考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)東京神宮球場公演Day2 2023/8/26

1.全体の感想

1日目同様良いライブだった
というより曲の入れ替えはあったものの、展開はほぼ同じなのでそりゃよいライブだよねといった感じ
そのため1日目と被るとこ多く新たな考察要素は少なめだが、いつものようにポイントを絞って考察していきたい

なお神宮初日と被るところは省略するので、良かったら以下の記事もご参照ください
・考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)東京神宮球場公演Day1 2023/8/25

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
1日目同様、割と保守的だけど良い構成だと思う

3.振り返りポイント

①コロナ期の表題曲について

声出しライブが解禁されて改めて思うけど、コロナ期リリースの表題曲って結構良曲が続いていたなと改めて思った

『僕は僕を好きになる』は乃木坂が歌うからこそ価値がある曲だし、『ごめんねFingers crossed』はコールが加わると一層ライブ映えする
『君に叱られた』はめちゃくちゃ盛り上がるし、『Actually…』も時がたって色眼鏡を外してみると独特なので映える(ちょっと演出が過剰な時はあるが…)
『好きというのはロックだぜ!』だけは個人的には正直そこまでハマらないんだけど人気あるし、タオル回すのは楽しい

こう考えると粒ぞろいで個人的にはコロナ前より曲だとよいと思うのだが、いかがだろうか

②ファンへの感謝

今日はファンへの感謝がMCのテーマになることが多かったように思う

なぎちゃんはたどたどしくなりつつもファンに思いを伝えていたし、弓木もむちゃくちゃなこといいつつもファンが味方でいてくれることへの感謝を伝えていた
梅ちゃんもラストでファンが見せてくれた景色への感謝と、これからも歩んでいきたいことを綺麗にまとめていた

意図は正直わからない部分はありつつも、しかと受け止めさせていただきました

③井上和について

1年半前5期生公開のティザー動画を見た時、とんでもないスターが入ってきたと思った
そしてその感覚は間違えではなく、彼女が中心にいるだけで乃木坂がかなり景気良いグループにみえるくらい一人で空気を変えられる存在だと思う

だからこそ私たちは忘れがちになるが、彼女は加入からまだ1年半しか経っていないのだ
この2日間でMCでつまったりすることを多く見てきて意外に思ったが、よく考えると当たり前である

それでもつまったりすることで、格好良さは損なわれない
(実際に伝説となったななみんですら、意外と詰まることも多かった)

丁寧に伝えようとする言葉は確実にファンの心を射抜く
この二日間で彼女に改めて惚れ直した人も多いのではないか

考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)東京神宮球場公演Day1 2023/8/25

1.全体の感想

3期を中心に良いグループになったなと思えたライブだった
飛鳥ちゃん卒コン後に諸々ごたごたがあったので多少なり心配していたが、全くの杞憂であった
また演出の変化も懸念されたが、むしろ平場のライブとしてはかなり良かったのではないか

また地方公演については宮城公演のday2に参戦していたが、まだ記事が投稿できていない
これは筆者が宮城公演後、某感染症の影響でダウンしていたためである
どうにかこの4日間のどこかで記事をアップ出来たら…とは考えているので、遅くなってしまいましたが地方公演振り返りを兼ねて読んでやってください
※8/31追記:宮城公演の記事を投稿しました。以下の記事からご確認ください。
・考察:乃木坂46 真夏の全国ツアー(全ツ)宮城公演Day2 2023/8/15

以下、いつものようにポイントを絞って考察していきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
夏曲を皮切りに、ユニットゾーンと続いた後はアンダー曲や期別楽曲の間に新曲・ライブ定番曲を混ぜる構成だった
よく考えると今まであまりなかった構成だったように思うが、とはいえそんなに違和感もなかったし、逆に目新しさもそれほど感じなかった
内容も夏のツアーでしかできないであろう特別な演出(昨年でいうトリンギョコーナーや大きなキャンプファイヤーなど)があったわけではなく、むしろ夏のツアーとしては保守的な構成だったように思う

なお地方公演と比較すると大枠としては変わっていなかったが、ところどころ変更点があったように思う
後述するがこの神宮ならではのアレンジに個人的にはとても好感が持て、平場としてはかなり満足感があるライブに仕上がったように思う

3.振り返りポイント

『設定温度』

神宮で追加されたこの曲が、今日のハイライトだった
梅ちゃんの曲前MCでも言及されていたが、この曲は神宮で初披露され3期生が初めて先輩と歌った曲である
この曲を1・2期生がいなくなって初めてのツアーの神宮で持ってくるのは、全体を通してよく考えられた構成だと思う

また当時1期生が歌っていたパートを3期生が歌い、それに4期・5期が順に加わっていく演出が当時を知っているものとしては本当に感涙ものだった
3期生が中心となった新生・乃木坂の象徴となる1シーンだったように思う

②3期が引っ張った初日~象徴としての『人は夢を二度見る』

『設定温度』も含め、初日の今日は3期生が引っ張った印象がとにかく強かった

まずライブ冒頭から梅ちゃんが力入りまくってたのよ
気合が入りすぎてるのかMCカミカミだったのはご愛嬌…笑
前任者もそうだったので気にしないことにしましょう
それでもあそこまでキャプテンが気持ちが入っていると、ついていきたいと感じるものですよね

今やグループを引っ張る立場である久保ちゃんや美月もいつも以上にバッキバキだった
(もちろんここであえて名前を挙げなかった他の3期も素晴らしいパフォーマンスだった)
だからこそ今日のライブの最後が定番の『乃木坂の詩』でなく、『人は夢を二度見る』だったのも納得である
これからこのグループを引っ張る二人がセンターとして歌う曲だからこそ、ラストにふさわしくあえて持ってきたのだろうと想像する

③4・5期への伝播~乃木坂らしさの再継承の現場にて

久保ちゃんがラストのMCで「客観的になれないから、自分が見てきた大きな背中に追い付けているかわからない」という旨の発言をしていた
私は以下記事の9thバスラのころから乃木坂のパフォーマンスや空気感を3期生がきちんと継承できていると思っているし、今日も全く遜色がない良いライブだったと思う
・2021/05/09 乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE 3期生ライブ

というかそれは4期生や5期生にも伝わっているんじゃないかな
なぎちゃんやあやめちゃんが涙ながらに素晴らしい仲間とともに活動していきたいと話していたのは、少なからず3期生がトップに立っているからだと思う
こういう風に1・2期生から3期へ伝わってきた空気感が、今まさに4・5期生に伝播していく様子はとても平場のライブとは思えない充実感だった

