた二人がその次の世代にバトンを渡すさまは一時代の終わりを感じた
それにあまり感情を二人がこらえきれず泣き出してしまうのは感動だった

あとみなみちゃんの「いい子」感もライブ・MCともシンプルな構成ゆえに目立ったと思う
みなみちゃんが優しいねと言われた問いに「みんなが優しかったから優しくなれた」と言っていたのは、とても乃木坂らしくて印象的だった

②タフな乃木坂人生

ほかに印象に残ったのは、案外タフな乃木坂人生だったように思う
(お姉さんたちに甘やかされている印象も強かったので尚更)

アンコールのMCでも言っていたが、生生星として「天才・生田」「主人公・生駒」とともにフロントに立つのはなかなか厳しいと思う
おそらく年齢が近いメンバーの中から抜擢されたのだろうが、可愛い一本槍だったこともありこの二人と比べるとそりゃ劣等感にさいなまれるよなあと…
それだけでなく『バレッタ』では選抜落ちも経験し、これで腐らなかったのは普通にすごいと思う

③正直な感想

ただオーソドックスであるからこそ、予想を超えてこなかったのもまた事実である
賛否両論あるとおもうが、演出やセトリの考察を趣味とする私としてはやや不完全燃焼だった
特に先日のまいちゅんのセレモニーがかなり個性的なものだったために、悪く言えばありきたり感がいっそう目立ってしまったように思う…

多少変わった演出としてはみなみちゃんクイズがあったが、意図があるようには思えないんだよな…
本来あまり考察などせずに、ただみなみちゃんの可愛さを味わって終わるべきライブだったのかもしれない
ただ「可愛いの天才」という側面もそこまでフォーカスされなかったので、もう少しやりようはなかったのだろうか…

2022/2/10 乃木坂46 新内眞衣卒業セレモニー

0.はじめに

新内さん、卒業おめでとうございます
毎週水曜日に流れるあなたのくだらない話が、その落ち着いた声が、なによりもその人柄がどれだけ僕らを救ってくれたことでしょうか
確実にあなたのお話が生活のオアシスになっていました
まずは本当にお疲れ様でした

1.全体の感想

一言で表すのであれば「乃木坂46 新内眞衣のオールナイトニッポン 実写版」とでもいうべき、新内さんらしさ全開の2時間だった
ANNで培った新内さん最大の武器である「トーク」を存分に楽しめる構成は攻めてて、個人的にはとても良かったと思う
卒業「コンサート」ではなく「セレモニー」なのも納得である
以下、ポイントを絞って振り返っていきたい

2.セットリスト

曲数少なめ、トークメインの大胆なセットリストだった
またそれぞれの選曲理由を自分の口で語っていたのもラジオ感満載だった

M00  Overture
M01  生まれたままで
 新内さん初の参加曲

MC①(まいちゅん・飛鳥・みなみ)

M02  トキトキメキメキ
 新内さんをはじめ先輩メンバーがやたら踊っている3期生曲
M03 Out of the blue
 乃木中企画「2期生ハウス」で踊った思い出の4期生曲

MC②(まいちゅん・久保ちゃん・たまちゃん・せいら・かっきー)
MC③(乃木坂46のオールナイトニッポンpresents 新内眞衣 妄想結婚式)

M04 インフルエンサー
 「結婚式の余興で全力でインフルエンサー踊ってほしい」という新婦たっての希望のため
M05 ハルジオンが咲く頃
 まいまいとの思い出の一曲
M06 日常
 ANNでの定番ネタ。きいちゃんがくると必ずかけて踊っていた。
M07 太陽ノック
 まいちゅん初選抜曲

アンコール
MC④(まいちゅん一人語り)
M08 あなたからの卒業
 まいちゅん最初で最後のソロ曲
M09 サヨナラの意味
 まいちゅん選抜復帰の曲
MC⑤(梅からの手紙)
M10 ゆっくりと咲く花
 二期生を代表する曲