やはり3期生を中心にいいグループになってきているなと改めて思えた神宮初日だった
きっとみられなかった地方公演でもよい時間を過ごしてきたんだろうな

考察:乃木坂46 齋藤飛鳥卒業コンサートDay2 2023/5/18

1.全体の感想

飛鳥ちゃん卒業おめでとうございます
長い間乃木坂をけん引してくださり、ありがとうございました
今日も後輩たちを引っ張っていく姿が本当に格好良かったです!
明日からもまた乃木坂を応援していきます

そしてライブ自体もとても満足感があるライブだった
飛鳥ちゃんがもつ様々な魅力を余すことなく堪能できたし、かつ名演出もいくつかあった
以下、いつものようにポイントを絞って考察していきたい
なお今回は奇跡的にチケット入手出来て現地観戦していたので、興奮のあまり細かいところが怪しいですがその分臨場感たっぷりに書けたらと思う

ちなみに初日の考察は下記の記事からどうぞ
・考察:乃木坂46 齋藤飛鳥卒業コンサートDay1 2023/5/17

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
期別曲、可愛らしい曲、ユニット曲、盛り上がるライブ定番曲と進行していた
ネットで見る限りかなり評判はいいし、個人的にも満足のセットリストだった

3.振り返りポイント

①ライブ冒頭~『ジコチューで行こう!』

昨日同様、ライブ冒頭は飛鳥ちゃんひとりで無言で花道を歩いてきた
一言も発さず間が持つのはやっぱりスターの貫禄があるなと改めて思った

その表情をひと時も見逃すまいとみていたが、昨日の表情とは若干異なる気がした
昨日は緊張はありつつも堂々とした立ち振る舞いだったが、今日はファンやメンバーとの別れからかさみしさが少し表情に浮かんでいた
そしてその複雑な感情をすべてぶつけた彼女のドラムから始まる『ジコチューで行こう!』は、緊張から解放へ一気に向かったことで爆発的な景気のよさで楽しかった

②飛鳥ちゃんの魅力を味わい尽くす!

冒頭でも触れたが、昨日に続きかなり振り幅があるセットリストだった
まず冒頭ブロックではいつものように景気が良い定番曲が続いた
昨日とセトリはガラッと変わっていたが、『ハウス』と『ダンケシェーン』が残っているのは、曲を介して「好き」「ありがとう」のやり取りを飛鳥ちゃんが望んでいるようで嬉しかった

次は期別曲ブロックに入る
卒業生が他の期の期別曲をセンターで踊る演出は、いくちゃんや真夏さんの卒コンでもあったので決して珍しい演出ではなかった
それでも間奏でかっきーやれんたんが飛鳥ちゃんに思いを伝える姿には思わず涙腺が緩んだ

その後はアンダーブロックをはさんで、可愛らしい曲ブロックに入った
『ファンタスティック三食パン』『なぞの落書き』『制服を脱いでサヨナラを…』『あらかじめ語られるロマンス』あたりがそれにあたる
現在の飛鳥ちゃんから考えるとやや意外ではあるが、昔のキャラをふまえその時代のファンの気持ちを汲み取ってくれ、彼女の優しさが伝わる構成だと感じた

その後は選抜曲ブロックからアンコールまで駆け抜けていった
しんみりする曲もあったものの割と明るい曲をはさんでいて、結構最後まで盛り上がるライブであった

昨日のダンスナンバーブロックやソロ歌唱披露も含め、一人のアイドルとしての齋藤飛鳥をこれでもかと堪能できる構成だったように思う

③1期生最後の日として

「後輩の魅力も伝えたい」
彼女が初日の冒頭から話していたことだったが、この思いはかなり伝わるライブだった

彼女は最後の1期生だし、特にアンコールは1期生の歴史をたどる構成もあり得たと思う
ネット上でもOGの登場が予想されていた

それでも結果としては1期生には結局触れずに終わった
彼女は「1期生には支えてもらったけど、今は後輩との時間が大事」なるニュアンスのことをMCで言っていて、その強い意志には少し驚いた
その結果1期生最後の日の割には、節目感をほとんど感じなかった
齋藤飛鳥がいなくなるのは事実だが、明日からも何もなく乃木坂が続いていくんだということを感じた
ライブ全体としてもエースの卒コンの割にはメッセージ性が強く無いライブだったように思う

この評価はとても難しい…
1期生のストーリーを好きなものとしてはもっとそこに焦点を当てても良かったのではないかと思わないではない
それでもライブに1期生のストーリーを持ち込まなかったからこそ、純粋に齋藤飛鳥のキャラクターやパフォーマンスを満喫することができた
どちらを重視するかという話なので、観点によって評価が変わるライブなのだと思う

以下は私個人の好みになるが、飛鳥ちゃんの卒コンとしてはこれで良かったと思う
それでも1期生のストーリーを考察するものとして、過去ライブを振り返ってもこれぞ1期生の集大成というライブが見当たらないことは少し残念に思う
いずれ記事として考察しようと思うが、なあちゃんの卒コン演出にかなり消化不良感があり、彼女の卒コンでうまく物語の幕引きができていればと思ってしまう…
(私とは1期の主役はなあちゃんだと思っているので、その分ハードルが上がってしまっているところはある)

④『人は夢を二度見る』

1期のストーリーとして振り返った時に評価が分かれるこのライブだが、演出はめちゃくちゃ良かったと思う
そのハイライトの一つがこの楽曲だと思う

卒業後発売のこの楽曲に、なんと飛鳥ちゃんが加わりパフォーマンスしたのだ
Wセンターの理由がいろいろ言われていたが、もしも齋藤飛鳥が加わることで120%の力を発揮する楽曲と想定して作られていたら…
あまりにも、あまりにも素敵なアートワークだと思う

⑤そして彼女は天使になった

そしてもうひとつのハイライトはアンコール後の彼女の退場シーンである
彼女は天使になると言い残し、ゴンドラへ乗って天井へ消えたのだ

冗談めかした雰囲気ではあったが、感涙のあまり思わず鳥肌が立った
これは乃木坂ライブ史上屈指の良演出である、ななみん卒コンラストシーンのオマージュである
・考察:5th YEAR BIRTHDAY LIVE Day1(橋本奈々未卒業コンサート) 2017/2/20

飛鳥ちゃんが入れてきた唯一の1期生要素があのななみんだったという…
ずっとライブ演出考察にこだわり、かつ2人の関係性を知る1ファンとして魂が震えた
この演出は恐れ入りました

考察:乃木坂46 齋藤飛鳥卒業コンサートDay1 2023/5/17

1.全体の感想

飛鳥ちゃんが明日卒業するらしい
そんなことを忘れてしまうくらい楽しいライブだった

初日ということもあるだろうが、しんみりする雰囲気は全くなく熱気に包まれていた印象が強い
そのためいつもより考察要素は少なめだが、ポイントを絞って考察していきたい
なお今回は奇跡的にチケット入手出来て現地観戦していたので、興奮のあまり細かいところが怪しいですがその分臨場感たっぷりに書けたらと思う

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
アンダー曲、ユニット曲、ダンスナンバー、盛り上がるライブ定番曲、飛鳥ちゃんセンター曲と幅広く見られた1日目だった
振り幅が大きく個人的には好きであった
またネットの評判を見ても概ね好評だったように思う
印象に残った曲目というと、『Hard to say』は想像以上に盛り上がったし、ソロの『Another Ghost』も意外性があってよかった

3.振り返りポイント

①王の帰還

ライブ冒頭で王が帰ってきたと思わず思った

長い花道をただただ無言で歩き続ける…
それだけで圧倒的な存在感があった

その一言目をどれだけの人がどんな気持ちで待っただろう
熱狂、緊張感、期待、少しの不安…
何もせずともこれだけの感情を動かすことができる彼女は、王の貫禄があった

②彼女の歩いてきた道

冒頭でも触れたがかなりバラエティに富んだ選曲だったが、それでも納得感があった
特に齋藤飛鳥を際立たせる演出があったわけではないが、圧倒的に飛鳥ちゃん成分が強かったライブに思えた
きっとアンダーから選抜の中心まで上り詰めた、飛鳥ちゃんの歩いてきた道があったからこそどんな曲でもハマるのだろう

何よりすごいのは1期生の物語の終わりという、あまりにもわかりやすく強いストーリーが欠片も見られなかったことだ
トリンギョコーナーのアキヤ(昨年の全ツで真夏さんが扮していたキャラクター)以外OGの名前を出さずにDay1走り切るとは…

正直考察要素はそんなになかったのでこのあたりで
Day1が卒コンらしからぬ明るいライブだったからこそ、明日のDay2がどんなライブが見られるのか楽しみである
飛鳥ちゃんの雄姿をしかと見届けたい

考察:乃木坂46 32ndSGアンダーライブ東京ガーデンシアターDay2 2023/4/27

1.全体の感想

熱くていいライブだったな

大阪公演で一度見ているので驚きこそなかったが、素直にそう思える良いライブだった
以下ではいつもの通りポイントを絞って、振り返っていきたい

なお大阪公演の記事で触れたところは今回は割愛する
良かったら以下の記事も読んでやってほしい
・考察:乃木坂46 32ndSGアンダーライブ(アンダラ)大阪公演Day2 2023/4/9

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
Wアンコールの『ロマンスのスタート』を除いて、大阪公演と地方公演と同じセトリだった
サプライズ感はないが、その分クオリティで勝負する構成で良かったと思う

3.振り返りポイント

主要なところはすでに大阪公演の記事で触れているため、かなり簡潔ですが今回新たに感じたことを書いていきたい

①アンダーの多様性

今回、アンダーの顔触れは結構大きく入れ替わった
その結果か、かなりパフォーマンスの幅が広がったと思う

従来のアンダラらしい熱くて激しいパフォーマンスを軸としつつも、はじけるような笑顔やしなやかな繊細さ、今日気すら感じる表現力やある種のセクシーさ、メンバー巻き込んではしゃぐ自由人(主にでんちゃん)やあーやの歯を触るサイコ感(主にてれぱんアルノ)まで各人の個性が爆発していたように見えた
きっと先輩後輩関係なくノビノビとパフォーマンス出来て、充実したアンダーライブ期間だったんだろうなというのがうかがえた

②林のスピーチについて

今日のハイライトは本編ラスト前の林のスピーチだった
ニュアンスとしては以下のイメージだった

「アンダーライブは私たちの魂を届ける場所」
「皆さんも大変なことがあると思うんですけど、今だけは楽しんでいってほしい」

正直特別なことを言っていたわけではないと思う
それでもこの言葉はズシリと心に響いた
きっと彼女のアンダラ期間の活躍ゆえだろう
ファンと同じようにアンダラを大切にしてくれていることがやはり嬉しかった

③『誰よりそばにいたい』

林のスピーチに続くこの曲の落ちサビで、理々杏と林が歌っていた時ダブルセンターの意味が分かった気がした

互いをいつくしむようなその目線は、まさに愛に満ちた美しい世界の体現だった
そして3期と4期が手を取り合って乃木坂を引っ張っていってほしい、それこそがこのWセンターに込められた思いだったのだろう

考察:乃木坂46 若月佑美卒業セレモニー 2018/12/4

1.はじめに

過去ライブ振り返りの第三回となる今回は、乃木坂きっての個性派・若月佑美の卒セレについて考察したい
ちなみに第一回と二回は以下からどうぞ
・考察:乃木坂46 生駒里奈卒業コンサート 2018/4/22
・考察:5th YEAR BIRTHDAY LIVE Day1(橋本奈々未卒業コンサート) 2017/2/20

残念ながら当時見ることはできなかったので初視聴だったが、乃木坂好きなら誰もが楽しいと思えるライブだと思った
今回もリアルタイムでないので臨場感はないが、その分時間が経ったからこそわかることも盛り込めればと思う

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
卒業セレモニーと銘打ったことからもわかるが、曲数押さえてトークや企画をメインとした構成だった

「若月卒業前にやっておきたい曲ベスト5」なんて企画タイトルはなんてことないんだけど、キャラ渋滞を起こしていた彼女らしい企画だったと思う

3.振り返りポイント

「最後まで与える人でありたい」

ライブの最終盤、彼女はメンバー一人ひとりに花を手渡すサプライズを用意していた
その際に述べたのがこの言葉である
真面目な彼女らしい言葉ではあるが、ライブを振り返るとこの言葉通りのライブになっていたのではないか

というのも、このライブはファンが見たいもの全部セットみたいなライブだった
一つ一つ振り返っていくと、

  • 冒頭まさかの本当のロボットダンスからはじまった。乃木中でやっていた地獄のロボットネタがこの伏線となるとは…。
  • 玲香ちゃんとの『まあいいか?』。女子カルとは別にこのユニットは見たいよね。選曲もコミカルでベストだった。
  • 女子カルでの『告白の順番』。最初で最後のライブでの披露。
  • 「箸休め」として選んだのは『ボーダー』。この選曲は愛を感じる。
  • 若様軍団からのラスト箸くん。もちろん新作。そして無駄にうまい…笑。
  • 『低体温のキス』は流石のイケメン若様
  • そしてやっておきたい曲1位に挙げたのは『Rewindあの日』。思い出深いメンバーと踊るこの曲はばっちり決まっていた。
  • 企画後はラストまで盛り上がる選曲。『制服のマネキン』で金属音をしっかりめに聞いているのもわかってるよねえ。
  • 最後の曲は『ダンケシェーン』。やっぱり若月の掛け声で「やっぱ乃木坂だな」って言って終わりたいよね。