3.振り返りポイント

①明るいセレモニー

「明るい卒コンにしたい」
数々のメンバーから聞いた言葉だが、まさにこれを地でいったセレモニーだった

「水泥棒」「やまとなでしこ」「余興でインフルエンサー」など、まずほかの人の卒コンでは考えられないワードが飛び交っていた笑
なかでもオールナイトニッポンから飛び出した名物企画「妄想結婚式」は、映像で見るとシュールすぎて…笑
MCで後輩にもバチバチにいじられていたり、まるで毎週のラジオを聴いているような感覚になった

②梅の手紙

全体としてかなり明るい雰囲気のセレモニーだったのだが、全ての真理をついたのが梅が書いた手紙だったように思う
梅ちゃんは「何かあったら、私をいじってくれてもいいからね」という言葉の裏側に、周りの人のことをいつも思う新内さんの寛大な人柄を見ていた

思えばライブ中も『Out of the blue』のあと「跳べてた?」と確認してたり、バチバチにいじられにいっていたと思う
彼女の人柄が今日のぽかぽかのセレモニーを作り上げたのだろう

③アンコールMCについて

順番としては前後するが、新内さんのアンコールMCも聞きごたえがあった
なかでも「自分をさらけ出すのが怖かった過去」の話は素直に感動した
自分の素顔をさらけ出し成長した姿で誰かを勇気づけるその語りは、「パーソナリティ」であり「アイドル」である彼女の真骨頂だったように思う

④唯一もったいないこと

ライブ後はラジオでの裏話トークが鉄板だが、来週水曜日新内さんの口から聞くことはもうできないんだよな…
とても良いライブだったのだが、唯一にして最大のもったいないことだと思う
近い未来に卒業セレモニーについて、ラジオで聞けることを願って筆をおく

⑤2023/1/15追記:伏線回収

唯一もったいなかったこととして、新内さんのラジオが終わってしまったためその口からセレモニーのことを聴くことができなかったことを挙げていた
しかし2023/1/14に「新内眞衣のオールナイトニッポンPremium」でなんとセレモニーについて触れており、まさか一年越しに伏線が回収されるとは…
今ならまだタイムフリーで間に合うので、乃木坂ファンは是非聞いてみてください

10th Anniversary Documentary Movie『10年の歩み』

0.はじめに

いつものライブ考察とは異なるが、『Time flies』の特典映像であるドキュメンタリー『10年の歩み』が興味深いものであった。
やや発売から見るまでに時間がかかってしまったが、考察する価値がある作品かと思うので本サイトでも取り上げたい。

1.10年の歩み~他ドキュメンタリーとの比較から

『10年の歩み』、そのタイトルがまさにぴったりだったように思う。
結成から一年単位で振り返っていく構成になっており、10年歩んできたことがしっかりと感じられる構成だったように思う。
またアルバムの特典映像だから当たり前かもしれないが、記録映像としての側面を強く感じた。
素人の女の子がアイドルとして坂道を上るまでを描いた『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』、トップアイドルの苦悩と喜びを描いた『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』と比べ、かなり淡々と主観を交えずに展開されていた。
逆に言えば、ファンそれぞれが本人の記憶を交え懐かしむのが本作の王道の楽しみ方だろう。
例えば堀ちゃん推しの私はバレッタ期間の初々しい堀ちゃんを見て、乃木坂の世界で育った美しい蝶が芸能界にはばたく画を思い起こして勝手に泣いていた…。
そんなファンだからこそ楽しめる、特典映像らしい作品だったと思う。

2.選び取られなかった歴史

そんな作り手の主張が多くない記録映像ではあったが、編集が入る以上作り手の主観は介在せざるを得ない。
そこで『10年の歩み』の中でほとんど語られなかった箇所にスポットを当てたい。
これにより今の乃木坂がどのような歴史をいわば「捨ててきた」のかを振り返っていく。

①AKB48の公式ライバル

乃木坂は設立当初「AKB48の公式ライバル」という謳い文句で紹介されていた。
生駒ちゃんのAKB48兼任&総選挙参加や松井玲奈さんの乃木坂兼任など、AKB48を思い起こさせるような記録がほとんどなくなっていた。
忘れたとするにはあまりに大きい出来事なので、意図的に消したと受け取るのが正解だろう。

これが意図するところは二つあると思う。
一つ目はAKB48の人気が落ち着いてしまったことだろう。
これについては荒れそうなので、これ以上は触れないこととする。
もう一つは乃木坂46のアイデンティティが確立したからだろう。
清楚でおとなしくて引っ込み思案なんだけど、強くなろうと一生懸命で…。
そんな「乃木坂らしさ」が確立した今、他グループの名を借りる必要がなくなったというのが消された理由なのではないか。

②初期『乃木どこ』のバチバチ感

もう一つ、初期の『乃木どこ』に代表されるバチバチ感も「10年の歩み」には描かれていなかった。
今でこそ『乃木どこ』『乃木中』といえば乃木坂・バナナマンの仲の良さが伝わるほっこり感のイメージが強いが、初期は別物だったと思う。
「AKBが年一の総選挙なら、乃木坂は毎回選抜」という勢いで、メンバーが入れ替わり激しい争いが打ち出されていた。

この時期の乃木坂は立ち位置が定まっておらず、大きく2つの方法でライバルAKB48と差別化しようとしたように見える。
・過剰に競争を煽る
例:乃木どこ出演メンバーの争い、カメラ前での選抜発表、プリンシパル…
・お嬢様感
例:ゆったりとしたデビュー曲『ぐるぐるカーテン』、ロングスカートの衣装…
後者は今でもみられるが、前者はかなり薄れていったと思う
(プリンシパルのみやってるが、そんなに高頻度でもないし若手しか出ない)

乃木坂としてはイメージに反しているためこのバチバチ感の歴史は残さなかったのだろう。
ただこういった試行錯誤の結果、現在の乃木坂ができたことは書き残しておきたい。
まいやんがマヨラー星人だったように、グループ全体も試行錯誤の結果できたものなのである。

余談だが過剰に競争を煽るという手法は秋元グループでよく使う手段なのか、私にはラストアイドルの初期に復活していた。
(決してラストアイドルに詳しいわけではないので、最近は正直わからない…)
乃木坂を含むアイドル史についてもいずれ記事としてまとめたい。

2021年のおすすめライブ

はじめに

あけましておめでとうございます
年が変わる節目として、この記事では2021年のライブの中でも筆者が特によかったと思うものをランキング形式でまとめておく
今後円盤化や配信が行われた際に参考にしていただければ幸いです

第3位:12/14-12/15 乃木坂46 生田絵梨花卒業コンサート

記憶にも新しいいくちゃんの卒コンを3位とさせていただきました
久々に卒コンらしい卒コンで、いくちゃんの魅力がこれでもかとつまったライブだった
いくちゃんといえばその才能がクローズアップされがちだが、それだけでなく確かな努力の跡や素敵な人柄にも触れることができたのはうれしかった

レビュー記事についてはこちらから
Day1
https://nogi-live.yamamemo.net/ikuta-erika-graduation-day1/
Day2
https://nogi-live.yamamemo.net/ikuta-erika-graduation-day2/

第2位:5/9 乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE 3期生ライブ

2021年で最も熱いライブと感じた、バスラ3期生ライブを2位とさせていただきました
このライブを見て乃木坂らしさはきちんと受け継がれており、乃木坂もあと数年は安泰だなと思った
2016年くらいまでの、ひたすら上り坂を駆け上がるような熱量あるライブが好きだった人には特におすすめできる
そして今見ると3期が全員揃った最後のライブということで、また別のエモさもあるんだろうな…

レビュー記事についてはこちらから
https://nogi-live.yamamemo.net/9th-year-birthday-live-3/

第1位:3/28 乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE 2期生ライブ

堂々の一位はバスラ2期生ライブとさせていただきました
はじめに断っておくと、私は堀ちゃん推しなのでかなり贔屓目が入ってしまっているのは否めない
ただそれを考慮しても、乃木坂史上に残るライブだと思う

なぜここまで評価するかというと「2期生のストーリーの明確な終わり」だからだろう
1期生はエースが複数存在しどこがストーリーの終わりか明確にわからないが、2期生は良くも悪くも堀ちゃんが絶対的センターとして活動してきたためこのライブは明らかに分水嶺であった
そしてその終わりは想像以上に壮絶なものだった
是非実際に映像を見ていただきたいが、泥臭さであったり悔しさであったり様々な感情をぶつけており予想以上にエグいライブだった
2期生推しの皆さんはもちろん、それ以外の皆さんにも一度は見ていただきたい