これだけファンのツボを押さえたセットリストを作ることができたのは、きっと彼女が与える人=エンターテイナーであろうと心掛けたからだろう
卒セレを最後の瞬間までは笑顔で駆け抜けたのも、その心がけを物語っているようだった

②卒業セレモニーとは〜2023年から振り返る

今回のライブは通常の卒業コンサートではなく、曲数を抑えてトークを多めにした卒業セレモニーだった
2023年現在にいたるまで何度かこの卒業セレモニーという形でメンバーを見送ることがあったが、その走りとなったのが若月卒セレだった

そして原点にして、卒セレの良さを分かりやすく濃縮しているライブだなと今になって思う
卒セレの醍醐味は振り幅である
卒業メンバーの個性を生かした企画で前半楽しみ、後半のVTRやスピーチで泣かせにかかる…
これがうまく作れた良いライブだったと思う

考察:乃木坂46 32ndSGアンダーライブ(アンダラ)大阪公演Day2 2023/4/9

1.全体の感想

立場が人をつくる

よく聞く言葉だが、この言葉がしっくりくるライブだったと思う
そのくらい引っ張っていく立場の3〜4期の気合いをひしひしと、いやビシビシと感じた

千秋楽の配信があるなら、残り4公演を終えた彼女たちの姿をまた見たいとすら思う
以下ではいつもの通りポイントを絞って、振り返っていきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
最初のブロックはエモかった
3・4期が初参加のアンダー曲、5期はアンダーのはじまりの曲『左胸の勇気』を歌うのは良演出だった
ほかにはセトリで目立つ部分はなかったけど、パフォーマンスと相まって良いアンダラだったと思う

3.振り返りポイント

①立場が人をつくる

冒頭で述べた、立場が人をつくるということの真意を話して行きたい

31stのアンダーライブを私は真冬の全国ツアーと評していた
詳細は以下の記事に譲るが、アンダーライブらしい熱量というよりは全体ライブに近い雰囲気を感じ取った
(公演数が多いので仕方がなかった部分もある)
・考察:乃木坂46 31stSGアンダーライブ(アンダラ)横浜公演千秋楽 2022/12/19

今回も東名阪回るということで公演数は多い
しかもアンダラ初参加の5期生もいる
条件は厳しいままなのに、今回の方がずっとアンダーライブらしくて僕は好きなライブだった

要因はやはり立場から生まれた責任感だったように思う
グループの一時代を1・2期生がいなくなり、3期生は一番上の世代となった
最近の3期のパフォーマンスには目に見張るものがあったが、今回は一段とキレキレだった
誰かひとりを選ぶのも難しいが、例えば『音が出ないギター』のりりあちゃんは冒頭のソロ歌唱には引き込まれたし、ダンスも小さな体かぶっ壊れるんじゃないかというくらいエネルギッシュだった
選抜入りできなかったり、入ってもすぐにアンダーになったり、病気を抱えていたりなど個々に思うところはあるだろうに仕上げてくるあたりがこの人たちに任せておけば乃木坂は安泰だなとすら思う

また4期生も後輩が合流して目つきが変わったように思う
ついていくだけではなく、自らが後輩を引っ張っていくんだという気概を感じた
例えばMCでみっちゃんがずっと動画見て研究してると言ってたが、それも気持ちの現れだろう
実際にダンスはダイナミックになり、特に『嫉妬の権利』は一段も二段もレベルアップした姿だったと思う
磨かれた技術に魂も宿った、彼女たちが今美しい

5期生もほとんど踊ったことのない曲をよりやり切ったと思うし、随所に輝きを放っていた
とはいえポテンシャル高い彼女たちならまだまだやれるだろうと思ってしまう
さあ次は君たちの番だ

②その他の見どころについて

その他の見どころを簡潔に振り返っていきたい

林瑠奈『ショパンの嘘つき』

30thまでのアンダラを見ていて林のセンターは一度見てみたいと思っていたが、どの曲も想像をはるか上超えてきた
その中でも鳥肌ものだったのがこの曲だ

センターとしてパフォーマンスしたこの曲だが、ソロ部分もかなり多かった
特にラスサビ前のソロは、感情がセーブできず狂っていく主人公そのものだった

私は1人で雰囲気を変えられる人がスターなのだと思う
そういう意味ではこの日の彼女は間違えなくスターだった
10年以上乃木坂を見てきているが、純粋にパフォーマンスという意味ではトップクラスの衝撃だったかもとすら思う…
東京公演千秋楽あたりでどうにかこのパフォーマンスの映像を世に残してほしい

清宮レイ『自惚れビーチ』

彼女も1人で雰囲気を変えられる、スターなんだと思う

絢音ちゃんセンターのこの曲はツンデレ感あって似合っていたが、レイちゃんセンターになるとガラッと弾ける笑顔で明るさ100パーセントとなった
今までのアンダーではあまり見たことのないパフォーマンスだったので、新しい風が吹いた気がしてとても良かった

小川彩『もしも心が透明なら』

5期の中で目立っていたのは彼女だった
スター誕生ライブの頃から可愛らしい雰囲気とパフォーマンス力のギャップに定評があったが、今回も破壊力抜群だった
この曲のセンターに立つ彼女はとても高校生には見えなかったし、色気すらあった
一方でニコッと微笑んだ時は年相応(下手するとそれ以下?)の可愛らしさがあって、完全にノックアウトされた

いつか乃木坂のセンターに、彼女が立っている世界が見たい

冨里奈央

特にどの曲というわけではないが、ずっとニコニコしてて彼女らしい雰囲気の良さが伝わってきた

ガチガチだったスター誕生ライブから見てきた人なら共感してもらえると思うが、人ってこんなに成長するんだと思った
これこそがアイドルを応援する一つの醍醐味なんだろう

③もっと熱くなれよ、アンダーライブ

今回からアンダラで声出しが解禁され、よりその熱さに磨きがかかったように思う
一方で私も含めてだが、アンダー曲ってあまり全体ライブでやらないのでコールを忘れがちになる

これは個人的な意見だが、アンダーライブの熱狂は観客も前のめりになってつくるものだと思う
だからこそセトリを予習して、コールガンガンしていってほしい
観客は一番広いところでもツアーの半分もいないわけだし、その分声出して彼女たちに愛を伝えてほしい

そしてこのライブでは『マシンガンレイン』『錆びたコンパス』なども披露された
この光景を彼女たちにも見せてあげたかった…
声出しなしのアンダラで卒業となった彼女たちへの想いも込めて、どうか叫んでやってほしい