レビュー記事についてはこちらから
https://nogi-live.yamamemo.net/9th-year-birthday-live-2/

最後に

ここに選ばれなかったものの中にもとても良いライブがあったことは念のため断っておく
2022年も10thバスラをはじめ、よりライブを楽しめるとよいな

2021/12/15 乃木坂46 生田絵梨花卒業コンサートDay2

0.はじめに

その才能に、その努力の跡に、何よりその人柄に引き込まれた卒業ライブだった
あまりにも余韻が深く、きっとしばらくはその歌声をその横顔を探してしまうだろう
10年間も乃木坂にいてくれてありがとう
生田絵梨花がいた乃木坂のファンをできたことを誇りに思います

1.全体の感想

冒頭でも触れたが、いくちゃんクオリティをこれでもかと感じられるライブだった
構成についてはDay1と共通部分もあるので、良かったらDay1の考察記事もご確認ください
今回もポイントを絞って演出を振り返っていく

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
Day1は意外性が強かったのに対し、Day2は王道感があったと思う

3.振り返りポイント

①「気を抜かず精一杯努力したいと思います」

Day1同様ライブ冒頭の映像として、初期のいくちゃんインタビューシーンが流れた
このフレーズが印象的だったが、やはりこの精神を体現したライブであった

Day1のMCでも言われていたことであるが、セットリストも前日からガラッと変わった
卒コンを2日間とも配信までするの前代未聞だなあと最初は思っていたが、これは2日とも配信しないともったいないわ

また単純に2日間の曲数だけでも、最後まで気を抜かず精一杯努力し続けたことがヒシヒシと伝わった
この選択をしたいくちゃんには本当に感謝しかない

②圧倒的なパフォーマンス

曲のレパートリーももちろんすごいのだが、パフォーマンス自体も圧巻だった
中でも印象に残った曲を紹介したい

『やさしさとは』
オリメンがいくちゃんだけとなったこの曲は、なんといくちゃん1人で歌い上げた
歌唱力が素晴らしいのはもちろん、曲の世界に引き込まれるような圧巻の表現力はアイドルのレベルをゆうに超えていたように思う

『歳月の轍』
最後のソロ曲ということもあってか、弾き語りとは思えないほど歌に魂がこもっていた
真っ白なドレスや照明演出も相まって、曲の持つ儚さが存分に感じられた
生田絵梨花にしかできない、最高のパフォーマンスだった

③人柄

パフォーマンスだけでなく、その人柄にも魅了された
期生別楽曲冒頭で後輩への想いを語るいくちゃん、卒業したお姉さんたちの名前を叫ぶいくちゃん、1期生と泣き笑ういくちゃんを好きにならない人などいるのだろうか

その中でも一つポイントを上げるなら、『ここじゃないどこか』は良かった
初期から乃木坂を引っ張ってきたみなみちゃんとペアで歌ったこの曲は、涙なしには見られなかった
「きっと君なら大丈夫」
みなみちゃんに語りかけるように優しく歌い上げたこのフレーズは、苦楽を共にした2人だからこそ響く言葉だった

④ラストシーン~階段を上って光の中へ

いくちゃんが階段を上り光の中へ消えていくラストシーンは印象的で、久々に演出に感動した
乃木坂からステップアップして輝く未来を手に入れた、彼女らしい良いラストだと思う
なお卒業ライブの退場演出は結構メンバーによって個性が表れていて興味深いので、いつかまとめてみたい

2021/12/14 乃木坂46 生田絵梨花卒業コンサートDay1

1.全体の感想

「卒業ライブなのに頑張りすぎじゃないですか?」
真夏さんのこの一言に集約されたライブだと思う
卒業ライブなのにかなりチャレンジングな構成で、改めて生田絵梨花すげえと思った
以下、ポイントを絞って振り返っていきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
普段あまり歌われない曲もあり、意外性があるセットリストに感じた

3.振り返りポイント

① 「みんなで歌ったり踊ったりすることが好きです」

ライブ冒頭の映像として、いくちゃんが乃木坂オーディションの面接を受けているシーンが流れた
自己PR内のこのフレーズが印象的だったが、まさにその精神を体現したライブだったと思う