まだまだできるという思いを込めて
もっと熱くなれよ、アンダーライブ

考察:乃木坂46 鈴木絢音卒業セレモニー(卒コン) 2023/3/28

1.全体の感想

絢音ちゃん卒業おめでとうございます!
思慮深く、芯が強く、愛に溢れたあなたならきっとどんな道でも進んでいけると信じています

絢音ちゃんはライブ中しきりに「美しい」という言葉を使っていた
とても絢音ちゃんらしい言葉だと思う
そして言葉を大切にする彼女だからこそ、とてもこだわりがある言葉なのだと思う
その美しい世界の一端に今日触れられて、本当に良かったと思えるライブだった

いつものようにポイントを絞ってライブを振り返っていきたいが、その前にひとつお伝えしたい
普段から考察という割には客観性を欠く記述が目立つこのブログだが、私はがっつり2期生推しであるためこのライブを客観的に振り返ることなどまずできないと思う
そのため正直今回はとても考察とは言い難いが、とある2期生推しが最後の瞬間に見た美しい光景や希望について語っていきたい

2.セットリスト

こちらのサイトをご参照ください
まいちゅんやひなちまの時もそうだったけど、卒業セレモニーということで曲数を絞ってトークやVTRを多めにした構成だった
冒頭、期別楽曲、ユニット、アンダー曲、選抜楽曲、アンコールと展開していき王道な展開だったと思う

センター曲に2期生曲と見たいものは外さなかったので、とても満足できるセトリだった
詳細は後述するが、それどころか最後に希望まで見せてくれて感謝しかない

3.振り返りポイント

最後まで2期生でいてくれてありがとう

「最後まで2期生でいてくれてありがとう」
2期生推しとして今回の卒セレで抱いた感想である

この1年くらい、1・2期は一緒に扱われることが多かった
もちろん同じ歳月を過ごし一体化していくことは悪いことではないのだが、2期生推しとしては一抹の寂しさがあった
それでも絢音ちゃんの中に2期生というものが特別なものとして認識されていたように見え、嬉しかった

ずっと気丈に明るく振る舞っていた絢音ちゃんが『アナスターシャ』のサビで一瞬だけ見せた感極まる表情や、最後の2期生としてソロで歌いきってくれた『ゆっくりと咲く花』はそれを表していたのではないかと思う
そもそも2期生の特別な日である3/28に卒コンを合わせてくれること自体が、愛だなあと思う
(2期生推しの妄想でないことを願う)

そしてスピーチで言っていた言葉がこれ以上ないほど胸に刺さった
「悲しい物語を当て書きされてしまうことも多かったけど、私の乃木坂10年間は人生の中で一番美しい10年間でした」
この言葉にどれほど救われたか
私が応援していて美しいと思っていた10年間を、彼女も同じように思っていてくれたことが本当に良かった

『ボーダー』~2期生推しが最後に見た希望

このライブで2期生推しである私が感じたのは、未来への希望であった

2期生の物語は私の中ですでに2度も終わっている
9thバスラの堀ちゃんの卒コンでボロボロになるまで出し切り、きいちゃんの卒コンでは心残りを回収してくれた
・2021/03/28 乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE 2期生ライブ
・乃木坂46 北野日奈子卒業コンサート考察 2022/3/24

そしてこれで2期生の物語は終わり、2度と復活することのないものだと思っていた
このライブに先駆けて本ブログでは2期生の物語の考察をしていた
・考察:なぜ2期生は不遇と言われるのか 不遇と言われたあなたたちへ~鈴木絢音卒業によせて
詳細は上記の記事に譲るが、残念ながら2期生の物語の後継者はおらず乃木坂らしさに組み込まれなかったと締めくくっている
特に新4期生は境遇が近いが、新4期らしさを主張するということは旧4期生との違いをつぶだてる行為なので後継者にはなりえないと踏んでいた

それだけに絢音ちゃんと新4期生が披露した『ボーダー』は衝撃だった
もしかすると新4期生中心に語り部となって、2期生の物語が乃木坂に生き続けるのではないか…
そんな未来への希望を抱くことができた1曲だった
私の予想は外れることにはなるが、2期生推しとしてこんなに嬉しいことはない

③私が愛した2期生たち

アンコールの最後の一曲『君の名は希望』を披露し挨拶に入ろうとしたころ、最後のサプライズがあった

「あやねー」

きみは緊張感のない腑抜けた声と言ったら怒るだろうか
それでも何度も聴いたその愛しい声で、カメラインを待つまでもなく私は状況を理解し涙腺が崩壊した
ステージに乃木坂2期生OGが現れたのだ

もう2度と乃木坂のステージに上がることはないのだと思っていた
10thバスラではOGがステージに立っていたが、1期生の特権だと思っていた
それだけにこみ上げるものがあった

その後は感情がぐちゃぐちゃになった
堀ちゃんが全く違う色の花をサイリウムカラーちなんでと言い始めたり(会場の皆さんはもちろん絢音ちゃんのサイリウムカラーで統一していた。見ればわかるのでは…。)、れなちが涙ぐんでたり、伊織ちゃんは思い出が少ないとか言い始めたり、かりんちゃんが甘えん坊だった頃の絢音ちゃんの話をして成長を実感したり…
緩急がすごくて、はっきり言ってむちゃくちゃだった

それでもこれこそが私が愛した2期生の空気なのである
最後にもう一度見られたことが本当に嬉しい

10年間本当に楽しかったです、みんなお疲れさまでした!

考察:なぜ2期生は不遇と言われるのか 不遇と言われたあなたたちへ~鈴木絢音卒業によせて

1.はじめに

来る2023年3月28日、ついに最後の2期生絢音ちゃんが乃木坂を卒業する
2期生推しの私としては、1期生を見送るまでいてくれてありがとうとしか言えない

苦難もあった乃木坂の歴史だが、とりわけ2期生の歴史はまっすぐ進めなかった
研修生制度に始まり、全員選抜落選、3期以降の躍進などとうまくいかない時期も続き「不遇」と言われることも多かった
憧れていた先輩たちのように活躍できない葛藤もあっただろう
それでもあるものはラジオに活路を見出し、あるものは舞台で演技力を身につけ、そして辞書好きを生かし書籍を出版するものも現れた

3月28日、絢音ちゃんの雄姿と我々2期生推しが愛した何度でも立ち上がる人の物語の最終章をしかと見届けたい

長々と絢音ちゃん卒業について個人的な思いを語ってしまったが、ここからは2期生の不遇と超克の物語について考えていきたい
この記事だけでも完結するように書いていますが、以下の記事の後編という扱いでもあるのでよかったらこちらも読んでやってください
・考察:乃木坂らしさを要素分解して考える〜3期・4期それぞれの乃木坂らしさ

2.2期生の不遇を考える~組織外評価について

2期生は「不遇」と言われることがよくある
しかしどのような側面が不遇と言われるのか
よく取り上げられるのは以下ではないか

  • 研究生制度が設けられ、正規メンバーに昇格するまで楽曲に参加できないなど不利な立場におかれた
  • 選抜に入るメンバーが少ない
  • 運営にプッシュしてもらえない
  • 期別ライブが組んでもらえない
  • 期別楽曲がエキセントリックで、なかなかファン人気を獲得しにくい

まず乃木坂において研究生が設けられたのは2期生だけである
その間はこちらの記事にあるように、クリスマスライブで選抜メンバーが乗るそりをひくトナカイ役ですら取り合いになっていた
一方で3期生以降は期別活動中心の期間が設けられ、期別ライブなども積極的に行われている
なお2期生の期別ライブが企画されたのは4期生も加入してしばらくたった、2020年になってからである(しかも新型コロナウイルス流行で幻に…)
比較すると加入当初の扱いにはかなり差があるのが理解できるだろう
ただし3期生は期別活動が多かったことで「まだ乃木坂として認められていない」など葛藤したようなので必ずしも3期生以降がパラダイスではなかったことは補足しておく

次に選抜について考えるにあたって、選抜シングル数を加入後のシングル数で割って50%を超える場合選抜常連メンバーと定義したい
また選抜常連メンバーが各期のメンバーでどのくらいいるかを選抜率として定義する
この場合乃木坂2期生選抜率は約14%となる
ほかの期の選抜率は1期:約47%、3期:50%、4期:約37%であり、比較するとこの数値がかなり低いことがわかる
ただ実はAKBグループ等と比較すると、乃木坂2期生レベルになる世代も少なくない
それでも乃木坂はAKBグループと比較して頻繁にオーディションを行っているわけではないので、それを加味するとかなり低いといえる
しかも1期生は『バレッタ』以降でアンダー常連となっていたメンバーを順に選抜経験させていったが、2期生はそのような措置はなく選抜未経験で卒業したメンバーも少なくない
このあたりも不遇と言われる要因の一つである

ただし乃木坂内で比較すると不遇が見えてくるが、実はAKBグループではむしろ2期生のような育て方は主流だった
実際にAKB系列各グループでも新しい世代のメンバーは研究生を経験させているし、大量採用のため選抜率が10%台に落ち着く世代も少なくない
アイドル界のホワイト化と競争よりも協調を重んじる乃木坂カルチャーがあいまって、この育成方針が不遇とみなされるようになったのだろう
まとめると乃木坂の育成方針が確立していない中、AKBグループと似たような放任主義で荒波に放り出されたのが2期不遇問題の一つの柱となると考える

ここまではよく言われる話であるが、この組織外評価の話だけでは片手落ちだと考えている
私はもう一つの不遇の柱として、組織内の立ち位置確保がうまくいかなかったことを挙げたい
そして2期生採用時点で宿命づけられた、結構根深い問題だったのではと考えている

3.2期生採用は失敗だったのか~組織内評価について

組織内評価について考えるにあたって、少し観点を変えたい
不遇と言われ、選抜率も低かった2期生の採用は失敗だったのか?

成功失敗の判断基準として、採用の目的が達成されたのかで判断していく
そしてその目的は「1期生に刺激を与えて、グループの成長につなげる」ことだと思っている
そう考えた根拠は3つある

1つめはメンバーの補充が必要な状況でなかったことだ
2期生オーディション時点で1期生は33人おり十分大所帯であった
AKBグループは専用劇場があってチーム制を敷いているためもっと人数が必要だが、乃木坂は劇場がないので特に拡大路線をとる必要がない
もっというのであればアンダーは積極的な活動が始まっておらず、メンバー数は持て余し気味であったくらいだ
(実際に中田は4thシングルで選抜落ちした際に2週間まるまるオフになり、パズドラを無課金で極めていたというエピソードを乃木どこで語っていた)
またこの時点で1期生の年少メンバーはまだ中学生であり、世代交代を見据えてというのもかなり無理がある
採用結果としても2期生で飛鳥ちゃんより年下なのは、絢音ちゃん・米徳ちゃん・みり愛ちゃんの3人だけだった

2つめは当時の乃木坂には競争や変化を強いる文化があった
AKBより激しく競争させようと初期乃木どこではメンバーを週ごとに入れ替えたり、またプリンシパルで毎日投票にさらされたりなどなかなかタフな文化があった
そういった考えを持つ運営サイドが、新しいメンバーを入れて奮起した現メンバーと競わせようと思うのは何ら不思議ではない

3つめは『バレッタ』のMVである
まいやんを堀ちゃんが銃で撃つという、なかなかパンチの強いシーンで締めくくられている
しかし2期が1期に対して刺客として送り込まれたことがわかる象徴的なシーンであった

話を戻す
「1期生に刺激を与えて、グループの成長につなげる」という目的については十二分に達成されたと考えている
実際まいやんはバナナムーンで「2期生から抜擢されて悔しいと思った」と発言しており、クールなイメージのななみんですら悔しくて泣き「やっぱり1期は違うね、力があるね」と思ってもらえるよう成長していきたいとブログに記載している
このように採用目的が達成された以上、2期生採用は成功と言えるのだろう

しかし既存メンバーの奮起を期待するという採用方針は、言ってしまえば当て馬的な要素が強い
そのため2期生にかなりの負担を強いることになり、結果として2期生は組織内での立ち位置確保に苦労したように見える

人が組織に後から加入して立ち位置を築くとき、方法としては3パターンあると考える
具体的には①先住者に入り込み同化する、②徹頭徹尾後輩として振る舞う、③圧倒的な結果を出すである
③はすごすぎる人以外立ち位置確保まで時間がかかるので、実際には①か②で立ち位置を確保することが多いだろう

しかし2期生は加入の経緯上①も②も長期間とりえなかったと思う
まず①をとりやすい環境としては断続的に人が入ってきて、期の違いが分かりにくくなる環境が考えられる
初期のAKBとか半年おき程度でオーディションをやっていたのでこの戦略がとりやすい環境だったと思う
一方で乃木坂は2期の加入から3期の加入まで3年半近く空くので、この戦略がとりにくい環境だったように思う
とはいえ②がとれるかというとそれも難しい
2期生は立場を脅かす「敵」として加入してきているので、1期は先輩としての余裕を持てず、また大人からも2期生は1期のライバルであることが求められた
結果として初期メンバーにも後輩にも長年なれず、かなり立ち位置の確保に苦労したのではないか