まずとにかくいくちゃん出突っ張りだった
アンダーコーナー以外全ての楽曲いたんじゃないかな?
相当ハードだとは思うが、ファンとしてはめちゃくちゃ嬉しい

それどころか新しいチャレンジまで演出に盛り込んでいた
「私も、混ざりたい」と言って2〜4期の期別楽曲に参加したことをはじめ、『他の星から』とかもいくちゃんほとんどパフォーマンスしたことないんじゃないかな
特に『三番目の風』の間奏で3期生それぞれと11通りのペアダンスやってたのは圧巻
卒業に向けて忙しい人ができることなのかと尊敬の念を抱かずにはいられない

ほかにも表題曲でダンス中心の『命は美しい』『インフルエンサー』などにリベンジなど見応え十分だった
努力家なのは言うまでもないが、本当に踊ったり歌ったりすることが好きな人だからこんな盛り沢山な構成になるのだろう

②生田絵梨花と乃木坂らしさ

「私は乃木坂らしいと言っていただけることが多い」とMC内で語っていたが、個人的には今まで対極のように感じていた
乃木坂ってどちらかと言うと自信がなさそうな子が多いと思うのだが、いくちゃんは常に堂々と自信を持ってパフォーマンスしているように見えるからだ
今日も『歳月の轍』の歌詞多分間違えてるんだけど、堂々としすぎててアドリブで歌詞変えたのかと一瞬思ったくらい…笑

そんな彼女はアンコールのMCで自分はビビリで、周りの人に甘えて支えられてここに立てていると語っていた
こちらの福岡公演の記事にある通り乃木坂は「内気な女の子が仲間を得て強くなる」というストーリーだと思うのだが、最後の「強くなる」が極まったのが生田絵梨花なのかもしれない
謙虚さと強さを兼ね備えた彼女も乃木坂らしさの象徴の一人なのだろう

③2日間の卒業コンサート

最近は卒業メンバーが多いからかライブ終盤のみ卒業セレモニーとすることが多かったので、2日間がっつり卒業コンサートやるのは結構驚いた(もちろんとても嬉しい)

しかし今日のライブを見てたらかなり納得した
卒業ライブで新しいことにチャレンジしたり、こんなモチベーション高くて謙虚な子がいたらそりゃ「この子のために卒コン開こう」と思うよね

やはり生田絵梨花はすごい

④その他感想

以下は考察ではない雑感である

歌に詳しくはないが、いくちゃんの歌ってやっぱりすごいよね
もちろんほかにも上手い子はいるんだけど、歌に喜怒哀楽が乗っているというか表現力はかなり抜けている気がする

あとオーディションのときから「趣味:模写」とか言ってたのね…
いろんな意味で不世出の規格外アイドル、生田絵梨花の最後を明日見届けたいと思う

考察:乃木坂46は国民的アイドルなのか~楽曲とメンバー構成から考える

0.はじめに

今まで個々のライブ考察を行ってきたが、自分が乃木坂について考えていることを共有することでより分かりやすくなるのではないかと思った
そこで今後はライブに限らず、乃木坂に関するテーマを考察していく記事も書いていこうと思う
第一回は表題の通り、「乃木坂46は国民的アイドルなのか」というテーマを考察していきたい

1.序論~『乃木坂スター誕生!』最終回の衝撃

このテーマを考えた直接的きっかけは『乃木坂スター誕生!』最終回を見たことである
この回は「平成スーパーアイドルソングSP」と題して、AKB48やモーニング娘。の曲をカバーしていた
最後に歌っていた『恋愛レボリューション21』を見て、キラキラしててこれぞアイドルと思った
とても楽しい気分になると同時に、乃木坂の曲(特に世間の目に触れやすい表題曲)ではほとんど味わったことがない感覚だなと思った
そこで私は考えた
「乃木坂は国民的アイドルではないのではないか。より正確に言えば国民的アイドルを目指してもないのではないか。」と

2.前提~国民的アイドルとは

ここで前提共有のために国民的アイドルの定義を私がどのように考えているかを共有したい
下記の条件を満たすことが国民的アイドルと考えている
・オタクのみならず、一般層にメンバー&楽曲が支持されていること