4.2期生の物語~何度でも立ち上がる者たちのストーリー

前章で述べた通り、①②での2期生の立ち位置確保は困難だった
その結果③結果を出すことによって立ち位置を確保するというトライをそれぞれ行った

  • あるものは将棋を突き詰め、一躍その世界で名が通った人となった
  • あるものは舞台を極め、関係者から一緒に仕事がしたいと言われるまでになった
  • あるものはライブパフォーマンスを磨き、センターを務めるアンダー曲を全体ライブの代表曲とするまでに成長させた
  • あるものはスタイルを生かして、ソロでモデルをできるまでになった
  • あるものはアニメ好きが知れ渡り、声優として一歩踏み出し始めた
  • あるものは深夜ひとりで話し続け、根強いファンを獲得した
  • あるものはファッションにこだわり、卒業後お店を持つまでに至った
  • あるものはクイズやラジオで活躍し、乃木坂で一番外仕事がもらえる人になった
  • あるものは得意のダンスに磨きをかけ、後輩たちにも憧れられる存在となった
  • そしてあるものは突然言い渡されたセンターのプレッシャーをはねのけ、乃木坂2期生のエースとして戦い続け、彼女たちの魅力を広め続けた

その結果は皆さん知っての通りだろう
彼女たちの努力は多くの人の心を動かし、1期生に「同志」と言われるまでに至った

5.2期生と乃木坂らしさ

前回の記事で期別の乃木坂らしさについて考察したが、2期生のストーリーは乃木坂らしさに組み込まれたのか
私は大変残念だが、乃木坂本体のストーリーに組み込まれていないと思う

2期生のストーリーとは一言でいうと、「不遇と挫折を知ったものが、感情に折り合いをつけながらそれぞれが自力で乃木坂内外の立ち位置をつかみ取る」というものになるかと思う
しかしこれはいくつかの側面から乃木坂本体のストーリーに組み込みにくい

まず二期生を刺客のポジションに置いたのは、「仲間」を重視する乃木坂本体のストーリーに組み込むとコンフリクトが起こる
また後継者が出てこないことも乃木坂全体というより、乃木坂2期生の中に閉じたストーリーになってしまう要因だ
(この観点については、不遇を経験するメンバーが出てこない方が良いので出てくるべきではないとも思う)
さらに前章で10通りのストーリーを記載したように高度にそのストーリーが属人化されているため、演出で後継者のように見せるのも難しい

このような理由から2期生のストーリーは2期生に閉じたものであり、乃木坂らしさには組み込まれなかったと考える

6.新4期生と乃木坂らしさ

本題については以上だが、最後に関連して新4期生についても触れたい
2期生を継ぐ者が現れるとしたら、新4期生だったと思う
実際に以下のような不遇が想定できる

  • 坂道研修生という、研究生に近い期間が設けられていた
  • 3期生や旧4期生が経験したような、運営がプッシュしてくれる期間がほぼなかった
  • プリンシパルやお見立て会など、新4期が経験できなかったイベントがある

そして彼女たちがそのハンデを克服し、力をつけつつあるのも確かだろう

それでも新4期生が2期生の後継者となることは難しいと考える
それは新4期が新4期らしさを主張するということは、旧4期生との違いをつぶだてる行為にほかならないからだ
4期生は「仲間」を中心とした世界観を作っているので、違いを際立てる行為はNGだろう

それゆえに新4期の乃木坂らしさというものも、存在しえないと考える
彼女たちは4期の乃木坂らしさの構成員とみなされるのだろう

前回の記事で語ったように多様な形の乃木坂らしさがあるが、乃木坂らしさが包含できなかったストーリーがあることも忘れてはならない

考察:乃木坂らしさを要素分解して考える〜3期・4期それぞれの乃木坂らしさ

1.はじめに〜11thバスラ反響への違和感

今回のテーマは乃木坂らしさというものだが、考えるきっかけとなった11thバスラについてまずは触れたい
なお11thバスラの考察は以下にまとめており、読んでいただけると今回の理解が深まると思うので是非
・考察:乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE (11thバスラ)Day1-5

11thバスラ期別ライブに対する私の感想を極端にまとめると「どの期も良かったけど、3期ライブこそ至高!乃木坂らしさの体現!!」という感じだった
もちろん4・5期も良かったけど、3期ライブでは個人的には段違いに魂震えるほど感動した
それほど周囲の意見と外していないと踏んでいたのだが、案外4期ライブこそが乃木坂らしくて良かったという層も多くギャップを感じた
(なお5期ライブが良かったという層も多かったが、主題となる乃木坂らしさとは関係なさそうなので今回は触れない)

私は今まで乃木坂らしさを「内気な女の子が仲間を得て強くなる」と定義していた
しかし改めて考えてみると、そんなに単純なものではないのかもしれない
「内気」「仲間」「成長」という要素については概ねうまく分解できていると思っているが、これらの要素がバランス良く入っているのではなく時代やシーンに合わせてかなりダイナミックに変化しているのではないか
そして4期ライブは私があまり取り上げてなかった乃木坂らしさに溢れており、4期ライブが良いと言っていた層にはその側面が刺さったのではないか

そこで今回は3期•4期それぞれの乃木坂らしさを紐解いていき、多義語としての乃木坂らしさを考察していきたい

2.3期生と乃木坂らしさ

3期生ライブで強く感じた乃木坂らしさは、以前わたしが定義していた「内気な女の子が仲間を得て強くなる」というストーリーに限りなく近いものだった
「内気」「仲間」「成長」という要素が割とバランスよく散りばめられていると思うが、どの要素が強いかと言われると「成長」だろう

今回の3期ライブ、一言で言うなら主題は「もっと強くなって乃木坂を引っ張ります」という決意だったと思う
もちろんその決意の前提として同期を中心とした「仲間」への信頼がある
また「内気」の要素は本ライブではあまり出てこなかったが、『僕たちは居場所を探して』のドキュメンタリーではきちんと触れられいたと記憶している
この仲間に対する信頼と圧倒的な熱量・上昇志向は、かつて生駒里奈が西野七瀬が仲間の力を借りつつ、グループを大きくしようとしていた光景を思い出した

敢えて1期生との違いを挙げるとすると、3期には生駒ちゃんやなあちゃんのような象徴的存在はいないように見える
それでも『三番目の風』の歌詞のように、1人じゃ無理でも力を合わせ乃木坂らしさを体現していたのではないか

3.4期生と乃木坂らしさ

4期生ライブでは私は「内気な女の子が仲間を得て強くなる」というストーリーをあまり感じなった
それは「内気」「仲間」「成長」の中で、「仲間」と言う要素に集中的にフォーカスが当たっていたからではないか