3.本論~国民的アイドルの定義を当てはめると

上記を乃木坂に当てはめて考えてみたい
CD売り上げ・広告掲載数などの定量評価も考えたが外部要因(例えば握手会開催による売り上げの水増し)も大きく、どこまでが国民的アイドルなのかという線引きも難しいのでここでは定性的に考えることとする

①楽曲について

乃木坂のライトファン(表題曲をある程度知っており、選抜メンバーは顔と名前が一致するレベル)の友人に「乃木坂の代表曲を3曲あげて」と聞いてみた
『シンクロニシティ』『インフルエンサー』と挙がったが、その次が出てこないのである
体感であるが、それほど世間の意見と乖離していないように思う

ただこの結果はかなり示唆的であるように思う
つまり全国民が知っているような曲がほとんどないのである
ただそもそも全国民に受けるような曲を作る気があったのだろうか?

例えばモーニング娘。やAKB48で代表曲を3曲あげるなら、下記の通りかと思う
(若干異論はあるかもしれないが、大きく外してはいないはず)

  • モーニング娘。…『LOVEマシーン』『恋愛レボリューション21』『ザ☆ピ~ス!』
  • AKB48…『ヘビーローテーション』『ポニーテールとシュシュ』『恋するフォーチュンクッキー』

共通点としていえるのはかなりキャッチーでノリが良い曲かと思う
しかし乃木坂の表題曲でキャッチーなのは極端に少ないと思う
文句なしでキャッチーなのって『ガールズルール』『夏のFree&Easy』くらいではないか
キャッチーな曲をあまり表題曲として出していないことが、乃木坂の曲があまり世間的に認知されていない主な原因かと思う

また乃木坂工事中の中で「乃木坂ベストソング歌謡祭」というのがあった
ファンが投票形式で人気曲を選ぶ企画であったがこの結果もなかなか興味深い
1位 『サヨナラの意味』…奈々未さん卒業曲
2位 『きっかけ』…アルバム曲。東京ドーム公演をはじめ、数々のライブで感動的に演出。
単純な曲人気だけでなく、ハイコンテクストさがあるものが上位に来ている

一方でAKB48のリクエストアワーという人気曲投票ライブは、『ヘビーローテーション』が一位になるなど2010年代前半はかなり曲人気が先行していたように思う
(もしかすると最近はハイコンテクストな性格もあり…?)

まとめると乃木坂の人気曲は比較的ハイコンテクストなものが多く、前提知識がない人にはわかりにくいという点で国民的アイドルとは言い難いのではないかと思う
(もちろん文脈をわかっていればとても魅力的である)

②メンバー構成について

メンバー構成もかなり示唆的であるように思う
乃木坂のメンバーは良くも悪くも、似たような系統のメンバーが多いように感じる
清楚で、おとなしくて、ちょっと自分に自信がなくて…
もちろん個性がないわけではないが、上記はかなり多くのメンバーが持ち合わせる特徴だろう

対してAKB48は違った
黒髪清楚系からギャル系・気が強い子までいて、かなりメンバーが個性的であった
クラスで3番目に可愛い子を大量に寄せ集めただけと揶揄されることもあったが、逆に言えばにある程度可愛い子を200人集めたら誰か一人は好みに刺さる子がいるだろう

どちらが良いということはないが、目指す方向に違いがあるとは思う
AKB48はかなりメンバーごとに個性が異なるので、大抵好みのタイプが一人くらいはいてそのメンバーを応援することでファン層の拡大が見込めると思う
(余談だが、総選挙は個人を応援するという意味でとてもAKBの性質にマッチした企画だと思う)
一方、乃木坂は清楚でおとなしい子が刺さらない人には全く興味がわかないメンバー構成だと思う
しかしおとなしい子が協力し合って成長する優しい世界は統一感があり、ファンを魅了するのである
(体感だが乃木坂は箱推しが多いのも上記統一感が原因かと思う)

4.結論~乃木坂巨大カルトコンテンツ論

上記の通り乃木坂の楽曲・メンバー構成とも「より多くの人から人気を得ること」ではなく「ハマる人にとことんハマること」を目標に作られているように思える
仮に国民を3グループに分ける
①大ファン
②ライトファン(なんとなく好き程度)
③興味なし
このときに国民的アイドルは②を多くしようとするのに対し、乃木坂は②よりも①を増やすことを重視しているように見える
これは幅広い層から支持を得る国民的アイドル目指す戦略とはいいがたい

つまり一部の熱狂的なファンに支えられるカルトコンテンツという性質が強いのではないか
そのファンの人数が多いので、ぱっと見国民的アイドルに見える状況だったというのが正確なのではないか
このような巨大なカルトコンテンツはアイドルではあまり見たことがなかったが、『エヴァンゲリオン』や『水曜どうでしょう』あたりと共通する側面だと思う

逆に言えば刺さる人にはとことん刺さる戦略をとっているので、一定以上人気が落ちないのではないかと思っている
似たようなタイプのメンバーが多いので、箱推しが多くなり人気メンが卒業してもファン人気が落ちにくいのではないか
(余談だが、上記のために1期生が卒業してもライブチケットがなかなか当選しないのかなと思う…)
この世代交代論についてはかなり長くなりそうなのでまた稿を改めて書きたいと思う

最後に念を押しておくが、乃木坂が国民的アイドルではなく巨大カルトコンテンツということは決して悪いことではない
カルトコンテンツだからこそ、文脈依存でハイコンテクストな感動が生まれる
こちらの記事のように最近『他人のそら似』で痛く感動したが、歌詞も振りつけも乃木坂を知っているからこその感動だった
そもそもこのサイトのように考察ブログが立ち上がるのも、ハイコンテクストさ故だろう

2021/11/21 真夏の全国ツアー2021 FINAL!東京ドーム公演Day2~高山一実卒業セレモニー

0.はじめに

いつからか「笑顔」という言葉を聞いた時、パッと思い浮かぶのがかずみんになっていた
円陣の1フレーズの通り、沢山の笑顔をくれたかずみんのこれからに幸多いことを願って
(願うまでもなく幸せになりそうなキャラクターではあるが…)

1.全体の感想

本編は昨日同様全国ツアー締めくくり、アンコールはかずみんの暖かさに溢れた良いライブだった
いつものようにポイントを絞ってライブの構成を振り返っていきたい
また今回は久々の現地観戦でリピート配信見ていないので、詳細あやふやな部分もあるがその分臨場感を伝えられればと思う

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
昨日同様、代表曲を詰め込んだかなり豪華なセットリストだったと思う

3.振り返りポイント

①『きっかけ』

本編は昨日同様人気投票で上位だった曲を披露した後、期生別楽曲・表題曲の披露後10周年に外せない楽曲を披露していく流れだった

新たな発見があったのは『きっかけ』前のMCだった
昨日は1期2期が10年間の思いを語っていたが本日は3期4期が未来を語っており、2日合わせると乃木坂のバトンを引き継ぐ儀式のようだった
その後の『きっかけ』は一人ひとりにパートが割り振られており、それぞれの積み重ねてきた歴史やこれから担う未来が見えるようで改めて良かったなあと思う

②変化

二日間を通して真夏さんのMCにこのワードが多用されていた
卒業メンバーが多くなってきだからだろう
それでも「今の乃木坂が最高でいたい」「変化しても信じてついてきてほしい」など強めのワードも多く、その必死感にファン目線では少し驚いた

③笑顔のアイドル、高山一実

『私の色』から始まったアンコールでは、かずみんが乃木坂を誰よりも楽しんでいたことがよく伝わった
MCで乃木坂時代がいかに幸せだったかが熱弁する横顔が印象的だった
そして「私はずっとアイドルになりたかったけど、乃木坂を知ってしまったために来世は乃木坂になりたい」という言葉は僕らまで嬉しくなった

それに続く『サヨナラの意味』はなるほどなと思う選曲だった
大好きだったアイドル生活に区切りをつける儀式として必要な曲だったのだろう
逆説的に乃木坂時代が本当に楽しいものだというのがここでも伝わる

ところで冒頭から私はかずみんのことを「誰よりも乃木坂を楽しんだ」と評している
しかし「誰よりも乃木坂を、つまりメンバーや関係者・ファンを楽しませた」のもかずみんだと言っても過言ではないだろう
そんな沢山の笑顔を生み出したかずみんがラストに歌った曲のタイトルが「泣いたっていいじゃないか?」なのは神様か秋元康のいたずらか
きついことがなかったわけないだろうに、それでも僕らの中に残るかずみんは笑顔で…