キャッチーな4期曲でわちゃわちゃ騒いでる様子は本当に仲の良さを感じさせるし、さくちゃんがほかの15人を紹介していく演出も「仲間」を強く意識させるものだった
実際こちらでまとめられているように、蓮加ちゃんが4期が仲良くしている様子を見て羨ましいと言っていたくらいなので本当に仲良いのだろう
一方で「内気」はさくちゃん以外にはそれほど感じず、また「成長」というよりは今このライブを楽しむ側面の方が強く感じられた

しかし今から振り返るとこれも乃木坂らしさの一つの形だと思う
私は自分自身が定義した乃木坂らしさに縛られていただけで、これも一つの乃木坂らしさだということを見落としていた

4.それぞれの乃木坂らしさの形成を考える

ではなぜこのような乃木坂らしさの違いが生まれたのか
私はこれは見てきたものの違いと捉えている

大前提として3、4期は乃木坂が大きくなった後に加入してきたメンバーで、乃木坂になりたくて入ってきた子たちである
先輩の作り上げた空気感に染まっていくのは必然だろう
しかし3期生が見た乃木坂と4期生が見た乃木坂は質的に少し違うものだったと思う

3期が入ってきたころの乃木坂は象徴としてなあちゃんや生駒ちゃんがいたように、まだまだグループを大きくしていこうという上昇思考に溢れた集団だった
「内気な女の子が仲間を得て強くなる」というストーリーがわかりやすく生きていたころである

一方で4期生が入った頃の乃木坂は成長しきった感じが出ており、成熟した集団であった
物語の主人公としての生駒ちゃんやなあちゃんが卒業し、「成長」「内気」という要素が弱まり「仲間」が残った
この時期の乃木坂というコンテンツの肝は、まいやん・さゆりんご・かずみん・真夏さん・いくちゃんらがわちゃわちゃしてる姿であり、我々はそれを尊いと思っていた
わかりやすいストーリーこそないものの、このわちゃわちゃした姿も乃木坂らしさの一つなのだ

そして前者は今の3期生に、後者は今の4期生とかなり近い空気感があると思う
1期生が築いてきたそれぞれの時代の乃木坂の空気感を、3期4期が継承したと考えるのが自然ではないか

4.それぞれの乃木坂らしさの評価

この章では生駒ちゃん・なあちゃん=3期の乃木坂らしさと、まいやん・さゆりん=4期の乃木坂らしさについて評価していきたい
(1期のメンバーはその空気感の中心にいたメンバーを取り上げている)

評価を始める前に先に言及しておくが、優劣があるわけではないことは前提として理解しておいていただきたい
性質の違いが存在するだけである
ただ私も人間なので好みが入ってしまう分もあるだろう…
先述のとおり私は3期生ライブが好きなタイプの人間なので、やや贔屓目が入る可能性がありそこは割り引いて受け取っていただきたい

この2つの乃木坂らしさの1番の違いは「物語の有無」と「属人性」というところにある

①3期生の乃木坂らしさへの評価

まず3期生の乃木坂らしさはひとつの物語なのである
乃木坂に憧れた内気な女の子たちが、名実ともに乃木坂となり、仲間とともに成長し、先輩去りし後のグループを引っ張っていかんとする物語である
つまり3期生の乃木坂らしさとは成長・上昇を目指す物語であり、いつかは終わりが来る
1期生が成長から成熟に舵を切ったように、おそらくあと1〜2年のうちには3期生の物語も終演するのであろう

では3期生の成熟とともに「内気な女の子が仲間を得て強くなる」という物語は消滅するのかというと、多分それはない
生駒ちゃんやなあちゃんのの物語を3期生が引き継いだように、3期生が成熟してもまだ未完成な世代がそのポジションを担うことができる
それが5期になるのかまだ見ぬ6期以降になるのかはわからないが、乃木坂という箱はそれを演出するのが大得意である

もちろんこの物語の継承については、似たような系統のメンバーが入り続けてくるという前提がある
しかし坂道シリーズのリクルーティングはAKB48で取られていた多様性重視路線よりは、世界観になじめる子を中心にとっているように見えており路線変更がなければ何度でも蘇るストーリーなのではないか

つまり3期生の乃木坂らしさについては属人性は低いと言えるだろう
これは良い面と悪い面の両側面あって、まず悪い面としてはグループの人気が個人の人気と繋がりにくい
それゆえに卒業後の個人人気確保についてはかなり頑張らないといけないと思う
一方で乃木坂の箱としてのストーリーは保つことができるので、グループとしての生き残りにはプラスに働く

②4期生の乃木坂らしさへの評価

一方で4期の乃木坂らしさは属人性が高いように思う
わちゃわちゃ感をメインコンテンツとして挙げたが、これは空気感が近ければ誰でもよいのではない
誰がわちゃわちゃしているかというのが大変重要な要素である
良く知らん可愛い子がわちゃわちゃしているより、関係性を知っている「かきさく」や「かきまゆせーら」がわちゃわちゃしているからこそ我々は尊いと思うのだ

そして4期生の乃木坂らしさは、物語ではなくわちゃわちゃという状態である
物語ではないので、明確な終わりはない
実際卒業後に卒業生同士がわちゃわちゃしている姿を見て、尊いと思う人は少なくないのではないか
(言ってしまえば現役メンバーより人気出てしまうかもしれない)

明確な終わりがなく、かつ属人性が高いという特徴から導き出されるのは、先輩メンバー推しの人はそのまま先輩メンバーを推していてなかなか後輩メンバーに流れてこないということが考えられる
例えば乃木坂1期のわちゃわちゃ感が好きという人は、卒業しても乃木坂4期に流れてくるのではなく乃木坂OG同士の絡みを好むのではないか
そのためこの乃木坂らしさを前面に押し出すと先輩からファンが流れてくるということは期待にしにくく、グループの持続性という観点ではマイナスに働く気がする

もちろん個々のメンバーにとっては、その分一度ファンをつけておけば離れにくいという特徴はある
それでもファンが求めているのはあくまでもわちゃわちゃなので、良くも悪くも卒業してもOGコミュニティから離れにくいとは思う

5.最後に〜2期生と乃木坂らしさについて

ここまで1、3、4期の乃木坂らしさについて触れてきた
結論としては1期生が中心となる時期やメンバーの違いによって2つの別の乃木坂らしさをはぐくんできたが、それぞれ3・4期生が受け継いだというものだった
そこで2期生の乃木坂らしさというのはなんだろうという疑問が出てくる

私自身2期生推しということもあり大変残念なのだが、結論としては2期生のストーリーは乃木坂らしさに組み込まれなかったと考えている
この分析については長くなってきたので次回に回そうと思う
また関連して新4期の乃木坂らしさについても次回言及する

2023/3/27追記:
以下の記事で2期生と乃木坂らしさについて、考察しました
・考察:なぜ2期生は不遇と言われるのか 不遇と言われたあなたたちへ~鈴木絢音卒業によせて