そんな笑顔のアイドル高山一実を僕らは決して忘れないだろう

④『日常』

ここからは本編の考察とはやや離れる
この曲ライブで見るたびに迫力が増している気がするが、特にこの2日間はすごかった
きぃちゃんの最後の表情とかもはやホラーかってくらいで、文字通りこの曲を懸命にパフォーマンスしているんだろうなと思った
それと同時にこんな感じの魔曲をいくつももつ欅坂はそりゃ魂削れるよねと思ったりもした

⑤スティックバルーン

実は今回コロナ入って初めての現地参戦だった
スティックバルーン楽しみにしていたのだが、結構使いどころに困るなというのが正直な感想だった
場所取る割には基本的ライブ中はサイリウムで手が埋まるし、音を出したい時にも拍手やクラップで事足りる
うまい使い方があれば誰か教えていただきたい

⑥ちょっと気になった点

最後にちょっと気になった点を書き記しておきたい
2日間良いライブ(特に今日のアンコールのかずみん卒業パートは)だったのだが、全体を通して「東京ドームでやる意味あった?」という感想を抱いてしまった

真夏の全国ツアーのラストという位置づけを優先して演出したのだろうが、それよりは東京ドームの特別感を優先した方が良いのではとも思ってしまった
そのくらいファン(少なくとも僕にとっては)東京ドームは大切な場所である
あと10周年というテーマは福岡公演でもあったし、おそらく来年のバスラでも使われるのでちょっとマンネリ気味だよなとも思う…

個人的には真夏さんが前回誓ったという「東京ドームリベンジ」とキーワードである「変化」を軸として、前回ドームから乃木坂に起こった変化を振り返っていく構成とか良かったんじゃないかなあと
前回ドーム以降に発売されたシングル(20th以降)でも披露されていないのがいくつかあるのも生かし切れてない気がする

⑦最後にただの感想

かずみんは乃木坂時代幸せを作ったのは僕らだと言った
「みなさんは幸せを作る天才」と
しかし僕らを天才にさせてくれたのはかずみんの暖かさだと思う

ワードセンスといい謙虚さといい、どうやったらこんな人になれるのだろうか…

2021/11/20 真夏の全国ツアー2021 FINAL!東京ドーム公演Day1

1.全体の感想

考察要素はほぼなかった気がするが、王道の良いライブだった
東京ドーム・結成10周年というだけで感動要素があるので、小賢しい演出する必要ないというのもあるかもしれない
かなり簡潔になってしまうが、いつものように演出を振り返っていきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
東京ドームということもあってか、代表曲を詰め込んだかなり豪華なセットリストだったと思う

3.振り返りポイント

①全体構成について

忘れかけていたが、そういえば全国ツアーのラストだったためそれを引き継いだ構成だった
福岡公演同様に人気投票で上位だった曲を披露した後、期生別楽曲・表題曲の披露後10周年に外せない楽曲を披露していく流れだった
特に1期2期のメンバー(真夏さん・きいちゃん・いくちゃん・新内さん・飛鳥)それぞれが10年間の思いを語り、『きっかけ』~『他人のそら似』と展開する本編ラストはストレートに感動した
あとは垂れ幕の文字を横読みすると「ありがとうございます」となる演出はニクイよね

②メンバーの入れ替わりについて

今回のライブではメンバーの入れ替わりについてかなり触れられていた印象がある

VTR「乃木坂46の顔触れはずいぶん変わった。それでも現在の彼女たちは輝いて見える。彼女たちが乃木坂46だ。」

真夏さん「メンバーは変わっていくけど、これからも乃木坂46をよろしくお願いいたします」

かっきー「東京ドームに立ち先輩方に憧れて入ってきたと思い出した。この乃木坂とこの景色を守っていきたい。」

きっとメンバーが変わりつつも、「乃木坂らしさ」は保たれていくということを伝えたかったのかな思う
実はこの「乃木坂らしさ」「世代交代」については、結構考えているので別記事で独立したトピックとして今後書いてみたい